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佐賀・鍋島藩の化け猫騒動
更新 : 2011/8/17 15:50
「化け猫」と言うと何を連想しますか?
時代劇映画が全盛だった頃まで、化け猫と言ったら「佐賀・鍋島藩の化け猫騒動」だったようですが、今は「ゲゲゲの鬼太郎の猫娘」を想像される方も多いかもしれませんね。
猫というのは古今東西で怪異と親和性の高い動物とされており、魔術的・怪奇的なものの横には猫がよく似合います。
小学生の頃、夏休みにエドガー・アラン・ポーの「黒猫」を読んで、夜眠れなくなった記憶も今は昔。
閑話休題。
鍋島藩の化け猫騒動というのはこんなお話しです。
佐賀・鍋島藩の二代藩主勝茂の時代。
ある日、勝重が家臣の龍造寺又一郎と碁を打っていたが、些細なことから口論となり、勝茂は又一郎を手打ちにしてしまった。
と、この又一郎の首を彼が可愛がっていた飼い猫が持ち去り、又一郎の母の元へ持ち帰る。
母はそれを見て大変悲しみ怒り、勝重への恨みを念じながら自害した。
と、その後、藩主勝茂の子が突然亡くなり、勝茂自身も病に倒れた。
また様々な怪異が佐賀市中で次々と発生し始める。
不審に思った家臣団は寝ずの番をするが、夜になると得も言われぬ眠気に誘われ一人また一人と眠りに落ちる中、家臣の一人、槍の名手 千布本右衛門は太ももを錐で刺しその痛みで覚醒。
すると、勝茂の側室 豊の方に変じていた化け猫が本性を現した!!
常人とは思われぬ身のこなしで逃げようとする化け猫を本右衛門が槍で退治すると、市中の怪異は止み、勝茂も快方に向かった…というお話しです。
この物語のバックボーンには、戦国期から桃山〜江戸にかけての時代、元々佐賀の大名だった龍造寺家のお家事情から、ほぼ乗っ取る様な形で佐賀の大名となった鍋島家への批判や旧家への判官贔屓などがあったものと思われます。
ともあれ、文字で書くとそんなにこわくありません。
が、
モノクロの映画で、お豊の方が化け猫に変じる辺りなど見ると(特撮技術はともかく)ジャパニーズホラーの源流を見る様なぞくっとする怖さを感じたものでした。
佐賀市内では、9月末まで毎週土曜日「佐賀のお城下ナイトウォーク」と題して、古い町並みを夜歩きしながら化け猫や恵比寿や河童の伝説を楽しむイベントがございます。
暑い暑い夏の夜に、ちょっと涼しいお楽しみはいかがデスか?
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