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2012年8月 親父のひとり言 『ひとり気取り』
更新 : 2012/8/6 10:12
初夏に、秋田、盛岡へ出張した際、最終日のスケジュールが目いっぱいになってしまい、昼食を取る時間が無くなってしまった。
私が昼食を抜くことは、極めてまれである。私は、時間がなくとも、腹が減れば、コンビニでサンドイッチとか、おにぎりを買って、3分位で食べてしまうワザを持っている。吉野家、すき家では、入店から出てくるまで8分位あればよい。
昼食抜きで体の力が少し抜けたような状態で、秋田から仙台着18時の新幹線に乗った。仕事もまずまずに終えた事も手伝って、安堵感から、車中では食べ物の事ばかり考えていた。
仙台の旨いものといえば、牛タン、鰻、寿司、とんかつ、次々と頭に浮かんでは消えていく。
結局、ひとり飯なので、仙台エスパルのすし哲に行くことにした。
すし哲は塩釜の名店のひとつで、仙台に出店して、ここでも大変流行っている。
時間が早いので、店の前には、まだ並んでいる人もいなく、私はカウンターの一番いい所に陣取った。
メニューを見たか見ないうち、岩牡蠣と蛸のやわらか煮、酒は浦霞の純米酒を注文した。この肴とこの酒はぴったり合うと本能的に思ったから素早く注文したのである。
すぐに、冷えた酒器とお通しが運ばれ、次に、岩牡蠣と蛸のやわらか煮が出てきた。二席ほど離れて、睦ましい年配の御夫婦がいて、私の料理をしきりに見ている。小声でしゃべっているが、私にはちゃんと聞こえていた。
奥さん 「貝類はダメよ。蛸も。」
ご主人 「やっぱり、やめておこうか。」
お気の毒に、血液のデータがイマイチなのであろうか。付け場の若い衆も苦笑しながら気の毒がっている。しかし、しばらくして、岩牡蠣と蛸のやわらか煮を注文する奥さんの声が聞こえてきた。二人で半分ずつ楽しむ事にしたみたいである。
私は人知れず、鼻高々となった。私の注文した料理が、隣の御夫婦にとって、気になってしょうがない程のものだったのである。
料理も酒も美味しく、仲の良い御夫婦を眺めても気持ち良く、最後は握りの上でシメ、良い事づくしのひと時であった。
入店から御愛想まで50分、これくらいの時間で帰れば寿司屋では粋な客かなと、ひとり心の中で気取ってみた。
お会計はしめて6700円。ひとり飯としては、やや財布をゆるめ過ぎたが、満足してしまえば、金銭感覚など甘くなるものである。