みなさん、『根付け』って、ご存じですか？いわゆる携帯ストラップのようなものですが、日本でバッグを持ち歩くという習慣がまだなかったその昔、『提げ物』と呼ばれた小物入れの先にこの根付を紐でつなぎ、帯の中から紐を通し上げたその先に根付を留め具として使用していたのです。
上物では象牙など高価な材料が使われており、専門の根付彫刻作家が生み出す作品の芸術性たるや、見事なものがあります。掌にすっぽり覆わるサイズなのに、その彫りの細かいこと細かいこと、写真もそのひとつですが、爬虫類モチーフのものなどは、鱗の一枚一枚まで精巧に彫られていて、目を見張るほど感銘を受けます。
京都は壬生寺の横に、根付コレクションを展示している『京都清宗根付館』があり、数百点が展示されています。年に５か月（２、４、７、９、　11月だけの開館ですが、各開期中には特別展が企画されています。根付館は、その建物がまた素晴らしく、昔の武家屋敷そのままが展示場として使われています。
新撰組ゆかりの壬生寺ご散策の後、立寄られてはいかがでしょうか。当館からはバス15分＋徒歩5分程度でアクセスできます。