お寺巡りや神社巡りが好きな方は多いと思います。
でもしかし、浜松という町には「お寺巡り愛好家」を満足させる大きなスポットがあまり無いような感じがしています。
その一番大きな理由は、浜松という町の交通があまりにも便利すぎ、人々の流れが激しかったからだと思います。浜松は歴史的に大きく変わりすぎて、歴史のある大きなお寺があまり残らなかったのです。（※でも“歴史のある小さなお寺”はたくさんあるので歴史マニアの人には楽しいですよ）
一般に「浜松にお寺巡りに来る人」はなかなか珍しいんじゃないでしょうか。

そんな状況を憂い3年前に奥浜名湖地区のお寺が集まって提唱されたのが「湖北五山」です。確かに浜松市の辺地に近い旧引佐町･旧細江町･旧三ヶ日町の一帯は静かな雰囲気がまだ色濃く残っていて、神秘的ですらある。穏やかな心の旅をするならこの「湖北五山」ほど相応しい場所はないです。

　　★龍譚寺（引佐町井伊谷）
　　近江国彦根藩の井伊家に関わりのあるお寺。
　　井伊家と交流のあった小堀遠州が作った見事な庭園が有名ですが、
　　浜名湖北部に伝わる数々の伝承の中心の地でもあります。

　　★奥山方広寺（引佐町奥山）
　　浜松では最も大きな規模を構えるお寺。
　　秋葉山三尺坊と並ぶ大天狗・半僧坊（はんそうぼう）が棲まう山として
　　も知られ江戸時代には“火伏せの神”として江戸の町で半僧坊信仰が
　　大流行したそうです。

　　★初山宝林寺（細江町中川）
　　江戸時代に黄檗宗の高僧･独湛禅師が開いた寺で、一風変わった諸堂
　　の建築様式が魅力的なお寺です。
　　とりわけ見事なのが本堂内に立ち並ぶ仏像の数々なのですが、なぜか
　　混じって天照大神や関羽もいます。
　　このお寺にも“龍文坊”という天狗様が…（遠州は天狗だらけ）

　　★摩訶耶寺（まかやじ/三ヶ日町摩訶耶）
　　ここも見事で静かな庭園で有名なお寺ですが、お寺の中で拝観できる
　　仏像の数々も、とても優美で素晴らしかったです。
　　意外と謎の多いお寺だそうです。

　　★大福寺（三ヶ日町）
　　ここも綺麗で歴史ある庭園で知られているお寺ですが、
　　「聚古館」と名付けられた小さな宝物館が、卒倒してしまうくらいに
　　ステキです。「なんでこんな人にゆかりのあるものがこんなところに…」
　　というものがいくつもあります。

（利根川）