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季節のこだわりバイキングと美肌の湯の宿 仙渓園 月岡ホテルのお知らせ・ブログ
親父のひとりごと 『ワインに浸る日々』
更新 : 2013/7/11 18:04
久しぶりに、全旅連の全国大会に出席することになった。会場は甲府だったので、旅行幹事がワイナリーの研修を組み込んでくれた。
研修先は、当然、サントネージュとサントリーの登美の丘ワイナリーである。醸造されるブドウは、上山市の南果連から出荷された高品質のシャルドネ、メルロー、カベルネソーヴィニヨンである。両社のボトルのラベルには「かみのやま」のブランド名が入っている。
ワイナリーに行く前、ワインを飲みながらの昼食となっていた。口うるさい仲間ばかりなので幹事長は、レストランを細かく吟味していてくれたらしい。
広大なブドウ畑の中をバスが登っていくと、丘の中腹ほどにお目当てのレストランがあった。小さなイタリアンレストランで、店名は「勝沼食堂」とあった。テーブル席から見下ろすブドウ畑は一面に広がり、すでに大したご馳走になっている。地元のワインが取り揃えてあり、手に取りじっくり眺めても、目移りがしてしまった。会計は幹事任せとばかり、誰かが値の張るワインを注文しようとして諌められ、普通のクラスのボトルになった。普通のクラスでも充分おいしく、食事との相性もよくグッドチョイスであった。
サントネージュ、サントリーともに、営業担当の方がワイナリーに出迎えていてくれ、大変恐縮した。「山梨はブドウ生産量が全国一なのに、なぜ、わざわざ上山からブドウを運んでくるのですか?」と両ワイナリーで訪ねてみた。「いいブドウなので、遠くからでも運んでくる価値があるのです。」と両ワイナリーの醸造責任者の方が答えた。優秀なブドウとは分かっていたものの、遠く離れた現場でこんなことを聞かされると、すごくうれしくなった。ブドウ栽培には、ほど遠い旅館の経営者であるが、上山の地に住んでいることをとても誇りに思えたのであった。
今、私達は、ワイン祭りを広げて収穫の喜びを多くの人と共に味わえないものかと考えている。上山には日本酒の造り酒屋がないため、地酒とはワインであろうかと思っている。しかし、祭りを考える前に学習しなければならないことが沢山あることに気が付いた。上山の地質、気候について、ブドウ作りの歴史、タケダワイナリーの歴史、しいては高橋熊次郎氏のことなど。これらを理解し、先人の苦労に感謝できてこそ、地酒としてのワインを語れるのであろう。こういう下地がないうちは、ワイン祭りに漕ぎ着けるのは中々難しいものと思った。