訪れた温泉は約500、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』という書籍も出版されている温泉オタクの永井千晴(ながち)さん。
この記事では永井さんがこれまでに訪れた温泉の中から、様々なおすすめスポットを紹介してもらいます。毎月、交通アクセスや泉質などの切り口で温泉情報をお伝えしますので、いつか行きたいスポットとしてぜひチェックしてみてください。
※この記事は2021年12月18日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
東京からさくっと、「雪見温泉」に行ってみたいけれど
標高1800m、日本最高級の濃厚硫黄泉「万座温泉」へ
「温泉粥」でお腹の中からもぽかぽかになれる「白骨温泉」へ
意外と東京から近い福島。静寂の中で浸かる源泉かけ流し「高湯温泉」へ
まだまだある、雪見が叶う温泉地
東京からさくっと、「雪見温泉」に行ってみたいけれど
そろそろ冬本番。雪がしんしんと降り積もる中、湯気立つ温泉でじゅわっと体を温める――あこがれの「雪見温泉」に行きたくなる季節です。

なんとも旅情あふれる理想的なワンシーンですが、じつは実現ハードルがかなり高め。
雪見温泉に立ちはだかるのは、こんなハードルがあるのです。
1:交通アクセス
2:確実な積雪
3:雪道の散策
なんといっても雪が降るような場所は、交通アクセスが大変(1)。雪道に慣れていないドライバーが運転するのは危険ですから、電車やバスで行ける温泉地に限りますよね。
そして、確実に雪が積もっていないと、テンションが上がらない(2)。暖冬の多い昨今、行ってみたら「あれ、意外と積もってなかった」…なんてこともしばしば。さらに、雪道を歩き回るのは大変なので、散策が楽しい温泉地も避けたほうがよさそう(3)。もちろん体力的にも装備的にも、雪道の散策が問題なければいいのですが…。
今回ご紹介したいのは、これらのハードルを乗り越えられる3つの温泉地。選定ポイントは、「送迎充実」な温泉地かどうか。新幹線や特急電車が停まる主要駅から送迎をしている宿が多いと、俄然行きやすくなります。
標高1800m、日本最高級の濃厚硫黄泉。「万座温泉」へ
群馬県と長野県の境目にある「万座温泉(まんざおんせん)」。雪質の評判も高い「万座温泉スキー場」が併設されている積雪エリアです。

万座温泉へのアクセスは、送迎または路線バスを利用するのがおすすめ。宿によって、北陸新幹線の軽井沢駅から専用のシャトルバスが出ています(要予約)。
プリンスホテルなどの大型ホテルが多く、ファミリーやグループ客で賑やかに楽しめます。設備も整っており、安定したおもてなしが用意されているので、温泉ビギナーも安心して過ごせる敷居の低さがポイント。
万座の温泉は青白く濁っており、硫黄の濃度は日本最高級。山に面した露天は開放的で、パートナーともゆっくり浸かれる混浴風呂を用意しているホテルも。「東京発、初めての雪見温泉旅行」にはうってつけと言えそうです。
「温泉粥」でお腹の中からもぽかぽかになれる、「白骨温泉」へ
長野県松本市にある「白骨温泉(しらほねおんせん)」は、山奥のひっそりとした温泉地。「3日入れば、3年風邪をひかない」とも言われており、古くから湯治場として親しまれてきました。

白骨温泉へは、JR松本駅から送迎プランのある宿を選ぶのが楽々。直通の路線バスも活用できます。
しっぽり温泉に浸かって静かに過ごすのが白骨の滞在スタイル。温泉地には宿が点在するのみで、静かな山奥での湯浴みを堪能できます。混浴風呂を設える宿もあり、パートナーとゆっくり訪れるのも良さそう。ひとり旅にももちろんおすすめです。
また、白骨名物の「温泉粥」もぜひ食べたいところ。味わいまろやかで胃腸に優しい粥をいただけば、お腹の中からも体を温められそうです。
意外と東京から近い福島。静寂の中で浸かる源泉かけ流し「高湯温泉」へ
福島県福島市の「高湯温泉(たかゆおんせん)」も、東京から行きやすい雪見温泉地のひとつ。福島を遠くに感じる方もいると思いますが、東京駅から福島駅へは1時間30分ほど。先述した万座温泉は東京駅―軽井沢駅で約1時間、白骨温泉は新宿駅―松本駅で約2時間30分なので、長野方面へかかる時間と大差ありません。

高湯温泉へは、福島駅からの宿の送迎プランか、直通の路線バスを使いましょう。
「一切の鳴り物を禁ず」というしきたりを守り続けている高湯には、温泉地によくある歓楽施設がひとつもありません。訪れてみると、本当にその静けさに息を呑みます。
また、高湯の温泉施設はすべて源泉からかけ流しなので、温泉マニアも喜ぶこと間違いなし。
白く濁った温泉は新鮮そのもので、芳醇な硫黄のにおいに癒やされます。夜は福島の地酒で乾杯しましょう。大人のプチ湯治におすすめな温泉地と言えそうです。
まだまだある、雪見が叶う温泉地
今回は東京近郊からアクセスしやすい雪見温泉地を紹介しましたが、少し足を伸ばせば、もっと選択肢が広がります。
例えば東北であれば、山形駅からの送迎バスで蔵王温泉(山形)、新幹線とバスを駆使して乳頭温泉郷(秋田)。北海道なら積雪状況を確認しながら、札幌・新千歳からバスで行ける定山渓温泉、登別温泉、ニセコ温泉郷、洞爺湖温泉あたりがよさそうです。

ちなみに、草津温泉(群馬)や越後湯沢温泉(新潟)も東京から行きやすい温泉地ですが、タイミングと場所によって雪がちゃんと積もっていないときも。積雪状況を確認して訪れるのが◎です。
雪見温泉がかなうエリアには、ゲレンデが併設されていることもしばしば。時期によっては温泉地がスキー・スノボ客の利用が増え、ゆっくりできなくなってしまう可能性もあるので、混雑状況を事前に確認しておいたほうがいいかもしれません。
もちろん、ゲレンデで遊んでから温泉に浸かりたい!というアクティブな方にも、上記で紹介していた温泉地はおすすめ。それぞれの特徴を比較しながら、ぴったりな旅行先を見つけてくださいね。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、感染拡大防止に充分ご配慮いただくようお願いいたします。
※宿泊する場合、各自治体が独自に実施している宿泊税が別途かかることがあります。詳細は各宿泊施設にお問合せください。
永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi