新幹線を利用する時、自由席と指定席のどちらを選んだらいいか、迷ったことはありませんか?自由席はリーズナブルだけれど満席の場合に座れる保証はなく、指定席は自由席と比較して少し高いものの、確実に座ることができます。
今回は、新幹線の自由席と指定席の違い、自由席は何号車に乗ればいいのか利用のコツや注意点、きっぷの買い方や改札の通り方など、役立つ情報を詳しく解説します。
(TOP画像提供:JR東海、N700Sの車内)
新幹線の自由席とは?指定席との違い

乗車券+特急券が必要!特急券は指定席と自由席の2種
新幹線に乗るためには、「乗車券」に加えて「特急券」を購入します。「特急券」は座席指定の「指定席特急券」と、自由席車両に空席があれば座れる「自由席特急券」の2通りです。
「乗車券」と「特急券」は2枚発行されますので、自動改札機に2枚一緒に投入して改札を通りましょう。なお、1枚で発券されることもあります。スムーズに乗り降りできるよう、事前に券面を確認しておくと安心です。
自由席と指定席のメリット・デメリット
指定席 | 自由席 | |
メリット | ・必ず座れる ・座る席が選べる |
・料金が安い ・自由に席を移動できる ・時間の融通がきく |
デメリット | ・料金が自由席より高い ・列車の変更時、きっぷの変更が必要 |
・座れない可能性がある |
自由席は料金が割安で、同日であればどの列車の自由席にも乗車可能なフレキシブルさが魅力。乗車後も移動したい場合は自由席車両の違う席に移動もOK。ただし、空席がなければ座れなくなり、混雑時はデッキなどで立つことになってしまうリスクもあります。
一方、列車と座席を指定する「指定席」は自由席に比べ料金が高いものの、確実に座れ、早めに予約すれば窓・通路側、一番前・後ろなど、希望の席を選ぶことが可能。しかし、予定がずれてしまった場合は、予約した列車の変更が必要になります。
自由席と指定席の差額
区間 | 列車 | 指定席 (通常期) |
自由席 | 差額 (通常期) |
東京~新大阪 | のぞみ | 1万4720円 | 1万3870円 | 850円 |
東京~新大阪 | ひかり・こだま | 1万4400円 | 1万3870円 | 530円 |
新大阪~博多 | のぞみ・みずほ | 1万6020円 | 1万4750円 | 1270円 |
新大阪〜博多 | ひかり・こだま・さくら | 1万5280円 | 1万4750円 | 530円 |
自由席と指定席では料金が異なります。座席指定の基本料金は530円で、東海道新幹線の「ひかり」「こだま」、山陽・九州新幹線の「さくら」、九州新幹線「つばめ」はこの料金帯です。
一方、速く移動できる東海道・山陽新幹線「のぞみ」「みずほ」の自由席は「ひかり」「こだま」「さくら」の自由席と同額ですが、指定席では加算料金がプラスされ、割高になります。列車や行き先、繁忙期などのシーズンによっても料金は変わります。事前に確認しましょう。
自由席きっぷの買い方、改札の通り方

購入できる場所
きっぷを購入できる場所は「駅の窓口」「自動券売機」「ネット予約」の3つです。
駅にある「みどりの窓口」や「JR全線きっぷうりば」と書かれた有人の窓口では、駅員さんに詳細を伝え、相談しながら購入することが可能。また、「自動券売機」は窓口が混んでいる時でもスムーズに買えるので時間短縮につながります。一方、「ネット予約」は駅まで足を運ばなくても、予約から支払いまで完結して便利なうえ、早期に予約すると料金が割安になってお得です。
乗車券と特急券を2枚重ねて改札機に通す
改札を通る時は「乗車券」と「特急券」を2枚重ねて同時に改札を通し、両方を受け取ります。
在来線から乗り継いで新幹線に乗車する場合は、新幹線乗車駅までのきっぷまたはICカードで改札機を通り、新幹線のきっぷを入れるかICカードをタッチします。
新幹線降車駅までの乗車券、特急券は降車駅の改札機に回収されます。在来線に乗り継ぐ場合は、忘れずに乗車券を受け取ってくださいね。
自由席は何号車?新幹線の種類によって異なる?
自由席は列車によって対象となる号車が異なります。また、「全席指定席」で、自由席の設定がない新幹線もあります。
東海道・山陽新幹線の自由席

「のぞみ」の自由席
「のぞみ」の自由席は、16両編成のうち博多方面寄りの1~3号車が対象。ただし年末年始、ゴールデンウィーク、お盆期間は全席指定で運行されます。なお、2025年3月のダイヤ改正以降は3号車が指定席に変更される予定です。
「ひかり」の自由席
「ひかり」の自由席は、16両編成のうち博多方面寄りの1~5号車が対象。新大阪駅発「ひかり」591号のみ6・15・16号車も自由席になります。
「こだま」の自由席
「こだま」の自由席は、16両編成のうち1~6・13~16号車が対象。列車によっては、13・14号車を指定席に変更する時や、グリーン車を除いて全車自由席となる場合もあります。
山陽・九州新幹線の自由席

「みずほ」「さくら」の自由席
「みずほ」は8両編成、「さくら」はN700系が8両編成、800系は6両編成でいずれも自由席は鹿児島方面寄りの1~3号車です。800系は自由席も4列でゆったりと乗車できます。
九州新幹線の自由席

「つばめ」の自由席
九州新幹線「つばめ」はN700系の8両編成と800系の6両編成があり、800系は自由席も4列シート。鹿児島方面寄りの1~3号車が自由席です。列車によっては3号車が指定席や4~5号車も自由席、グリーン車を除いて全車自由席もあります。
東北・山形・秋田・北海道新幹線の自由席

「はやぶさ」「こまち」「つばさ」の自由席
東北・北海道新幹線「はやぶさ」、秋田新幹線「こまち」、山形新幹線「つばさ」は全車指定席で、自由席はありません。満席の場合は「立席特急券」が販売されます。なお、「はやぶさ」新函館北斗〜盛岡間を利用の場合に限って、普通車指定席が空いていたら着席できる特定特急券があります。
「はやて」の自由席
東北・北海道新幹線「はやて」は、全車指定席なので自由席はありません。満席の場合は「立席特急券」が販売されます。
「やまびこ」の自由席
東北新幹線「やまびこ」の自由席は10両編成のうち東京方面寄りの1~5号車が自由席ですが、列車によって1~3号車、1~4号車に変更もあります。また、E6系の17両編成の場合は盛岡寄りの12~17号車も自由席です。さらに「つばさ」7両を併結するなど、列車によって変更が多いので気をつけましょう。
「なすの」の自由席
東北新幹線「なすの」は10両編成のうち東京方面寄りの1~8号車が自由席。E6系の17両編成の場合は、12~17号車も自由席です。ただし、「やまびこ」と同じく列車によって1~4号車のみ、1~5号車のみ、10号車も自由席になるなど、車両によって変わるので注意してください。
上越・北陸新幹線の自由席

「とき」の自由席
東京~新潟間を最速で結ぶ上越新幹線「とき」の自由席は、12両編成のうち東京方面寄りの1~5号車。ただし、列車によっては4~5号車が指定席になる車両もあります。
「たにがわ」の自由席
上越新幹線「たにがわ」の自由席は12両編成で東京方面寄りの1~10号車。列車によっては8~10号車が指定席になる列車もあります。
「かがやき」の自由席
東京~金沢・敦賀間を最速で走る北陸新幹線「かがやき」は12両編成で全車指定席です。満席の場合は「立席特急券」が販売されます。
「はくたか」の自由席
東京~金沢・敦賀間を走る北陸新幹線「はくたか」は、12両編成のうち東京方面寄りの1~4号車が自由席。列車によっては4号車が指定席になる場合もあります。
「あさま」の自由席
東京~長野間を走る北陸新幹線「あさま」は、12両編成のうち東京方面寄りの1~5号車が自由席。列車によっては5号車が指定席になる場合もあります。
「つるぎ」の自由席
富山〜敦賀を走る北陸新幹線「つるぎ」は12両編成のうち富山方面寄りの1~2号車が自由席です。列車によっては1〜4号車が自由席になる場合もあります。
自由席で座るコツ
早めに並んでおく
自由席に座るためには、自由席の乗車口に早めに並んでおく方が座れる確率が高くなります。とくに繁忙期や行楽シーズンなど混雑が予想される時期に乗車する場合は、列の最初のほうに並ぶといいでしょう。
始発駅を狙う
先に乗車している人が多ければ、自由席は座れない可能性が高くなります。例えば、東海道新幹線を品川駅から乗るなら、品川から東京のきっぷが追加で必要となりますが、始発駅の東京駅まで移動するのも手。「新幹線 始発駅」と検索して最寄りの始発駅を調べてみましょう。
最前・最後の号車を狙う
自由席の号車は最前と最後の号車が狙い目。改札に向かう階段やエスカレーターから遠いため、人の流れが少なくなり、座席が空いている可能性が高いです。ただし号車によって座席数が違うため、座席が多い先頭車両でない2号車などの方が座れる確率が高い場合もあります。
空いている時間を狙う
最近はビジネス、観光、インバウンドの利用も多く、どの時間帯が空いているか判断しづらいですが、列車が頻繁に運行されている場合、後続列車は人が少なめなので狙い目です。JRが運営する「サイバーステーション」で指定席の空席状況をチェックしましょう。
自由席の注意点
年末年始、お盆は自由席の設定がない列車がある
多くの人が帰省したり、旅行に出かけたりする年末年始、ゴールデンウィーク、お盆は三大ピーク期で新幹線の座席も非常に混雑します。東海道・山陽新幹線「のぞみ」は、三大ピーク期に全席指定席になるので、自由席はありません。
なお、「ひかり」「こだま」「みずほ」「さくら」は通常通り、自由席の利用ができます。東北・上越・北陸、九州新幹線でも一部、全席指定席になる場合があります。混雑時は前もって、指定席を予約しておくのが賢明です。
自由席回数券の利用は2025年3月末で終了
新幹線の自由席を6枚セットにした「自由席回数券」は、2025年の3月末で利用が終了します。有効期間内であれば、全券が未使用の場合に限って、手数料220円で払い戻しが可能。「きっぷうりば」のある駅や主な旅行会社など、新幹線回数券を取り扱う発売箇所で対応してくれます。
未就学児3人目から運賃が必要
小学校入学前の幼児は新幹線自由席の利用が、大人1人につき2人まで無料です。ただし、幼児や乳児が一人で指定席を利用する場合や、幼児だけで乗車する場合は子ども料金がかかります。
乗車後の自由席から指定席への移動はNG
乗車後、空いているからといって自由席から指定席に移動することはできません。指定席を利用する場合は、乗車前に差額を払って乗りましょう。
新幹線チケットを安く買う方法
簡単に始められる「スマートEXサービス」とおトクな会員価格がある「EX予約サービス」
東海道・山陽・九州新幹線の指定席や自由席を利用できるネット予約サービス「EXサービス」は交通系ICカードとクレジットカードを登録すれば、年会費なしで利用できる「スマートEXサービス」と、1100円の年会費を払って会員価格できっぷを購入できる「エクスプレス予約サービス」の2つがあります。
どちらも早めの購入で料金が割安になる「早特」の設定があります。なお、列車が出発する前であれば、スマートフォンおよびパソコンから何度でも手数料なしで時間や座席などの変更が可能です。確実に座席を確保でき、急な予定の変更にも対応できるため、安心して乗車できます。
14日前で最大30%オフになることもある「えきねっと」
JR東日本のネット予約サービス「えきねっと」(運営はJR東日本ネットステーション)は、年会費なしで利用できます。早めの予約で5~30%割り引かれる「トクだ値」料金の設定もあります。ただし、駅に設置されている「みどりの窓口」と連携はしていないため、列車や座席を変更する場合はネット上の操作が必要です。
割安で1ドリンクサービスの「ぷらっとこだま」
JR東海のネット予約サービス「ぷらっとこだま」(運営はJR東海ツアーズ)は窓口で買うよりも割安で、さらにドリンクの引換券がつく「こだま」の片道プラン。搭乗日の1カ月前から前日23時30分まで予約可能。ただし、予約した列車以外には乗れず、乗り遅れた場合は払い戻しはできません。
まとめ
新幹線自由席は、列車によって利用可否、号車の違いがあるため、行き先と時間が決まったら詳細を調べてみましょう。また、JR各社で内容は異なりますが、ネット予約のサービスでお得に購入できるので、ぜひご活用ください。
※この記事は2024年12月19日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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※掲載の価格は全て税込価格です。
じゃらん編集部
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