close

2020.03.19

【保存版・青春18きっぷの使い方】JR全線5日間乗り放題!格安切符のウマイ活用術

「青春18きっぷ」って聞いたことはあるけど若者向け?私って対象外?
実は年齢制限なんてありません。そんな勘違いからお得に旅ができるチャンスを逃しているかも!?

では一体どんな切符なの?使い方や販売期間などの基本情報を徹底解説。さらに旅の達人「旅と鉄道」編集長に使い方のコツを聞いてみました。お得&魅力満載の「青春18きっぷ」を使いこなして鉄道の旅を楽しみましょう!

記事配信:じゃらんニュース

「青春18きっぷ」って?

JR

「青春18きっぷ」という切符の名称、聞いたことがあるって人も多いはず。なんと20年以上も前に登場した歴史ある切符。でも「青春18」っていうぐらいだから、年齢制限があるのかも…。いやいや大丈夫、実は何歳でも使えるお得な切符なんです。

「青春18きっぷ」は簡単に言うと、JRの普通列車と快速列車が乗り放題の切符。販売期間と利用できる期間が決まっていて、日本全国どこへでも行ける夢のような切符です。

5回分、乗車できて12050円というお値段、1回分は2410円です。(ただし1回分だけ、といった購入はできません)このお値段が得なのか否かは後ほど検証しましょう。

ちなみに性別・年齢制限は一切なし、こども料金もありません。一人で1回分を5日にわたって利用しても良し、家族や友人とシェアして利用するという使い方もOK。春季・夏季、冬季の3つの期間に発売されます。

「青春18きっぷ」使い方1.基本ルール

基本のルールは「日本全国のJRの普通列車と快速列車乗り放題&途中下車OK!乗り降り自由」。
最初に乗車する駅で駅名と利用日の入ったスタンプを押してもらえば、それが旅の始まりです。ちなみにこの切符、自動改札機には通せないので係員のいる駅を利用してくださいね。

「青春18きっぷ」使い方2.色々な使い方ができる

「青春18きっぷ」は5回分がセットになった切符。気ままに一人旅、2人以上のグループ旅にも使えます。

◎一人旅…日帰り旅行を5回するのも良し、4泊5日で長距離旅を楽しむのも良し。利用期間内に5回使えるように計画を立てることが大切です。

◎グループ旅…女2人旅、5人の仲良しグループでの旅にも便利な切符。ただし同一行程で使うことが必須条件。出発地が異なる場合など注意が必要です。

「青春18きっぷ」使い方3.知ってて得する特典

「青春18きっぷ」の利用者はJR系のホテルの宿泊料金が割引になるサービスが受けられます。加盟ホテルのほとんどが駅に近い立地にあるので、移動にもとっても便利!予約時に「青春18きっぷ」を利用することを忘れず伝えてください。

実際にどのくらいお得に旅ができるのか?

東京・名古屋・大阪から出発して目的地までいくらで行けるかを「青春18きっぷ」を使用しない場合との金額の違いを片道の運賃で比べてみました。

【東京発★モデルコース~京都に行こう~】

◎古都・京都へ。始発を利用すれば昼過ぎに到着!

品川駅(5:02発)→<JR東海道本線>小田原~熱海~浜松~豊橋→<JR東海道本線快速>大垣→<JR東海道本線>米原→<JR琵琶湖線新快速>京都(13:13着) 
通常乗車券8360円→青春18きっぷ1回分なら2410円に

【名古屋発★モデルコース~関西三都市巡り&世界遺産が見たい!~】

◎京都・大阪・神戸の関西を代表する三都市を巡り、最後に世界遺産「姫路城」を見学!

名古屋駅(5:37発)→<JR東海道本線>大垣~米原→<JR琵琶湖線新快速>京都駅 乗車券:2640円 --観光-- 京都駅 →<JR京都線>大阪駅 乗車券:570円 --観光-- 大阪駅 →<JR神戸線>神戸駅 乗車券:410円 --観光-- 神戸駅 →<JR神戸線>西明石~姫路駅 乗車券:990円
通常乗車券4610円→青春18きっぷ1回分なら2410円に

【大阪発★モデルコース~熱海温泉でまったり♪~】

◎たまには温泉でのんびり過ごしたい。いざ熱海温泉へ!

大阪駅(5:00発)→<JR京都線>京都→<JR琵琶湖線>米原→<JR東海道本線新快速>豊橋→<JR東海道本線>浜松~静岡~熱海駅(13:07着) 
通常乗車券7480円→青春18きっぷ1回分なら2410円に!

いかがですか?金額の違いは歴然ですね。
時間は少々かかりますが、浮いたお金で美味しいご当地グルメに舌鼓なんてことも♪

2020年「青春18きっぷ」発売期間・利用期間

「青春18きっぷ」は年に3回、春季・夏季・冬季の3季に発売されます。
【春季】発売期間/2020年2月20日~2020年3月31日
    利用期間/2020年3月1日~2020年4月10日
【夏季】発売期間/2020年7月1日~2020年8月31日
    利用期間/2020年7月20日~2020年9月10日
【冬季】発売期間/2020年12月1日~2020年12月31日
    利用期間/2020年12月10日~2021年1月10日

枚数限定ではないので売り切れることはありません。また年末年始、お盆の期間中も使えるので帰省に利用する人も多いようです。

ただし、発売期間と利用期間が微妙にずれているので、お正月に使いたいなら年内に買っておいてくださいね。使い残した場合、次のシーズンには使えません。払い戻しもできないのでご注意を。

2020年「青春18きっぷ」利用可能区間

JR6社(北海道旅客鉄道・東日本旅客鉄道・東海旅客鉄道・西日本旅客鉄道・四国旅客鉄道・九州旅客鉄道)の普通列車と快速列車、さらにライナー列車に乗車できます。

ローカル線で今なお走るSL列車や観光列車もOK。素晴らしい景色を眺めながらのんびり旅をするのもいいですね。(指定席の料金が別途必要です)

2020年「青春18きっぷ」販売価格・販売場所

12050円、5回分がセットになっています。有効期間は1回につき1日間、1回あたり2410円、こども料金の設定はありません。

全国のJRの主な駅、JRの旅行センターおよび主な旅行会社で購入できます。

旅の達人が「青春18きっぷ」の楽しみ方を伝授!

日本全国どこまででも行ける「青春18きっぷ」♪それだけでも充分魅力的ですが、知っておくともっと充実した旅ができる達人情報を求めて、「旅と鉄道」の真柄編集長にお話を伺いました。どんな旅にしようか、考えるだけでワクワクしますよ!

観光列車・フェリーに乗ってみる

列車旅だからこそ、思い出に残るような乗車体験をしてみませんか?
全国には魅力あふれる観光列車がたくさんあります。「青春18きっぷ」の利用者は、指定席券を購入すれば観光列車にも乗車できます。そこで、編集長おすすめの観光列車を選んでいただきました。

●日本海の絶景が楽しめる観光列車・五能線「リゾートしらかみ」
(運行区間:秋田~青森間)

五能線「リゾートしらかみ」

まずは“絶景”が堪能できる列車から。
「“絶景”と言えば『リゾートしらかみ』。秋田と青森を結ぶ五能線というローカル線を走る観光列車です。かなりの長い距離を移動できるというメリットだけでなく、とにかく海岸線をず~っと走るので、長時間にわたって日本海の絶景が楽しめます」

「乗車には指定席券の購入が必要。有名な列車であることに加え、秋田新幹線や東北新幹線から乗り換えて楽しむ乗客も多いので、事前に指定席はとっておいたほうがいいと思います。グループ旅におすすめなのが個室タイプのボックス席。座席はフルフラットにできるのでベッドのような使い方もできます」
編集長いわく、リラックスできるプライベート空間で列車旅が楽しめるそうです。

注意点としては、景色が楽しめるのは海側の席。予約する時に気を付けないと、ずっと窓の外は山の景色…なんてことも。旅の予定が決まったら出来るだけ早目に予約するようにしてくださいね。

●車内でお鮨!?土日限定、城端線と氷見線を走る観光列車「べるもんた」
(運行区間:[土曜運転]城端線 高岡・新高岡~城端、[日曜運転]氷見線 新高岡・高岡~氷見)

観光列車「べるもんた」

次に紹介してくれたのが列車旅をしながら、びっくりするようなものが楽しめる観光列車。
「愛称『べるもんた』、正式な名前は『ベル・モンターニュ・エ・メール』は、土日限定で運行される1両編成の観光列車。富山県の高岡~城端、日曜は氷見まで走っています。週末のみの運行なので、この列車も事前に指定席券を買っておいたほうがいいですね」

そしてびっくりするようなものとは…「この『べるもんた』には、なんとすし職人が乗車していて車内で鮨を握ってくれます。握ってくれるのは名物「富山湾鮨」、確実に食べたいなら事前予約がおすすめです」

さらに絶景ポイントも。
「日曜は氷見まで走ります。富山湾のそばを走る氷見線から見えるのは『雨晴海岸』の絶景。絶景ポイントに差しかかると、停車して景色を見せてくれるサービスも。窓を開けて写真を撮り終えるまで待ってくれるのはローカル線ならでは光景ですね。今は「青春18きっぷ」だけでのアクセスがとても大変になってしまった城端線と氷見線ですが、それでも乗ってみる価値のある列車だと思います」

●SLも乗れます!おすすめSLを3つ。

SL

青春18きっぷを使ってSLに乗ることもできます。では編集長おすすめのSLは?

「関東なら高崎~水上を走る『SLみなかみ』ですね。九州なら熊本~人吉を走る『SL人吉』があります。いずれも土日や休日、期間限定で運行しているので、運転日を事前に確認するようにしてください。もう一つ、SLを使った観光列車のさきがけとなった列車が『SLやまぐち』です。新山口~津和野を毎日走っているので、大阪など山陽本線からのアクセスならこの列車がおすすめです」

どのSLも運行は1日1往復というのがほとんどなので、駅に着いてから乗れない!なんてことになったら大変!やはり事前に指定席券をとっておくことが大切です。

●開放感満点!トロッコ列車での旅

富良野・美瑛ノロッコ号

開放感たっぷりのトロッコ列車。こんな珍しい列車にも乗車できます。

「まず有名なのが北海道を走る『富良野・美瑛ノロッコ号』、美瑛の丘と富良野盆地の中を走るトロッコ列車です。ガタゴトと音を立てながら走るので少しうるさいかもしれませんが、普段乗っている列車との違いを楽しんでみて。期間限定なのでご注意を」

もう一つ是非紹介したいトロッコ列車があるとのことで…「四万十川に沿って走るトロッコ列車『しまんトロッコ』。高知県の四万十町と愛媛県宇和島市を結ぶ予土線で乗ることができます。四万十川流域の圧巻の景色を眺めながら、大自然の空気を感じる旅。運行本数が少ないので事前に調べておくようにしてくださいね」

●「青春18きっぷ」でフェリーにも乗れる!

宮島フェリー

「青春18きっぷ」が使えるのは列車だけじゃないんです。
「フェリーにも乗船することもできます。それはJR西日本の『宮島フェリー』。JR宮島口駅と宮島の間で運行していて、海から厳島神社が眺めることができるので観光にもぴったりですよ」

いかがでしたか?全国にはまだまだ魅力的な観光列車があります。列車旅ならではの楽しみ方のひとつ、旅の行程に加えてみてはいかがでしょうか。

最後にもう一度注意点を。観光列車のほとんどは指定席券を購入しないと乗車できません。また運行本数も少なく、期間限定の列車も。指定席券の事前購入はもちろん、運行情報などを必ずチェックして旅行のスケジュールを立ててくださいね。

効率良く長距離を移動するコツ

いろいろな旅が楽しめる「青春18きっぷ」。とは言え、長距離の移動はやはり疲れます。他の交通機関を途中に組み込めば、効率良く移動できる場合もあります。

●効率的に移動するためにフェリーを利用
例えば青森から函館に移動したい。そんな時に考えられるのが北海道新幹線です。青春18きっぷには「北海道新幹線オプション券」がついています。

オプションの料金を追加で払うことで、奥津軽いまべつ駅~木古内駅間の新幹線と道南いさりび鉄道の普通列車にも乗車できます。ただし奥津軽いまべつ駅に停車する列車本数が少なく接続が悪いので時間のロスが起こりがち。乗車区間や乗車回数などが限定されているので注意が必要。

そこで編集長から一案。今から紹介する『青函フェリー』と『津軽海峡フェリー』は青春18きっぷでは乗船できませんが、上手く活用すれば函館まで効率よく移動できます。
「夜中に青森を出発すれば、明け方には函館に到着。客室にはリクライニング席やカーペット席、個室もあるので予算に応じて選べます。宿泊を兼ねた移動が出来るのは、なかなか効率的ですよね」

「関西方面だと、大阪~別府、神戸~大分など九州へのアクセスが便利になるフェリーがあります。上手く利用してみてはいかがでしょうか」とのアドバイスも。

●グリーン券を購入すれば利用できるグリーン席
時間帯によっては、通勤・通学などで混雑する電車に乗らざるを得ない場合もあるかもしれません。そんな時に利用してほしいオプションを紹介します。

「青春18きっぷ」でもグリーン券を購入すればグリーン車が利用できるという特典があります。対象は自由席のグリーン車を連結する普通列車と快速列車。

「例えば、上野東京ライン(上野~東京)。横並びのロングシートの混雑する車両、ワクワクする旅気分も台無しになるかも。そんな時はグリーン車を利用してみては。都会を走る電車なので景色を堪能…とはいかないまでも、2階席なのでちょっと優雅で快適な旅気分が味わえますよ」

「旅と鉄道」編集長から旅のアドバイス

●目的は明確に、荷物は極力減らすこと。
旅の達人・真柄編集長に、列車旅を楽しむためのアドバイスを聞いてみました。
「この旅で何を楽しみたいのか?途中下車しながら観光を楽しみたい。色々な列車を乗り換える旅をしたい。まずは目的を決めた上で旅のプランを立ててください」

続いて快適な旅のポイントを。「そして当たり前ですが、長旅は疲れます。大きな荷物を持ったままの観光や列車の乗り降りは想像以上に大変。持ち物は必要最低限にして身軽に動けるよう、極力荷物を減らすことをおすすめします」

どうしても荷物が大きくなってしまう時は、駅にあるコインロッカーを利用したり、宿泊先のホテルに先に送っておくなど、荷物を持って歩かないような工夫を。

青春18きっぷの使い方

●拠点を作った旅の計画
「青春18きっぷ」を使ってどこまで遠くへ行けるか。それも楽しみ方のひとつですね。
今回、真柄編集長が紹介してくれたのが、拠点を決めてそこから旅を始めるパターン。大きな荷物問題も解決できるのでおすすめです。

「例えば、東京に住んでいる人が関西の旅を楽しみたい。そんな場合は、まず東京から深夜バスなどを使って夜のうちに大阪に移動。到着後、宿泊先に荷物を預けたら大阪を拠点にした「青春18きっぷ」を使った旅がスタートします」

例えばこんな旅を紹介してくれました。「1日目は鳥取へ、その日のうちに大阪に戻り2日目は岡山へ、再び大阪に戻り3日目は和歌山へ…といった感じです。青春18きっぷの5回分を5日間フルに使えば、かなり色々なエリアに出かけられますね」

もう一つ、具体例を。「九州を制覇したい、そんな場合は福岡へ飛行機で移動して、福岡を拠点に九州の旅を楽しむなんてことも。拠点を作ることで宿泊地を固定できる。つまり着替えなどの大きな荷物はそこに置いたまま必要なものだけ小さなバッグにつめて身軽に列車の旅ができるという訳です」

●真柄編集長が思う「青春18きっぷ」の魅力とは?
「青春18きっぷの魅力は価格の安さはもちろんですが、一番の魅力はその“自由度”。北から南まで普通列車が乗り放題、乗り降り自由。行きたいところに行って、どんどん降りて、どんどん歩いて使い尽くしてほしいですね。時間と心に余裕を持って、自由な旅を楽しんでください!」

<プロフィール>
●真柄 智充(まがら ともみち) 
天夢人発行の隔月誌「旅と鉄道」編集長。「旅と鉄道」はタビテツと呼ばれ、鉄道ファンに支持され続ける鉄道で旅をする専門誌。毎年6月には増刊号「青春18きっぷの旅」を発刊・そのほか編集部発行本には、同誌記事を再編集した書籍「青春18きっぷの教科書」などがある。
旅鉄Webhttp://www.tabitetsu.jp/
「旅と鉄道」公式Twitterhttps://twitter.com/tabitetsu_web

最後に。疲れないためには事前のスケジュールがキモ!

JR

普通列車と快速列車が乗り放題!お得感たっぷりの切符ですが、長距離移動の場合、新幹線や特急を利用しないということは、つまり時間がかかるということ。

例えば横座りのシートの列車に長く乗車していると気分が悪くなったりすることも。ボックス席がある列車のほうが、疲れにくく快適に過ごせます。

乗車時間が長くなる区間は列車の種類を調べたり、乗り換え駅で休憩時間を作ったりすることも大切。また列車が通勤や通学で混む時間帯は避けたほうがいいかもしれません。

移動時間が長いとトイレも心配。列車にトイレはあるのかを調べたり、乗り換え駅で早めに済ませておくなど対策を考えて行動したほうが良いでしょう。

せっかくの旅、移動だけで疲れてぐったり…なんてことにならないために、行き先の情報はもちろん、道中の移動手段の状況などを踏まえたスケジュールを立てることがポイントです。

「青春18きっぷ」を使ったのんびり旅。きっと今まで見えなかった景色が見える新鮮な旅になるはず。しっかりとした下準備&身体のコンディションを整えて、楽しい快適な旅を楽しんでください。

\こちらの記事もチェック!/
乗りものニュース編集長が「青春18きっぷ」の使い方を伝授!

※この記事は2020年3月時点での情報です
※掲載の価格は全て税込価格です
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください
※旅行・お出かけの際は、安全、体調に十分に配慮しましょう。お出かけの際は公式ホームページなどで最新の情報をご確認ください

横手 奈保子  横手 奈保子

ゴールデンレトリバーとゆったりまったり暮らしています。「犬と一緒に泊まれる宿」にチャレンジ中。愛知県在住。

Topics

tag

この記事に関連するエリア

この記事に関連するキーワード