宿番号:330932
名鉄グランドホテルのお知らせ・ブログ
瀬戸物のはなし(瀬戸物の歴史)
更新 : 2021/9/16 2:49
前回からの続き…
瀬戸物の一番の特徴は釉薬(ゆうやく・うわぐすり)がかけてあるということです。鎌倉時代に日本で釉薬をかけた焼物を作っていたのは、瀬戸が唯一で、他の地域で作られていた焼物のほとんどは釉薬をかけていないものでした。釉薬をかけず焼いたものは「素焼き」と呼ばれます。素焼きは表面が粗く、色柄などを反映するのが難しい上、水を吸収しやすいので用途が限られます。しかし、素焼きした陶器の表面に釉掛けをして焼くと、表面をガラス質が覆い耐水性が増します。そして、釉薬の中の長石が焼成時に溶け出してガラス質を形成し、金属成分が熱による化学変化を起こすことにより、焼物に独特の色や光沢、模様がつきます。この製法が確立されたことにより瀬戸物は注目されるようになります。鎌倉時代には貞応2年(1223年)に永平寺を創建する僧道元と共に中国の宋へ入り、そこで陶法を修業した「陶祖」・加藤四郎左右衛門景正が仁治3年(1242年)瀬戸で良土を発見し窯を築いたのが瀬戸焼の始まりとされています。江戸時代には九州肥前の地から磁器の製法を学び瀬戸の地に磁器をもたらした「磁祖」と呼ばれる加藤民吉が活躍しました。その後、瀬戸物は日本中で注目されるようになりそして世界にも輸出されるようにもなりました。現在でも瀬戸の街では瀬戸物が多く生産されています。英語でセトモノは英陶磁器を意味する言葉として残っているように世界でも注目されています。