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宿番号:339430

宮島を臨む高台に年月を経る毎に美しく進化する小宿

ハイクラス

宮浜温泉
JR山陽本線大野浦駅下車、送迎有り。宮島参拝には宮島口駅へ。駅前本店あなごめしのうえのが送迎の拠点。

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  • taboo

    更新 : 2009/6/10 14:55

    熊毛インターを降りて美しい田園をすこし走ると光市の表示が有った。「光」とは良い字である。ほんとうに七つの方向に光が発散しているように見える。「米」のように静止していない震える字。
    弓なりの曲線がすばらしく美しい雄大な白砂の浜が有ってこの世のものと思われない。その黒松林と古い民家に挟まれた道路を抜けて走ると室積に着く。象の頭の形の半島にある町で、象の鼻の砂州に囲まれた湾が古代からの港だった。
    沖縄に行くたびにぼくは室積を思い出す。とくに普賢寺という名の寺である。伝雪舟作の枯山水の庭が、どうしても沖縄のウタキにしか見えない。沖縄から帰ったら普賢寺に行きたくてたまらなかった。
    ぼくは普賢寺の庭が日本の究極の枯山水と勝手に考えている。日本の文化の深層の根は南方にあると考えている。日本庭園の思想と発想の根本は南方にある。庭はウタキの上にあると思う。

    室積の古い町に入ったとき大粒の雨が降り出した。十日前、沖縄をレンタカーで走ったとき、ときどき土砂降りのスコールに見舞われたようにである。
    町を抜けて視界が開け、広い白砂の境内にぼつねんとそびえる山門と背後の峨嵋山の緑を見たとき、ぼくは「おー」と声を上げそうになり、やはり沖縄と同じだと思った。

    ここのすこし前には江戸時代の豪商の磯辺家があり、その庭には琉球から移植されたという樹齢数百年の大ソテツがのた打ち回っている。磯辺家は維新の騎兵隊のパトロンでもあったが、高杉晋作の騎兵隊駐屯地は少し離れた田布施町「石城山」の頂上にあった。沖縄のグスクに似た謎の石積みの残る山だ。

    それにしても普賢寺の広い境内に亜熱帯の樹木や植物はどこにもないのに今は雨で湿った白砂と点々とある御堂、きれいな石積みの小川、その脇の濃密な緑の生垣など、来てみたらやはり沖縄のイメージなのである。
    そっと裏の勝手から入る。井戸が有り車庫や物置が有って寺の住人の生活がある。しかし見えてきた方丈の二重屋根が、首里城の大屋根にそっくりなので驚く。新しい首里城と違い数百年の時を経て美しく枯れた屋根である。

    本堂の前の庭はよく手入れされているが、これも数百年の削除焼尽を経て簡素で無意味な形になっている。気分がよい。意味不明な石の配列が夜泊石のようにあったりする。これ見よがしのものがどこにもない。

    人は居ないが沖縄のような鳥の流麗な鳴き声は聞こえている。
    ・・続きは石亭HP

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