日本の世界遺産
秘境のワンダーランド、知床へ!
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知床の秘境は流氷と原生林が織りなす生態系のたま物。まず訪れたいのは、水面に知床連山や木々を映す「知床五湖」だ。10月から冬季閉鎖される11月末までは紅葉も見られ、まるで別天地のよう。五湖を結ぶ遊歩道は大きな一湖、二湖だけなら30分程で巡れるが、エゾシカも顔を見せるという三湖より先にも足を運びたい。もう一つ目に焼きつけたいのは、遊覧船に揺られて海上から眺める知床の姿。ウトロ港から折り返し地点の「知床岬」までの航路では、高さ200m余りの崖や滝の数々がお目見えする。10月下旬〜4月下旬までは運休。
知床の観光拠点となるウトロの市街地周辺には、個性的な見どころが満載!落差およそ80mの「オシンコシンの滝」は岩肌を白糸のような水が流れ落ち、「フレペの滝」は垂直に切り立った断崖から約100mも落下する。水平線に沈む壮大な夕陽を眺めるなら、日没のころを狙って展望の名所「プユニ岬」や「夕陽台」へ出かけよう。ウトロから半島の東側に位置する羅臼の街までは、知床横断道路で原生林の中を駆け抜けて。その道程には羅臼岳の雄々しい姿や、根室海峡越しの国後島を望む「知床峠」といった絶好の休憩スポットも。
1月下旬〜3月下旬に知床へやってくるシベリアからの使者、流氷。日没時に夕陽台など展望スポットへ出かければ、真っ白に埋め尽くされたオホーツク海が赤く染まるさまに魅了される。もっと流氷を楽しむなら、ドライスーツを着てガイドとともに一面アイスブルーの氷原を歩む「流氷ウォークツアー」へ参加しよう。また、ウトロ港近くのオロンコ岩特設会場では2月上旬〜3月中旬の毎夜20時から「オーロラファンタジー」が催される。レーザーで再現したオーロラを、ダイナミックな音響が彩る幻想的な空間はぜひ体験すべき!
知床には絶景を望む風呂を有する湯宿も多いが、世界遺産エリアにはユニークな秘湯も点在している。知床五湖周辺でのお楽しみは、原生林に囲まれた温泉露天!活火山から湧き出す温泉の滝つぼ「カムイワッカ湯の滝」へは、水着や沢登り仕様のサンダルを持参して。「岩尾別温泉露天風呂」は温泉の沢を利用した三段の湯船が珍しい。一方、羅臼側には知床横断道路近くの「熊の湯」という野趣あふれる風呂や、根室海峡の海岸に干潮時だけ現れる岩風呂で湯浴みが楽しめる「セセキの湯」などがある。いずれもマナーを守って利用しよう。