宿番号:375808
艶やかに・・・
更新 : 2010/3/22 7:48
今でも芝居などのヒロインとして語り継がれている『唐人お吉物語』。
お吉(本名:斉藤きち)は、日米修好通商条約締結のために3年間下田に滞在したアメリカ総領事タウンゼント・ハリスの侍妾として17歳のときに奉公にあがりました。その期間は僅かでしたが『唐人』と世間から罵られ、横浜に流れ、その後下田に戻り、小料理屋『安直楼』を開業するも酒に溺れ倒産。晩年は寂しい生活を送り、最後は明治23年3月27日下田を流れる稲生沢川に身を投じ、自らの命を絶ってしまいます。
お吉の菩提寺である下田『宝福寺』・お吉が身を投じたとされる『お吉が淵』では地元の芸妓衆や芸能団体により供養祭がとりおこなわれます。吉が淵では、献花が行われ、宝福寺では芸能大会・青空市・餅まきなどが法要として行われます。
お吉の命日にあたる供養祭の当日は、毎年必ずといってもいいほど雨が降り、地元ではお吉の無念の涙雨だと囁かれています。
春雨に濡れ、哀愁漂う中にもどこか艶やかな趣のある行事です。
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