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親父のひとり言 『うれしい寿司屋』
更新 : 2013/5/13 12:19
日本食で鮨くらい価格差の大きいものはない。回転すしに行けば、二貫で100円。高級店へ行けば、一貫3.000円くらいのネタもある。一貫3.000円で美味しくなかったら詐欺であるが、二貫100円でも侮れないネタは結構あるから、馬鹿にしてはいけない。
鮨を食べるには、自分の価値観において、うれしくなる店を見つけ出すことが肝心なことである。
日頃、私は、店に入ってから出てくるまで15分の回転すしに通うわけだが、たまには、地元の寿司屋にも行く。かみのやま温泉は、蔵王の麓にある小さな城下町で、海には遠い。しかし、値段の割に価値ある寿司屋が何件かあるからうれしいものだ。
私たちの業界で広域的な会合は、仙台で開催されることが多く、当然そこへの出張も多くなる。会合の後、夜には懇親会もあるので、昼は重くならないようにと、一応は考えている。そう考えると、昼は鮨が最適である。
仙台にはいい寿司屋がたくさんあるが、私が一番多く足を運ぶのは、仙台駅にある北辰鮨である。ここは時代屋の社長に教わった店である。コストパフォーマンスというか、費用対効果というか、とても財布にやさしく満足できる店なのである。立ち食いなので、店は小さく、細長い。二、三人の職人さんが付け台を挟んで気軽に話の相手もしてくれるので、出張がてらに立ち寄るリピーターが少なくないようである。ネタ揃えは種類が多く、定番のほか、カワハギ、どんこ、のどぐろ、細魚、鰆など季節ごとに旬の魚が仕入れられている。
穴子は、ツメか塩を、お好みで握ってくれるし、中落ちは、本物の中落ちで、軍艦に崩れるくらい山盛りにして出してくれるので、見ごたえ食べごたえ満点である。鯵、鰯、秋刀魚なども旬には最高である。シャリは小さめで、一貫から握ってくれるので、ついつい注文がかさんでしまう。して、お勘定はと言えば、お好み十二貫前後で2.000円から2.300円の間である。
軽めの昼食と思いきや、大満足な昼食になってしまうのは、いつもの誤算であるが、この誤算、いまだ反省には至っていない。