ニューノーマルな働き方として取り入れる企業が増え、環境省も補助金を出すなど注目を集めているワーケーション。
近場のホテルやリゾート地などの休暇先で、テレワーク(リモートワーク)で仕事をすることを意味します。
今回の記事では、実際に色んな旅行先でワーケーション経験をしてきた福田大翼さんに監修していただき、ワーケーションのメリット・デメリットや上手に楽しむためのポイント、おすすめの場所について紹介します。
※この記事は2020年9月25日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
ワーケーションとは?

ワーケーションという言葉の由来は、
「ワーク(仕事)+バケーション(休暇)=ワーケーション」です。
つまり、観光地や帰省先など、自宅以外の休暇先で、リモートワークをする過ごし方のこと。
「仕事」と「休暇」という、相反するものが一つになっている点でおもしろい言葉ですよね。
一見、「休んでいるのに仕事するの?」と捉えられがちですが、例えば旅行なら「仕事が忙しくても旅行が実現できる」などの捉え方をするべきだと思います。
仕事を片付けたら、ご褒美として露天風呂に入って、そのあと地元の食材を活かした料理をいただいて…と考えると、仕事に対しても気合が入ると思いませんか?
リモートワークは「会社と違う場所で仕事をすること」なので、この「まず旅行ありき」がワーケーションとリモートワークの大きな違いです。
近年、自宅やカフェ等で仕事をするリモートワークが普及し、さらに直近では新型コロナウイルス感染症拡大防止のために一気に広がったこともあり、ワーケーションも「多様な働き方」の1アイデアとして注目を集めています。
環境省のワーケーションに対する取り組み
環境省が補助金の支給を決めるなど、国もワーケーション普及に向けての動きを強めています。
この取り組みは、新型コロナウイルス感染症の影響で打撃を受けた観光地への経済対策の一つです。
キャンプ場や旅館で、ワーケーションのためのWi-Fi等環境整備の支援をすることで、平日の観光地の活性化を目指しています。
今後は、旅先でも仕事ができる環境が広がることで、更にワーケーションをすることへのハードルも下がりそうです。
ワーケーションのメリット

ここからは、ワーケーションをすることで、「今までできなかったことができるようになる」3つのメリットについて解説します。
長期の休暇を取得しなくても旅行に行ける
「がんばって仕事を調整して、1週間休みを取って旅行を計画していたけど、水曜日だけどうしても外せない会議が入って、泣く泣く旅行をキャンセルした」そんな経験はありませんか?
少し遠いところに旅行に行こうと思うと、移動時間も含めて長期の連続休暇の調整が必要になります。
有給があっても、実際にはなかなか休暇の調整をするのは難しいものです。
でも、ワーケーションをすることを前提とすれば、例えばこのようなスケジュールを組むことが可能です。
・1日目(土)移動
・2日目(日)休暇
・3日目(月)仕事
・4日目(火)仕事
・5日目(水)仕事
・6日目(木)休暇
・7日目(金)休暇
・8日目(土)休暇
・9日目(日)移動
土日と組み合わせて、2日間の有給を取得するだけで、移動日を含めて9日間も旅行先で過ごせることになります。
もちろん、近場の旅行であればもっとスケジュールが組みやすくなります。
今までよりも自由に旅行のスケジュールを組めるので、家族やパートナーとの時間もゆっくりと取れるようになります。
休暇中に仕事のことでそわそわしない
仕事の立場や関わり方によっては、旅行中であっても仕事が気になってしまう人も少なくないはずです。
ずっとそわそわしてしまって、思いっきり休暇を楽しめないのであれば、いっそのことスケジュールに仕事を組み込んでしまった方がすっきりと過ごせる場合があります。
「あの件、今どうなってるかな?」と気にしながら温泉に入るより、「このタスクを終えたら今日の仕事は完了!」となった後に入浴する方が精神衛生上いいと思いませんか?
普段とは違う場所で働くことでリフレッシュできる
リモートワークに対応するために自宅環境を整えたとしても、ずっと同じ環境での仕事はどうしても飽きがきてしまうものです。
ワーケーションは、海や山など自然の近くの静かな場所で働いてリフレッシュすることができます。
旅行先で普段は触れ合うことが少ない人と出会う、観光名所で感動する、そんな旅ならでは体験が、仕事のアイデアにつながることもあるかもしれません。
ワーケーションのデメリット

逆に、ワーケーションにはいくつかデメリットもあります。
<仕事と休暇の境目が曖昧になる>
仕事は仕事、休暇は休暇として完全に切り替えて過ごしたいタイプの人には向いてないかもしれません。
<仕事環境が整っていない場合がある>
Wi-Fi環境が整っていない、長時間作業するのに向いている机・椅子が無いなど、作業場所として疲れてしまう場合があります。
<リモートワークに慣れていない人は難しい>
普段からリモートワークに慣れていない場合は、そもそもパソコンの接続に手間取ったりするなど、思ったように成果が出せないかもしれません。
このようにデメリットはありますが、今後リモートワークの技術的普及・世間の考え方の一般化が進めば、解消されるものがほとんど。
そういう意味では、デメリットよりもメリットの方に目を向け、前向きに考えてみることをおすすめします。
ワーケーションはどんな職種の人が向いているの?

例えば、旅先での刺激を仕事に活かすことのできる企画職の人は、比較的ワーケーションに向いているでしょう。
旅先の名物を食べたり、素敵なカフェでゆっくりしたり、自然の溢れる場所で過ごしたり…そんな体験の後なら、普段よりも想像力を膨らませて仕事できるかもしれません。
マーケティング職の人が旅先でユーザーの声を聞く、エンジニアが誰にも邪魔されない空間でキーボードを叩くなど、職種によっては「よりいい仕事ができるチャンス」が生まれる可能性は大いにありそうです。
もちろん物理的にリモートワークが難しい職種など向き不向きはありますが、職種よりも重要なのは、仕事の進め方や考え方だと思います。
どんな職種でも、スケジュールを自分できちんと管理できなければ、ワーケーションをすることは難しいです。
また、勤務先のルールを事前に確認しておくことも重要。
「リモートワークはOKだけど、自宅など事前に申請した場所でないとNG」というルールの会社もあるので、注意が必要です。
ワーケーションを楽しむポイント3箇条!

実際にワーケーションをしてきた中で、楽しむにはいくつか条件が必要だと気付きました。
1、旅の空気を味わうこと自体を楽しむ
2、リモートワークに慣れておく
3、休暇もしっかりと取る
まず1つ目のポイントですが、旅の空気、つまり「普段とは違う環境で過ごすこと自体」を楽しむ意識を持つ、ということです。
旅先でアグレッシブに観光をすると、ワーケーションでの過ごし方は少し窮屈に感じてしまうかもしれません。
あちこちスポットを巡る旅行の場合は旅行だけに集中して、ワーケーションでの旅行の場合は観光を控えめにした方が良さそうです。
そうすれば、仕事をしていてもそれほど苦にはならず、ワーケーションを楽しめるでしょう。
2つ目は言わずもがなですが、旅先でリモートワークをすることになるので、普段から自分やチームがリモートワークに慣れていることが必要です。
不慣れなリモートワークは仕事の生産性が下がることにつながりかねません。
最後の3つ目は、メリハリをつけることが重要、という意味です。
ワーケーションとはいえせっかくの休暇でもあるので、18時以降は絶対に仕事しない、月曜~水曜は働くけど木・金曜は完全に休みにするなど、上手に仕事と休暇を両立させるようにしましょう。
また、ワーケーションをスムーズに機能させるための工夫として、事前準備も重要と覚えておきましょう。
当日になってバタバタしないように、リモートワークに適した作業場所(Wi-Fi、電源、机・椅子)を予め確認しておきましょう。
近場のコワーキングスペースやカフェの有無もチェックしておくと安心です。
ワーケーションにおすすめの場所5選

最後に、ワーケーションに行くのにおすすめの場所を紹介します。
ぜひ、実際にワーケーションをしてみる際には参考にしてみてくださいね。
初心者なら近場の温泉地!
いきなり長期のワーケーションは無理かも…という方だったら、近場から始めて見るのはどうでしょうか?
日中は仕事をしつつ休憩時間に温泉でリフレッシュ、夜は旅館の食事や地元の居酒屋で過ごすなど、近場でも十分楽しめます。
リフレッシュしたいなら海沿いのホテル!
リフレッシュしたい!でも仕事もしなきゃ!という方には、海の近くがおすすめです。
ちょっと疲れたら部屋を出て、海を眺めたり、波の音を聞いたり。
よりフレッシュな頭で仕事をすることができます。
流行のグランピングでおしゃれに!
環境整備され、ワーケーションも可能なグランピング施設が増えています。
おしゃれな雰囲気の中で仕事をすれば、いつもよりいいアイデアも生まれるかも。
ノートパソコン越しでおしゃれなテントの写真を撮れば、SNS上でも映えそうです。
非日常を求めるなら離島!
いっそのこと、離島で過ごすというのもおすすめです。
最近では、伊豆大島などでロングステイしつつワーケーションできるプランも出てきました。
日常とかけ離れた場所で得られた刺激は、仕事にもいい影響を与えてくれるかも。
離島は場所によってはアクセスに時間がかかってしまうものですが、ワーケーションのメリットを上手に活かせば普段行けない場所に行くチャンスです。
ラグジュアリーなホテルで贅沢に!
リゾート地だけではなく、東京都内などのラグジュアリーホテルでもワーケーションのプランが続々登場しています。
いつも頑張っている自分へのご褒美に、贅沢なホテルステイをしながらのワーケーションをするのも素敵!
バルコニーからの夜景、美味しいレストラングルメにルームサービスのシャンパン…仕事の後には夢のような時間が待っています。
【監修】
福田大翼/フリーランスのエンジニア
エンジニアとして働いたり、ギターを弾いたり、QOL向上の研究をしたりして生きています。ワーケーションの経験も多数。
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じゃらん編集部
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