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葛城 北の丸のお知らせ・ブログ
花鳥風月 花だより 紫陽花のようす
更新 : 2025/6/11 11:39
初夏の風がやわらかく吹き抜ける葛城北の丸の庭園に、今年も紫陽花の花が静かに咲き始めました。 雨に濡れてなお美しく、しっとりとした空気の中で色づくその姿は、まさに梅雨の風物詩。 花菖蒲と並び、6月を象徴する花として多くの人々に親しまれています。
紫陽花は、日本原産の「額紫陽花」をルーツに持つ植物で、古くから和歌や俳句にも詠まれてきました。 その別名は「七変化」。咲き始めの緑から、白、青、赤へと、時とともに色を変えていく様子は、まるで季節の移ろいや人の心の揺らぎを映し出しているかのようです。
正岡子規は「紫陽花や きのうの誠 きょうの嘘」と詠みました。 紫陽花の花言葉「移り気」「無常」は、まさにこの句のように、変わりゆくものの美しさと儚さを象徴しています。
また、紫陽花には土壌の性質によって花の色が変わるという不思議な特徴もあります。
酸性の土では青く、アルカリ性の土では赤く染まる――まるで自然が描く絵画のように同じ品種でも異なる表情を見せてくれるのです。
この季節、紫陽花とカタツムリが織りなす風景は、どこか懐かしく、心をそっと癒してくれます。 雨音に耳を傾けながら、色とりどりの紫陽花に囲まれて過ごすひとときは、日常の喧騒を忘れさせてくれることでしょう。
ぜひ、葛城北の丸の庭園で、初夏の彩りと静けさに包まれる時間をお楽しみください。