「七五三っていつお祝いするの?」という人向けに、民俗学研究家の井戸理恵子さん監修のもと、正式なお参りの日取りやおすすめ時期、お祝いする年齢などを解説。「女の子と男の子の年齢の違いは?」「数え年と満年齢、どっちで祝う?」「早生まれの場合はどうすればよい?」といった疑問も解消します。
七五三のお参りに行く正式な日はいつ?

七五三とは、子どもの成長を祝う伝統的な行事のこと。七五三の正式なお参りの日取りは今では11月15日とされています。この日に制定された理由は、「収穫を終えて感謝する日だった」「徳川綱吉の子が健康祈願を行った」など諸説あります。
現在では、必ずしもお祝いを11月15日にしなくても構いません。ただ、この日は明治以降特に、子どもの無病長寿を祈る両親の想いが込められた日とされています。
おすすめのお参りの時期は?

先に解説した通り、11月15日当日にこだわらず、親や親戚のスケジュールを調整して、10月~12月頃に行う家庭もあります。
秋の吉日や週末を選ぶ人も多く、特に土日は神社も混み合うので、ご祈祷で順番待ちをしたくない人、ゆっくり写真撮影をしたい人は、平日がおすすめです。レンタル着物店も、平日の方が混雑を避けられるそうですよ。

日取りを決めるとき、その日の吉凶や運勢を表す「六曜(ろくよう)」を参考にするのもいいでしょう。大安・友引・先勝・先負・赤口・仏滅の6種類があり、七五三に向いている日や時間帯を表にまとめたので、参考にしてください。
お参りの時期は大きく外しても問題ない?

時期をずらすのは、基本的には問題ありません。ただし、神社によってはご祈祷できる日が決まっていることもあるので、事前に問い合わせて確認しておきましょう。
また、北海道や東北といった寒い地域では、10月上旬の早い時期にお参りを行うことも多いそう。それぞれの地域や家庭の事情に合うタイミングで、七五三のお祝いをしましょう。
お祝いする年齢は男の子と女の子では違う?

昔は食べるものが少なく7歳までの生存率が低かったため、「子どもが無事に成長できるように」と願いを込めて行われてきました。3歳・5歳・7歳のタイミングでお祝いをするのは、古くから行われていた以下のような儀式に由来するといわれています。
[袴着]5歳に行われる、男の子が初めて袴をつける儀式
[帯解き]7歳に行われる、女の子が初めて帯を結ぶ儀式
男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳に着物を着て行うのが一般的ですが、関東地方を含む東日本では男の子は5歳だけ、という地域が多いようです。
また、男の子も女の子も3歳・5歳・7歳のいずれかだけをお祝いするケースもあり、地域や家庭によってかなり差が見られます。何歳で行うか迷った時は、近くの神社や親戚に聞いてみるのもいいですね。
数え年?満年齢?どちらで祝うのが正しいの?

昔は数え年で行うのが正式とされていましたが、現在は満年齢が一般的です。正確には数え年、満年齢のどちらで祝ってもよいそうで、今でも数え年でお祝いする地域や家庭もあるので、周りと相談して決めましょう。
そもそも、「満年齢」と「数え年」をどう数えるか分からない…という人もいるのではないでしょうか。満年齢は現時点での年齢のことで、誕生日を迎える度に年を取る一般的な数え方をいいます。数え年は生まれた時を1歳とし、誕生日は関係なく1月1日を迎えると年を取る数え方のことです。


誕生日によって数え年が変わるため、詳細は表で確認してください。数え年3歳で満年齢が1歳になることもあるので、子どもの負担にならないように考えることも大切です。
早生まれの場合はどうすればいい?

誕生日が1月1日~4月1日の早生まれの子は、年齢、学年のどちらでも問題ありません。
7歳のお姉ちゃんや5歳のお兄ちゃんのタイミングと合わせて一緒に祝いたいなど、家庭によって事情はさまざま。現在は行う時期が明確に定められているわけではないので、子どもの成長や周囲の状況を見て決めるのがいいでしょう。
【監修】

井戸理恵子/民俗情報工学、養生料理研究家
北海道北見市生まれ。日本文化を多角的に伝える活動を行う。応用数理学会他、民俗学の知見を素地とした工学系の研究を各種発表。著書に『職人』(三交社)、『しきたり十二ヶ月』(かんき出版)、『カミサマを味方にする本』(PHP)、他。ゆきすきのくに合同会社・Atmosphere Designs合同会社代表。多摩美術大学非常勤講師、株式会社アルゴグラフィックス社外取締役。「Organic Cafe ゆきすきのくに」経営。
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※この記事は2025年5月2日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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トリクルマガジン編集部
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