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経済成長と民主化の関係を検討する(2)
更新 : 2021/7/11 14:41
昨日の続きを書きます。
経済成長と民主化の関係を検討するにあたって、もう一つ着眼するべきものがあります。
それは、不平等です。
昨日は中位投票者定理により経済成長を遂げたあと民主化が達成される可能性を検討しました。実は、この過程には不平等の改善というメカニズムが働いています。
経済が成長するにつれ、従来恵まれていなかった人々にも成長の果実がもたらされたと仮定すると、格差は縮小します。
そうなると、国家元首(独裁者)にとって、一部のエリート層(独裁者は従来、自身が含まれるエリート層を志向した政策を実施する)向けの政策と、国民全体の所得の中央値付近に位置する有権者向けの政策の差異は小さくなります。
その場合、一部のエリート層向けの政策を行い、所得の再分配を求める有権者を弾圧するコストよりも、中位投票者定理に従って、従来より所得の再分配に重みをおいた政策を行うコストの方が小さくなります。
よって、より民主的な政策が実施されるのです。
つまり、このメカニズムが働いた国々では、経済成長→格差縮小→民主化という図式が導かれます。
北東アジア諸国のGDPの年次成長率の推移、ジニ係数(Gini Coefficient)、民主化された年のデータを見てみると、この議論は一定の妥当性を有しているのではないでしょうか。
しかし、経済成長を経て民主化を達成したものの、格差の是正が改善しない国々もあります。
ここで注意しておくべきなのは、あくまで成長の果実が平等に分配されていないという点です。つまり、国家レベルでは、全ての所得帯において所得は向上していると考えるべきです。
なぜ成長の果実が平等に分配されないのか?
ここでは、採用した国家政策が大きな意味合いを持つでしょう。
北東アジア諸国は開発独裁において、輸出志向型の工業化を行い、一方で民主化後も格差の是正が進んでいない南米諸国のような国々は輸入代替型の工業化を選択しました。
字数の関係で詳しくは書けませんが、この歴史的経緯が後の経済的格差の状態につながっているのではないでしょうか。
さて、ここまで経済成長、民主化、格差の関係について議論してきました。
残念ながら、まだこれらの関係について明快な洞察は得られていません。
当ホテルで1日ゆっくり、この難題に取り組んでみませんか。
注:文中で触れた統計は World Bank のウェブサイトを参考にした。
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