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竜伝説と「ゆる抜き」
更新 : 2008/5/16 21:52
琴平町の隣に位置するまんのう町に、かんがい用のため池
としては日本最大を誇る満濃池があります。
この満濃池には竜の伝説があるのをご存知ですか?
昔、満濃池の水底には、竜が住んでいたという。
その竜が蛇に身を変えて日光浴をしていたところ、近江の
国の天狗がやって来て、その爪で蛇を捕まえて空へと舞い
上がり、その蛇を住処へと持ち帰り、狭い洞窟へと押し込
めた。さらにこの天狗は、手に水瓶を持った比叡山の僧を
さらい、同じ洞窟へと運んできた。水のない場所で死の危
機に瀕していた蛇(竜)は、僧の持つ水瓶の水で息を吹き
返し、洞窟を破って外に飛び出すことができました。
そして、竜は僧をお寺へと戻してやり、京都の町で僧に化
けていた天狗を踏み潰したという伝説です。
これは、“水の大切さ”を伝える伝説でもあります。
香川県は、山が浅く、河川が少なく、しかも雨量も少ない
ので、古くから灌漑用水を得ることが困難でした。それを
補ってきたのが、満濃池をはじめ、数多くの「ため池」な
のです。
そのため、竜伝説でも”水の大切さ”を教えているのだと
思います。
間もなく、田植えシーズンを迎えますが、毎年6月13日、
香川の田植えシーズンの到来を告げる「満濃池ゆる抜き」
が行われてます。
「ゆる」とは池の取水栓のことで、水門を開くと毎秒4tの
農業用水が放水され、讃岐平野の田植えが一斉に始まり
ます。このゆる抜きの音と堤防下に整備された「ほたる
見公園」のせせらぎは「満濃池のゆるぬきとせせらぎ」
として日本の音風景100選にも選定されています。
毎年、この「ゆる抜き」をご覧に数多く方が来られます。
皆様も是非、一度ご覧下さい。