こんにちは。写真の撮り方やフォトスポットを紹介するWebメディア「Photoli」編集長の横尾 涼です。
旅行先の思い出を綺麗に残せる一眼カメラですが、イマイチ使いこなせていないと感じることはありませんか?
以前書いた記事「オートモードから卒業!一眼レフの基本設定。まずは3つの要素をおさえてカメラを使いこなそう」では、一眼カメラをマスターするのに必要な用語を解説しました。
記事の最後では一眼カメラに搭載されている撮影モードについても簡単に触れましたが、今回はその続きです。オートモードの次にぜひ使っていただきたい撮影モード「A(Av)モード」をご紹介します。
一瞬一瞬が大切な旅での時間。A(Av)モードを使いこなして旅のひとときを鮮明に写真で残していきましょう。それではさっそく!
F値を操れる「A(Av)モード」がおすすめな理由

一眼カメラに搭載されている代表的な撮影モードは、大きく分類して4種類。
ISO感度・F値・シャッタースピードなどの値をカメラが自動で設定してくれる「オートモード」、F値を自分で決められる「A(Av)モード」、シャッタースピードを自分で決められる「S(Tv)モード」、すべての値を自分で決める「Mモード」です。

一眼カメラでの撮影に慣れていない場合、ひとまずオートモードを使って撮影する場合が多いと思います。
オートモードには、シャッターを押すだけで簡単に一定の明るさで写真が撮れるという利点があります。ただ、一方でボケ感を際立たせたり、動きの早いものを撮りたいなどの場合には対応ができません。
では、すべての要素を自分で決められるMモードが一番使いやすいのかというと、残念ながらそうではありません。
Mモードの場合、設定に手こずって撮りたい一瞬を逃してしまったり、始めは調整に慣れず写真を楽しめなかったりと、マニュアルらしい壁があるのも事実だからです。
そんなときに活躍してくれるのが、F値を自分で決められる「A(Av)モード」や、シャッタースピードを自分で決められる「Sモード」。なかでもF値を自由に操りながらも明るさを一定に保ってくれる「A(Av)モード」はとってもおすすめなんです。
憧れのボケ写真もAモードならお手のもの
先ほどF値を自由に操れるAモードがおすすめと書きましたが、F値を変化させると写真がどのように変わるのか。実際に写真を見ながら違いを感じていただけたらと思います。

F値の値のみを変化させたのがこの写真です。数値が小さければ小さいほどピントの当たる距離が浅くなり、背景が大きくボケています。数値を大きくすると、ボケが小さくなるので背景までくっきりとピントの当たった写真が撮れます。
旅先ではごはんを撮ったり、家族や友人を撮ったり、風景を撮ったりと、さまざまなシーンや被写体を撮る瞬間がありますよね。
そんなとき、被写体を際立たせた写真を撮りたいときにはF値を小さくしたり、景色全体を撮りたいときはF値を大きくするなどの調整ができるとググッと写真の幅や楽しみ方が広がります。
そして、A(Av)モードはボケをコントロールしながらも写真の明るさを一定に保てるようカメラがサポートしてくれる機能なのです。便利!
実際撮影した旅先写真から好みのF値を見つけてみよう
いろいろ言葉で説明してきましたが、実際に写真を見ながらF値の変化を感じていただくほうがきっとわかりやすいはず。ということで、ここからはF値を変えて撮影したおでかけ中の写真をご紹介します。
まずは、同じ被写体を異なるF値で撮影しました。背景のボケ具合に着目しながらご覧ください。
(※ちなみに、ボケの量が変わるのは、同じ焦点距離のレンズかつ被写体までの距離を同じくして撮影した場合です。レンズや被写体までの距離感が変わるとボケの量は変わるので今回ご紹介する写真は変化の参考としてご覧いただけたら嬉しいです。)





【F1.4~F2.8】一眼カメラらしいボケ感を活かす
続いてさまざまなシーンで撮影した写真をF値別でまとめてみました。F値を小さくすると背景がしっかりとボケるので、一眼カメラらしさを感じる写真が撮れますね。
F値が小さければ小さいほどボケは大きくなりますが、実は解像度が少し落ちるため注意が必要。レンズに記載の最小F値(開放値)よりも、一段階大きな数値で設定するくらいがおすすめです。






【F4~F6.4】迷ったらこれ! 初心者におすすめなF値。
風景、カフェ、人物などどんな被写体もバランスよく写せるのがF4~6.4。F値をどのくらいに設定するべきなのか迷った場合は、まずF4~6.4から試してみて、感覚を掴んでいくのが良いかもしれません。






【F7.1~F13】くっきりとした写真を撮りたいならこのF値
F値を大きくすると手前も奥もしっかりと写せるので、風景などのボケを必要としないシーンでの撮影におすすめです。一般に、レンズ性能を最も活かせる(=画質が良い)とされているF値の範囲もこの値なので、高画質な写真を撮りたいときにも重宝します。






まとめ

旅先で心ゆくまで写真を撮って、カフェで一息つきながら撮影した写真を見返すのが僕の至福の時間です。カメラ片手に巡る旅、良いですよね。
今回は、一眼カメラにおすすめのA(Av)モードやF値によって撮れる写真の違いなどをご紹介しました。使いこなすのが難しいと感じてしまいがちなカメラとも、これで少しずつ仲良くなれるはずです。
撮影モードや設定をマスターしたらあとはふらりと旅に出かけて心のままに写真を撮るのみ。ぜひ一緒に充実した旅の時間を過ごしましょう。それではまた!
横尾涼
写真の楽しみ方や撮影のコツを紹介するメディアPhotoliの編集長です。自身もフォトグラファーとして活動し、風景写真や人物写真を撮影しています。写真と旅とおいしいご飯が好きです。[Photoli]https://photoli.jp/