私の今年のクリスマスに賭ける並々ならぬ思い。それは前年のクリスマスまで遡ります。

　その年のクリスマス。私は彼に「1/2サイズのドラえもんのぬいぐるみ」を要求していました。夏から習字と硬筆にも通い始め、真面目が服を着て歩いているかのようだったその年。
　私は、その要求を達成されることを確信していました。しかし、朝目が覚めるとそこには、ドラえもんのフーセンガム(ソーダ味)が枕元に置かれていたのです。
　まさかこの私が？何かの間違いだ。これは誰かの陰謀に違いない！
サンタクロースに前代未聞のクーリングオフを実行しようかとも思いましたが、そこで、あることに気づくのです。
　　
　「今年はあんまりお手伝いをしなかった。」
　　そして、尊敬する母親から常日頃から言われていた言葉が頭の中を駆け巡ります。
　「あんた、お手伝いせなサンタさんプレゼントくれへんで。」
　
　おい、サンタクロース。貴様は私がお手伝いをしなかったから、要求の1/100にも満たないものしか用意しなかったのか。フフ、良かろう。
　
　私の心は決まりました。そう、サンタクロースに宣戦布告したのです。
　おいサンタクロース。今までそのようなアメとムチで多くの子供を成長させてきたのだろう。
しかし、貴様は私を見くびり過ぎた。来年、私はお手伝いですさまじい業績を上げる。それは、きっと人類が到達する事のないレベルで展開されるものだ。それを成し遂げた私に、貴様は納得のいくプレゼントが出来るのか。私は試されているのではない。貴様を試しているのだ。もう遅い。賽は、投げられた…。

　その年の私のお手伝いに対する取り組み方は7歳児のそれをはるかに凌駕していました。洗い物、掃除、洗濯物を干す。夏の草刈り、秋の落ち葉ひろい。最終的は、祖母の押し車を代わりに押してあげるレベルにまで到達します。まさにお手伝いの王。私の頭には見えない金の王冠が携えられていました。

　そしてその年の夏、今年のクリスマスで何を願うかも決まります。人類の至宝、「超電動メカゴジラ」。まさに、有終の美を飾るのにふさわしい一品。
　
　前年の挫折から見事に這い上がってきた不屈の闘志。もう私を止められるものはどこにも存在しません。そしてついに決戦の日12.24。

サンタクロース、期は熟した。始めよう。眠りについた私に待ち受けている予想だにせぬ結末とは！？

(次回に続く)