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ガラシャ夫人の宮津 その4 キリスト教
更新 : 2012/12/16 21:14
写真は、宮津市にあるカトリックの宮津教会、聖ヨハネ天主堂です。ルラーブ師により1895年に創建されました。
さて、ガラシャのうつ病は日ごとに重くなり、外に出歩くこともままならぬ引きこもり状態にまでなりました。心配した細川家の人たちは、ガラシャにキリスト教の教会に行くようにすすめます。当時の日本人がキリスト教の教会は、信者の話をよく聞いてくれて、道理にあったアドバイスをしてくれると認識していたことがこれから分ります。
ガラシャは、細川屋敷の近所にある貴婦人たちが参拝する大教会の玉造教会はさけて、少しはなれた町なかにある庶民が日常的な悩みを相談しにいく小さな教会の天満教会を選んでいきました。教会に入るやいなや、「洗礼を受けさせてくれ」といったものですから応接したカスペード師は教会荒らしかと疑ったようです。しかし、話をする間に心を病んだ貴婦人であると分ると「またおいで」といって送り出しました。
ガラシャがやってこないので、師は「どうしてこないの」と手紙を送り、これにガラシャが「私が教会に参るのに外出すると、夫が家中の女たちの鼻を切るのです」と返事をよこしたことから、両者の書簡のやりとりが始まります。夫の女性関係を、女の鼻を切るといった病気ならではの不気味な表現をし、私の夫は世界一冷酷な男ですと、激しく忠興をなじるガラシャの手紙の文面の奥にある彼女の魂の叫びを師は理解し、ときに同情し、ときに的確なアドバイスをし、指導していきます。しだいにガラシャの病気の症状は軽減し、問題の子供が病気のときに徹夜で看病したことを感謝する手紙がかけるほどに回復します。
雅良生
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