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浜名湖で初詣A
更新 : 2011/12/23 2:53
この近辺で一番「初詣スポット」として著名なのは、引佐町井伊谷にある井伊谷宮(いいのやぐう)です。
花乃井からは車で30分くらい。
この神社は、「明治4年」に建てられた、比較的新しい神社です。
しかも祭神は古事記や日本書紀に載ってるような神様ではなく、“宗良親王(むねながしんのう)”という700年ぐらい前に実在した歴史人物。後醍醐(ゴダイゴ)天皇という有名な天皇の王子様です。
後醍醐天皇には18人の皇子と18人の皇女がいたと言われていて、宗良親王はその一人です。
2番目の皇子とも4番目の皇子とも8番目の皇子ともされ、その生涯はナゾばかりで細かいことがさっぱりわからない人です。(なんでこんなに曖昧かというと、この皇子が登場する『太平記』という本に矛盾した書き方がされているためです)
そんな権威もへったくれもないこの小さな神社がどうして浜名湖周辺で珍重されているのかという理由はすごく歴史的に込み入っていてめんどくさいので省略するとして、浜名湖周辺では、天皇の皇子であるのにひどく悲痛な不幸な人生を辿ったこの王子様が、信じられないくらいの人気を誇っているのです。この皇子は足利尊氏の直前に征夷大将軍にも任じられた人で、戦争では思いっきり弱かったのですが浜名湖だけではなく奥三河・南信州・甲斐・武蔵・越後などでもめげずに戦って戦って戦い尽くした人なので、遺跡が多いです。宗良親王の戦跡巡りをするだけでも面白い旅行が出来るはずです。
井伊谷宮ですが、現在の天皇家は北朝の系統なのに幕末の孝明天皇と明治天皇がなぜか異様に南朝のにっくきはずの後醍醐天皇を尊崇し、明治維新で御所が東京に移ったとき江戸城内に後醍醐天皇の皇子たちを祀る社を建て、明治4年になってそれを全国に移したもののひとつが宗良親王の井伊谷宮だというのです。
18人の皇子のうち、宗良親王は「学問」と「恋愛」をつかさどっているそうです。後醍醐天皇の100人の皇妃のなかで宗良親王の母となったのが藤原定家の血を引く二条家の美女で、宗良親王は小さい頃から二条家で育てられ、そのせいか戦うよりも歌うことが好きで好きでたまらなかったからだとか。望まぬ征夷大将軍に任じられ、数多くの兄弟達はみな彼よりも早く死に悲運の生涯を歩んだ親王。初詣期間外に井伊谷宮に行くと、そんな親王が詠んだ1000ほどの恋の歌をまとめた『李花集』が2000円で買えます。これは貴重。
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