ZIGZAGブルワリー「ベルジャンブロンド」【兵庫】
穏やかだけど複雑、スイーツの味わいを生かす

ZIGZAGブルワリーは2012年設立で、2022年で10周年。非常に小規模ながら、伝統的なビアスタイルを雑味なく仕上げるのに秀でていて、これからいろいろなスタイルを飲んでみたい人に向いているブルワリーと言えます。
このベルジャンブロンドは、名前の通り金色できれいに透き通っています。香りは花やハチミツなど、いくつかの要素が複雑に混ざっていつつ、全体的には穏やかな印象。甘味ははっきり感じますがすぐに消え、後味は非常にさっぱり。スイーツと合わせると、味わいの特徴を消さずに楽しめます。
六甲ビール「セゾン」【兵庫】
自宅で熟成をきかせて違いを味わおう

六甲ビールは1997年に六甲山の北麓に誕生したブランドで、近年事業が拡大して、2019年から第二工場での製造もしています。こちらのセゾンは非加熱・無濾過製法で常温保管が可能。しかも常温で保管することにより自宅でも熟成を進められます。
そのまま飲むと、苦味がしっかり感じられ、複数の香辛料が混じり合ったような香りがします。さらにグレープフルーツの皮のような味わいも。熟成をきかせると苦味が和らぎ、白ワインやマスカット、ライチのような香りが楽しめます。
ボイジャーブルーイング「コパー」【和歌山】
香ばしさとオレンジの香りが融合した新しい価値

2016年から発売を始めているボイジャーブルーイング。この「コパー」は名前の通り銅色のビールで、見た目の通り、麦芽由来のトーストのような香ばしさと、穏やかな甘味が楽しめます。ホップからはオレンジなど柑橘類の香りがもたらされ、それが香ばしさと相まって、マーマレードのような味わいになっています。
さらに、後を引くほろ苦さが印象的で、「ビールと言えば苦味」と思う人にはぜひ飲んでいただきたい。
KAMIYAMA BEER「WOODLANDER」【徳島】
「濃厚」と「さっぱり」が同居する不思議なバランス

オランダから来日したブルワーが2018年に徳島県神山町に設立したブルワリー。徳島駅からバスで1時間ほどかかりますが、訪ねて飲みに行く価値はあります。
アルコール度数が8.5%あって濃厚だと思いきや、後味はさっぱりもしていて、一見相反する特徴が同居。香り付けに梅の古木のローストチップが使われていて、木の香ばしさがもたらされています。フルーティーな香りとチョコレートやコーヒーの味わいが、バランスよく混じり合っています。
MIROC BEER「旋風」【香川】
うどん玉を使った「うどんIPA」は華やかな仕上がり

MIROC(ミロク)BEERの名前の由来はMicro(小規模)のもじりであり、また、小規模であることをミリョク(魅力)に替えるという意味も込められています。さらに弥勒菩薩の力がビールにもあると信じてMIROCにしたとも言います。
この旋風は「うどんIPA」という副題が付いていて、うどん玉を使用。廃棄用ではなく、食べる用のうどんです。ノルウェー産のKVIEKという酵母を使用し、うどんのイメージとは違って、非常にさっぱりとした軽い飲み口でありつつも、華やかな香りがいっぱいに広がる仕上がりになっています。
TOSACO「かやの森ヘイジーエール」【高知】
流行スタイルを木の香りでひねる

TOSACOは、2018年に高知で誕生したビールブランド。すべての銘柄にまろやかさが共通していて独特です。この「かやの森ヘイジーエール」は、流行のヘイジー(濁った)スタイルでありつつ、地元産のカヤ(榧)という木の実を使って、ヒノキにやや似た上品で爽やかな香りを特徴としています。カヤは碁盤やまな板に使われる高品質の木材です。
この銘柄もまろやかで、苦味はあまり感じられません。三つ葉や大葉など香り高い植物と合わせると、お互いの特徴が高まり合います。
のまんば「ピルスナー」【佐賀】
麦芽とホップがチェコらしさいっぱい

「のまんば」は佐賀県有田町の宗政酒造によるビールブランド。「APA(アメリカンペールエール)」、「IPA(インディアペールエール)」、そしてこの「ピルスナー」を製造しています。
香りには、穏やかなバター香と、軽く炒った麦芽、メロンやキュウリのような爽やかで青々しいホップがあって、ボヘミア(チェコ西部)のピルスナーらしさにあふれています。麦芽はすべてビール用大麦の主要産地である地元・佐賀県産を使用しています。
チャタンハーバーブルワリー「ヴァイツェン」【沖縄】
時代を先取る4%の香り高さと爽やかさ

チャタンハーバーブルワリーは沖縄県北谷(ちゃたん)町で2015年に生まれました。定番銘柄は「ラガー」「ペールエール」「IPA」「スタウト」「ゴールデンウィート」、そしてこの「ヴァイツェン」。アルコール度数がやや低めの4%らしくさっぱりしていて、ヴァイツェンらしいクローヴ(チョウジ)のような香りが際立ちます。
この香り高さは液の中にとどめておくとむせるほどになるので、グラスによく泡立てて注ぐといいでしょう。 甘味は控えめで酸味の方が強いほどで、それが爽やかさを強めています。
●ライタープロフィール●
長谷川小二郎
執筆、編集、英日翻訳。米国WBC、GABF、オーストラリアAIBA、ドイツEBS、日本IBCなど、世界で上位の国際的ビール審査会で審査員。CBA「ビアコーディネイターセミナー」、JBPA「ベルギービールKAISEKI(会席)アドバイザー認定講座」講師。書籍は、共著・訳『今飲むべき最高のクラフトビール100』、最新作に訳『ミッケラーの「ビールのほん」』など。
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じゃらん編集部
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