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能舞台のある宿 風姿花伝 大和屋本店のお知らせ・ブログ
振鷺閣
更新 : 2011/5/4 6:49
ある日の道後温泉本館の月夜です。
道後温泉は、ご存じのとおり日本書紀にも登場する3000年の歴史がある日本最古の温泉です。
神代の昔、足を傷めた一羽の白鷺が岩間に湧き出る湯で傷を癒したという「温泉開創」伝説があります。
人々はその霊験を知って入浴するようになり温泉の効用がいちじるしいことに畏敬の念を抱き、温泉そものを神格化していったといわれています。アルカリ性単純泉の泉質には神経痛・リウマチなどに効能があり、確かにそういわれてみると疲れが癒される気がします。
本館3階屋根部分に乗っている「振鷺閣」とよばれる塔屋。
古典的な建築に一段と風趣を添えていますが、建築当時は漸新な設計と費用が高かったことから、無用のものを取りつける必要があるのかと物議をかもし、火災の火の見やぐらという名目で納得されたという話が伝わっています。
閣内の広さは約1坪、周囲の窓は赤いギヤマンをはめた障子で、夜になると中央天井の釣ランプをともしたことから、それが赤いギヤマンに反射し、ネオンのない当時の湯の町の夜空に異彩を放ったといわれています。デザインは当時のまま。かつては、神の湯入口の格子戸や窓格子の内側にも、赤、青、黄のギヤマンが市松模様にはめこまれていたようです。
格天井の中央から吊るされた太鼓は、時刻を告げる「刻太鼓」として1時間毎に打ち鳴らされていましたが、今は1日3度だけになり、残したい「日本の音風景100選」に選ばれています。
象徴ともいえる天井の白鷺は見方によると、今にも羽ばたいて飛んでいきそうな気がします。
どうぞ、ご旅行の際にはお近くにいらしてご覧になってみてください。
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