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ホテルグローバルビュー函館(旧ホテルパコ函館)のお知らせ・ブログ
松風の怪【名状しがたきもの編】
更新 : 2017/12/14 16:57
12月としては驚異的な大雪に見舞われた函館。
ところが今日は温度が高く、歩道や道路の雪はどんどん解けてべちゃべちゃに。
これで凍ったらなかなか厄介だぜ…。
凍るといえば、先日体験した恐ろしい話がひとつ。
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晩に気温が急激に下がり、路面が凍りついたある夜のこと。
仕事帰り、私はグリーンベルトにかかる横断歩道を渡っていました。
ひとつ目の横断歩道を渡る途中で赤信号になり、真ん中の島のようなところで次の信号が青になるのを待ちました。
横断歩道は凍っててかてかになり、特に白いラインは目印というより罠のようでした。
ずっと後方では、外国人の女性が二人、寒さも気にしない様子でおしゃべりしながら信号待ちをしていました。
寒さのせいか、待ち時間はいつもよりずっと長く感じました。
寒さと退屈を紛らすためしきりに足踏みをしていると、ようやく信号が青になりました。
白線を踏まないよう、あえて横断歩道の外側を慎重に歩いていると、
ごすっ
と、私の足元で氷に何か重いものがぶつかるような音がしました。
車が氷塊を弾き飛ばしたか、と思いましたが、車はいません。
まさか後ろの人が、と振り返ると、女性たちはその場でおしゃべりに夢中の様子。
おかしいなぁ、と辺りを見回すと、近くに大きな塊が落ちていました。
暗い夜道、街灯のわずかな明かりで、それは紫と緑に妖しく光りました。
本来なら車の迷惑にならないよう、拾い上げて道路の端にでも運ぶべきだったかもしれませんが、その時はそれどころではありませんでした。
それ自体は、日常よく見かけ、特に変わった存在ではありませんでした。
しかし、普段なら絶対ありえない状況が恐ろしかったのです。
翼を半ば広げるようにして、頭から地面に突っ込んでいる鳩を見てしまっては…。