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ウィリアム・モリスとアーツ・アンド・クラフト運動
更新 : 2011/10/3 12:12
こんにちわ!
今日は『アーツ・アンド・クラフト運動』についてお話したいと思います。
ウィリアム・モリスが主導したアーツ・アンド・クラフト運動はモリスの生まれたイギリスのコッツウォルズ地方の美しさから影響を受け始まったとされています。
モリスが世界で一番美しいと称讃したバイブリーという村もコッツウォルズ地方にあり、今も何世紀も前のモリスが生きた時代と同じ風景をそのまま残す本当に美しい小さな村です。
アーツ・アンド・クラフト運動は19世紀末に起きた産業革命により、安価で粗悪でしかも美しくない大量生産された品物が出回る社会を批判し、生活と芸術を一致させようとした美術工芸運動です。
モリスの生きた時代は産業革命によって近代化を進めようと大きく社会が変化した時代で労働者の雇用状態も革命前と後では大きく変わり、新しい雇用体制、社会への不安から人々の心から余裕や豊かさが無くなりつつありました。
近代化を進めれば国は豊かになりますが、その反面大量生産に必要な工場を多く作れば環境や自然を破壊する事となり、また工場からの産業廃棄物による環境への影響もこの時代は深刻であったと思います。
以前、モリスは心から自然を愛し、自然こそがモリスにとって生きる喜びであったとお話しましたが、この時代に国が大きく変わろうとし近代化が進み失われつつある自然を想いおそらく少数派であっただろう思想を唱えました。
モリスの思想は各国に大きな刺激を与えたそうでアール・ヌーヴォーやドイツの画家のクリムトをはじめとする芸術家グループ、ウィーン分離派にもその影響が見られ、実は日本でも柳宗悦という白樺派文学を発展させる基となった人物もモリスの活動に影響を受け賛同し日本独自の民芸運動という活動を行っていました。
モリスはデザイナー、社会主義家、思想家、詩人、小説家と、とてもバイタリティにあふれた人物ですね。デザイナーとしては現代デザインの父と呼ばれるほどモリスデザインの完成された感性が今なお多くの人に影響を与えています。
また、モリスの社会主義家としての活動も今後見直されるのではないかと思います。
現代社会と産業革命後のイギリスという全く違う時代を生きている私達ですが今日の社会はモリスの様な思想を取り入れ先の世代や、地球規模の将来を見つめて行くべきなのではないでしょうか。
それではまた次回!