宿番号:352355
秋田温泉さとみのお知らせ・ブログ
日本最古・国重要文化財の芝居小屋
更新 : 2010/10/5 7:26
江戸末期の文久元年(1861)に発見された小坂鉱山。
銀山としての隆盛を経た後、国内初の露天掘り方式による銅山として飛躍的な発展を遂げ、それは上水道や電信・電話の敷設、私設鉄道、総合病院の開設などtぽなって現れました。
小坂は、当時の東北では類を見ない鉱山文化都市として賑わいを見せていたのです。
康楽館は鉱山で働く労働者やその家族の厚生施設として誕生したのでした。
柿落としは明治43年(1910)8月16日、大阪歌舞伎の尾上松鶴一座により幕を開けました。
以来、康楽館では歌舞伎や新劇、映画などを盛んに上演・上映してきました。
しかし歳月が進むにつれ、建物の老朽化と機能の低下、さらにカラーテレビの普及により昭和45年(1970)に一般の興行は中止され、ほとんど使用されなくなりました。
その後、保存すべきかどうか議論が巻き起こり、その結果、昭和61年(1986)、町の人たちの情熱により見事に甦り、現存する日本最古の芝居小屋として新たな歴史を刻んでいます。
康楽館の楽しみ方は2つあります。
一つは、文字通りお芝居。常設の芝居小屋として1日2回の公演が行われており、出演するのはスーパー大衆演劇「下町かぶき組」の面々です。
「下町かぶき組」は舞台俳優松井誠の弟子達により7劇団から構成されており、涙あり笑いありの人情芝居と美しく華やかな舞踊ショーが繰り広げられ、1カ月〜2カ月ごとに劇団が入れ替わります。
もうひとつは、建物見学。
康楽館は、正面から見ると完全な洋風の建物で、屋根の破風にはアメリカの木造ゴシック建築などによく見られる鋸歯のような軒飾りが調和よく並んでいます。
ところが中に入ると、一転して和風の芝居小屋。
桟敷や花道、切穴(すっぽん)など日本の伝統を強く残した典型的な明治期の芝居小屋となっており、いわば和洋折衷の建物です。
こうした康楽館を案内してくれるのが舞台の裏方を務める黒子の皆さん。
奈落などの舞台装置をはじめ康楽館の建物の隅々についてわかりやすく説明してくれます。
康楽館は東北道小坂ICを降りて車で3分と至便な立地。
休日の高速道路料金上限1000円に加え、無料化社会実験により八戸道方面、秋田方面からも訪れやすくなっています。
親子で建物を見学するもよし、大衆演劇の醍醐味を体験するもよし。
明治から平成まで、およそ一世紀という歴史が醸し出す独特の雰囲気を味わってみませんか