"かるた"を通した『友情・努力・勝利』が盛り込まれた作品

12月に入り、気温の低下を実感する今日この頃、川口市近辺の紅葉もようやく最盛期となりました。



今月のおすすめ本は、「ちはやふる」ですが、タイトルは百人一首の一句、

ちはやぶる　かみよもきかず　たつたがは　からくれなゐに　みずくくるとは　

から名付けられており、竜田川という川に落ちた紅葉が、水面いっぱいに真っ赤になっている様をあらわした一句から、今おすすめするタイトルにふさわしいと思いました。



この作品は、月刊漫画誌「BE・LOVE」にて連載されていたそうなのですが、「週刊少年ジャンプ」に連載されているような、友情・努力・勝利の要素がふんだんに盛り込まれ、普段は異能力系バトルものを好んで読む人でも面白いと思うはずです。

また、競技かるたを題材にしているのですが、競技かるたの舞台裏や戦略、技術なども詳細に描かれ、読んでいると「かるたをやってみたい」「百人一首覚えてみたい」という気持ちになっていきます。


特に私は、主人公がひたむきで疑うことなく青春および人生をかるたに全振りしているところに胸を打たれます。
好きなエピソードとしては、「中学にかるた部がないから、少しでもかるたに役立ちそうな陸上部に入った」という、一直線で全力な性格を表現した良いエピソードだと思います。




ちなみに"ちはやぶる"の歌人は在原業平という人で、光源氏のモデルの一人だそうです。
2024年NHK大河ドラマも光源氏がテーマになっているので、ちはやふるを読むことでより一層楽しめるのではないでしょうか。