九州・熊本県で有名な温泉地、黒川温泉。自然溢れる山あいにあり、風情ある街なみや川のせせらぎを聞きながらゆったり温泉を楽しめます。
泊まる時間が無くても、日帰りで立ち寄れる温泉施設が点在しており、お湯も施設によって種類が異なるので違いを感じてみませんか?「入湯手形」を使ってお得に湯めぐりする方法や、おすすめのモデルコースも紹介します。
黒川温泉とは
熊本県北東部、標高700mに位置する黒川温泉は、渓谷と森林に囲まれた山あいに佇む温泉地です。街の中心部には田の原川が流れ、緑に覆われた景色は、春と夏の新緑、秋の紅葉、冬は九州では珍しい雪景色と、四季折々のさまざまな表情を見せてくれます。
黒川温泉では、温泉街全体を一つの旅館と捉えた“黒川一旅館”をコンセプトに、“渡り廊下”である小径を歩き、入湯手形を使った湯めぐりや買い物ができます。また湯の泉質も豊富で、大きく7種を有するのも黒川温泉の魅力です。
アクセスは、福岡方面からは車で約2時間、熊本市からは約1時間30分の距離です。また、公共の交通機関を利用する場合は、福岡方面、大分方面、熊本方面からそれぞれ黒川温泉行きの高速バスが出ていますよ。
黒川温泉の湯めぐりには「入湯手形」がおすすめ
入湯手形とは
1986年からスタートした黒川温泉の「入湯手形」。1枚で3カ所の露天風呂を利用できる温泉パスポート的な存在です。
手形は黒川温泉のある南小国町エリアの杉や檜の間伐材で作られていて、地域の資源や経済の循環にと、売上の1%を保全活動に還元。手形で湯めぐりを楽しむことで温泉の維持につながっていく仕組みに取り組んでいます。
入湯手形の料金・購入方法
「入湯手形」は1枚1500円。黒川温泉内の各旅館、黒川温泉旅館組合「風の舎」で購入できます。宿によっては、入湯手形付きの宿泊プランもあります。
また、3歳~小学生まで利用できる「こども入湯手形」もあり、1枚700円で販売しています。「こども手形」は露天風呂3カ所に入湯すると、おもちゃやお菓子がもらえます。
入湯手形の使用方法
黒川温泉内26カ所の露天風呂から、1枚につき好きな温泉3カ所(うち1カ所は飲食やお土産にも利用可)を選んで入浴可能。利用すると手形の表面に、旅館や商店でスタンプを押してもらえます。有効期間は半年間なので、一度に使い切らなくてもOK。1名につき1枚で、シェアは不可。旅の記念にと、手形を持ち帰る人が多いそうです。
入浴以外の意外な使い方
手形は3カ所のうち1カ所は、飲食やお土産に利用することも可能です。旅館の売店や飲食店、商店などで使える「地域通貨」としての役割も担っています。
対象は17店舗で、スムージーや佃煮、お団子、ソフトクリームなど、内容は店舗によりさまざま。手形を首からぶら下げ、タオル片手に温泉街の散策を楽しめるのも黒川らしさの一つです。※内容が変更になる場合あり。
熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6594-3
9時~17時
なし
大分道日田ICより1時間5分
「黒川温泉観光旅館協同組合 インフォメーションセンター」の詳細はこちら
「黒川温泉観光旅館協同組合 インフォメーションセンター」のクチコミ・周辺情報はこちら
入湯手形が利用できる温泉施設
湯峡の響き 優彩
非日常の空間で、源泉100%のかけ流し湯に浸かる
7つの大浴場を持つなど、黒川温泉トップクラスの広さを誇る「湯峡の響き 優彩」。手形で利用できるのは、源泉が優しく流れ落ちる大浴場「湯滝の湯」と、木漏れ日が水面にきらめく露天風呂「樹彩の湯」です。温泉は、敷地内の自家源泉から湧出する源泉100%かけ流しの贅沢湯。眼下に流れる川のせせらぎに耳を傾けながら、湯を楽しめます。
全面ガラス張りのロビーラウンジは、湯あがりの火照った体をクールダウンするには最適です。緑の木々を眺めながらゆったりとした時間を過ごせますよ。
[タオル]フェイスタオル(レンタル100円)
[ドライヤー]あり
[シャンプー・ボディソープ]あり
旅館 奥の湯
2000坪の敷地に点在する情緒豊かな露天風呂
田の原川の渓流沿いに佇む「旅館 奥の湯」。広大な敷地に、本館・新館・別館が点在し、浴場はそれぞれに備わっています。日帰り入浴は、本館にある男女別大浴場(内湯)と、混浴露天風呂、女性専用露天風呂の3タイプ。混浴露天風呂は、川風呂と洞窟風呂で、男女それぞれの大浴場から入ることができます。
湯は天然温泉100%の源泉かけ流し。日常を忘れ、時間を気にせずゆったりと湯に浸かりながら、日頃のストレスや疲れを吹き飛ばしましょう。
[タオル]フェイスタオル(販売100円)
[ドライヤー]あり
[シャンプー・ボディソープ]なし
奥黒川温泉 里の湯 和らく
溢れる湯と硫黄の香りが漂う、癒しの森露天と洞窟風呂
奥黒川にひっそりと佇む、夫婦・カップル専用の大人の隠れ宿。木々の中にすっぽりと覆われるように佇む野天風呂「奥のせせらぎ」は、自然と一体化した露天風呂で、まるで森林浴をしているかのよう。川のせせらぎをBGMに、自然の息吹を肌で感じながらの入浴を楽しめます。
また、洞窟仕立ての「穴湯」は、天然の温泉ミストに包まれ、硫黄の香りが漂いリラックス効果が期待できます。湯けむりと薄明かりで、神秘的な空間が演出されています。
[タオル]フェイスタオル(販売200円)、バスタオル(レンタル300円)
[ドライヤー]なし
[シャンプー・ボディソープ]なし
熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6351-1
【日帰り温泉利用】10時~14時もしくは15時~20時(最終受付時間19時30分)
不定
九州道熊本ICより1時間30分
「奥黒川温泉 里の湯 和らく」の詳細はこちら
「奥黒川温泉 里の湯 和らく」のクチコミ・周辺情報はこちら
いこい旅館
明礬を含む泉質は、美肌の湯として名を馳せる
多種多様な泉質が揃う黒川温泉の中でも、美肌の湯といえばその名が挙がる「いこい旅館」。バラエティ豊かな湯船で湯を楽しめるのも魅力です。
中でも名湯百選に選ばれた露天風呂「滝の湯」は、幽玄なる佇まいが美しい湯船です。打たせ湯がまるで滝のように流れ落ち、野趣溢れる造りが特徴となっています。
また、宿の名物となっているのが深さは約1.5mもあり、二本の竹につかまって入浴するという「立ち湯」です。ふわふわとした浮遊感を楽しみながら、全身で湯を堪能してくださいね。
[タオル]フェイスタオル(販売300円)、バスタオル(販売780円)
[ドライヤー]あり
[シャンプー・ボディソープ]あり
こうの湯
里山の風景を見下ろしながら、美肌湯を堪能できる
小高い丘の上に立ち、露天風呂からは里山の風景が一望できます。温泉は自家源泉が2本。湯量は毎分202Lと豊富で、湧出時の湯の色は無色透明。空気に触れ時間経過とともににごり湯へと変化するのも特徴です。
日帰り入浴でぜひとも堪能したいのが、男女それぞれに設置されている「立ち湯」。その名の通り、立ったまま入浴でき、深さは男湯で162cm、女湯は130cmもあります。湯船に横たわっている木につかまって、全身でお湯を楽しめます。
[タオル]フェイスタオル(販売200円)、バスタオル(販売600円)
[ドライヤー]あり
[シャンプー・ボディソープ]あり
旅館 湯本荘
川のせせらぎと檜の香りが心地よい2種の湯
黒川温泉を流れる川沿いにある「湯本荘」は1867年創業の老舗旅館です。
川沿いのロケーションを生かして造られた露天風呂は、手形で入浴可能。川をすぐ近くに感じられる「かじかの湯」と、竹林に囲まれた「あじさいの湯」の2種類。どちらも川風が心地よく吹き抜けていきます。
泉質は含鉄泉で、黒川温泉の中で入れるのは「湯本荘」だけです。体の芯から温まり、湯上がりもぽかぽかと温もりが続きますよ。
[タオル]フェイスタオル(販売200円)、バスタオル(レンタル300円)
[ドライヤー]あり
[シャンプー・ボディソープ]あり
やまびこ旅館
露天風呂の広さが自慢の宿
特徴は、圧倒的な広さを誇る露天「仙人風呂(大)」です。大人50名が入れるほどで、ゆったりと湯を満喫できます。露天風呂は木々と巨石に囲まれ、移りゆく自然を肌で感じられるのも魅力となっていて、四季折々の美しさを湯船から楽しめますよ。
また、露天「仙人風呂(小)」は、大に比べると広くはないですが、肩までしっかりとお湯に浸かれる深さです。
湯は保湿成分のメタケイ酸が豊富で、湯上がりは肌がしっとりすると言われています。木々に囲まれたロケーションで、森林浴と温泉浴を楽しみながら、日頃の疲れを吹き飛ばしましょう。
[タオル]フェイスタオル(販売200円)
[ドライヤー]あり
[シャンプー・ボディソープ]あり
熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6704
【日帰り温泉利用】8時30分~21時(最終受付20時30分)
不定
九州道熊本ICより1時間30分
「やまびこ旅館」の詳細はこちら
「やまびこ旅館」のクチコミ・周辺情報はこちら
旅館 山河
青みがかった湯が幻想的な露天風呂
温泉街の中心部から少し離れた場所に佇む「旅館 山河」。敷地内から“薬師の湯(単純硫黄泉)”と“美肌の湯(ナトリウム塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉)”の2つの異なる泉質の湯が湧き、入湯手形では美肌の湯に入浴できます。
打たせ湯付きの露天風呂「もやいの湯」は岩造りでダイナミック。薄っすらと青みがかった湯が張られ、幻想的な雰囲気です。
女性専用の露天風呂「四季の湯」は、すぐ横を川が流れ、まるで自然の一部に溶け込んだような気分に浸れますよ。
[タオル]フェイスタオル(販売200円)
[ドライヤー]なし
[シャンプー・ボディソープ]なし
瀬の本高原ホテル
阿蘇の大草原が目の前に広がる露天風呂
「瀬の本高原ホテル」は約5万坪もの敷地を有する広さで、標高920mの瀬の本高原にあります。露天風呂「絶景鼻の湯」は、その名の通り湯船からの眺めが自慢。目の前には雄大な阿蘇の草原が広がり、湯に浸かりながらパノラマを感じられます。
岩造りの露天風呂の一部は寝湯になっていて、ゴロンと寝転べば目に飛び込んでくるのは草原と空だけ。心身ともにリラックスできますよ。
中性単純温泉の湯は、柔らかい浴感で、身体に優しいのが特徴です。
[タオル]フェイスタオル(販売300円)
[ドライヤー]あり
[シャンプー・ボディソープ]あり
熊本県阿蘇郡南小国町満願寺5644
【日帰り温泉利用】8時30分~21時(最終受付時間20時30分)※10時~11時は清掃のため利用不可 ※清掃時間は変更になる場合あり
不定
九州道熊本ICより1時間30分
「瀬の本高原ホテル」の詳細はこちら
入湯手形が利用できる飲食店・お土産店
酒の宿
蛍丸サイダー1本とくまモンサイダー1本が貰える
温泉街の中心部「いご坂」の中ほどにある酒屋「酒の宿」。もともと蔵として使われていた建物を改装した、ユニークな造りで、店内には阿蘇で生産された米や麦、阿蘇の水を素材にしたこだわりの商品が並んでいます。
入湯手形で貰えるのは、阿蘇神社門前町の湧水で造られた「くまモンサイダー」と、阿蘇神社復興プロジェクトで誕生したマスカット味の「蛍丸サイダー」。湯めぐりの途中に立ち寄るにはぴったりです。
熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6696-1
9時~18時※不定時あり
水、木
九州道熊本ICより1時間30分
湯旅屋 黒川堂
ユニークな湯みくじと入浴料2種類と交換
“あなただけの温泉コーデ”がコンセプトの温泉コーデショップ。温泉と温泉街を楽しむためのアイテムがいっぱいです。店内には九州を中心に日本全国からセレクトしたおしゃれでハイセンスな雑貨をはじめ、雪駄や作務衣など、職人の手仕事による商品など、約300種類が揃っています。
入浴手形では、水につけると文字が浮かび上がる「湯みくじ」と、2種類の入浴料をセットで貰えますよ。
入湯手形で巡るおすすめモデルコース
1.黒川らしさ満喫コース
泉質はもちろん、黒川温泉は湯船もバラエティ豊かに揃っています。「こうの湯」の深さ130cm(女性)、162cm(男性)の立ち湯は、温泉ではあまり感じられない不思議な浮遊感を体感できます。そして50人が入れるという「やまびこ旅館」の露天「仙人風呂(大)」は圧巻の広さ。2湯を堪能した後は、「酒の宿」でキンキンに冷えたサイダーでクールダウン。
SPOT.01 |
こうの湯 車で5分 |
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SPOT.02 |
やまびこ旅館 徒歩10分 |
SPOT.03 | 酒の宿 |
2.効能重視の湯めぐり三昧コース
黒川温泉には、日本の主な泉質10種類のうち、7種類が湧出しています。これは小さな里山の温泉地としてはとても珍しいことです。異なる泉質を組み合わせて入浴する「機能温泉浴」が楽しめるのも、豊かな泉質を誇る黒川温泉だからこそできるもの。冷え性などに良いとされる含鉄泉のあとは、硫黄泉と硫黄塩泉で、血流促進。すると体の芯からぽかぽかになりますよ。
SPOT.01 |
旅館 湯本荘(含鉄泉) 車で6分 |
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SPOT.02 |
里の湯 和らく(硫黄泉) 車で11分 |
SPOT.03 | 旅館 山河(塩化物泉・硫酸塩泉) |
3.歩いて回れるお手軽コース
一部の宿を除き、ほとんどの温泉宿を歩いて巡れるほど、こぢんまりとした規模感も魅力の黒川温泉。入湯手形とタオルを片手に気軽にハシゴできます。「湯峡の響き 優彩」でせせらぎが心地よい露天風呂を堪能したら、「いこい旅館」で立ち湯を楽しみ、最後は「湯旅屋 黒川堂」でお土産をゲット。
SPOT.01 |
湯峡の響き 優彩 徒歩10分 |
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SPOT.02 |
いこい旅館 徒歩6分 |
SPOT.03 | 湯旅屋 黒川堂 |
まとめ
宿ごとに風情も泉質もさまざまに楽しめる黒川温泉。入湯手形を活用して、泉質豊富な湯と街歩きを楽しみましょう。
※この記事は2024年9月11日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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じゃらん編集部
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