宿番号:396693
湯を照らすびいどろと鶴港の物語
更新 : 2025/10/5 18:51
湯を照らす“びいどろ”の光
― 長崎・鶴港の名を受け継ぐ、ひとときの雅
長崎港には、かつて「鶴港(つるみなと)」と呼ばれた美しい別名があります。湾のかたちは、翼を広げた鶴の姿に似ていることから、その名が生まれました。
西洋との唯一の貿易窓口であった長崎は、和と異国文化が交差する土地。私たちはその歴史ある港の名に敬意を込め、宿の名を「鶴港の湯」といたしました。
当館の内湯を照らすのは、長崎の伝統工芸「びいどろ」の灯。
びいどろは、17世紀にポルトガルから伝わったガラス技術がもととなり、長崎で独自の美意識をまとった工芸へと昇華したものです。
吹きガラスで生まれる柔らかな曲線と色彩のゆらぎは、湯けむりの中で幻想的に揺らめき、まるで光の詩のよう。湯船に身を沈めると、天井のびいどろの灯が湯面に反射し、時を忘れるひとときを演出します。
当館の湯は、長与町に湧く「ゆりの温泉」から毎朝運び入れる新鮮な源泉。
ほどよいとろみとやわらかな肌ざわりが特徴で、湯上がりには肌がしっとりと潤います。
自然に育まれた湯の力を、そのままに感じていただけるよう、大切にお届けしております。
鶴は古来より吉祥と長寿の象徴。
港は人と文化が行き交う交差点。
「鶴港の湯」には、長崎の歴史と美、日本の心を今に伝えるという私たちの願いが込められています。
びいどろの灯に包まれて、港町が育んだ文化と癒しを、どうぞ心ゆくまでお愉しみください。