京都・東山の麓にひっそりと佇む「銀閣寺（正式名称：慈照寺）」は、金閣寺と対をなす存在として知られていますが、その魅力はまったく異なる方向にあります。金閣寺が豪華絢爛な“金”の美を象徴するなら、銀閣寺は“侘び寂び”の極致。静けさと簡素さの中に、深い美しさが宿る場所です。

室町幕府八代将軍・足利義政が築いたこの寺は、彼の美意識と東山文化の結晶とも言える存在。銀箔は施されていないものの、その落ち着いた佇まいが、むしろ現代人の心に深く響きます。特に、庭園の美しさは格別。白砂を波のように整えた「銀沙灘（ぎんしゃだん）」と、月を映すために築かれたとされる「向月台（こうげつだい）」は、まるで静止した詩のようです。

境内を巡ると、苔むした庭や竹林、池泉回遊式の庭園が広がり、どこを切り取っても絵になる風景が続きます。春には桜、夏は青もみじ、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季折々の表情が訪れるたびに違った美しさを楽しめる為、フォトスポットとしても人気です。

また、銀閣寺から続く「哲学の道」は、かつて哲学者・西田幾多郎が思索を巡らせながら歩いたとされる散策路。静かな小径を歩きながら、心を整える時間を過ごすのもおすすめです。

東急バケーションズ京都からはバス利用で30分ほど。華やかさだけではなく、静けさの中にある美を感じたい時に銀閣寺はぴったりの場所ですので、是非お出掛けください。