宿番号:341389
【令和7年 長月の献立】
更新 : 2025/9/29 13:45
空にうろこ雲がたなびき、耳を澄ませば虫の音が風に乗る頃。
伊香保の山懐にも、秋の気配がそっと舞い降りてまいりました。
今月のおすすめ一本目は、愛知・醸し人九平次 別誂「不変と流転」。
果実のようなフルーティな香りと豊かな旨味、冴えわたる切れ味を併せ持つ特別な一本。
八寸の小さな秋の饗宴に寄り添えば、一口ごとに味わいが引き立ち、季節の彩りをより深く感じさせます。
先付には、炙り松茸の芳香に、烏賊と雲丹の濃密な旨味を重ね、
武蔵野鴨のコンフィーが、静かに秋の扉を開きます。
ひと口ごとに、季節の深まりが舌に、心に、沁み渡る一皿をどうぞ。
煮物椀には、松茸の土瓶蒸しを。
鱧と地鶏、季節の具材が織りなす滋味は、山里の静寂と実りの気配を映し、
湯気の向こうに、長月の風景が立ちのぼります。
温物には、渡り蟹の唐揚げに茸餡をとろりと掛けて。
オーストリア・ハインリッヒ醸造所のオレンジワイン「ネイキット オレンジ NV」をコーディネート。
塩味を帯びたミネラル感と複雑な余韻が、和と洋の境界を越え、ひとつの世界を描き出します。
そして締めくくりには、香り高き松茸ご飯を。
秋の香が立ちのぼる一椀に、季節の情趣をそっと託して。
山の気、風の音、食の彩り。
諧暢楼にて、長月のひとときを心ゆくまでお愉しみくださいませ。
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