土湯温泉、飯坂温泉、高湯温泉など、福島県には名湯がいっぱい。県内にまんべんなく温泉がありますが、会津若松や福島など、観光地の拠点になりそうな温泉が多いのも嬉しいですね。
この記事ではそんな福島県で日帰り利用できる(日帰りで楽しめる)おすすめ温泉をお伝えします。
福島の温泉MAP

福島県は屈指の“温泉大県”です。源泉数は800カ所あって、全国8位。温泉地数だと合計132カ所もあり、全国4位です(環境省「令和2年度温泉利用状況」より)。
活火山である吾妻山・安達太良山・磐梯山の周辺は、特に温泉が豊富。これらの名山が福島市と会津若松市という市街地の近くにあるので、人々の暮らしのそばにいつも温泉があり、豊かな湯治文化が息づいています。
そんな名湯の多い福島県の日帰り温泉情報をお伝えします!
土湯温泉

「土湯温泉」は、福島の城下町から会津若松へ向かう、かつての街道沿いに位置する温泉地です。きれいな水質を誇る荒川の上流部に温泉街が広がっています。
もう少し山側の、野地(のじ)、新野地、赤湯、鷲倉(わしくら)、幕川(まくかわ)の各温泉を含めて“土屋温泉郷”とも呼ばれます。
硫黄泉やアルミニウム硫酸塩泉など、約10種もの泉質が楽しめます。透明でさっぱりした湯から濁り湯までバラエティ豊か。
古くからの公衆浴場があり、日帰り入浴が可能な旅館も多くあります。土湯温泉観光案内所などでは、いろんな施設で使えて、1割引で入浴できる「日帰り入浴券」(https://www.tcy.jp/hotspa/)を販売しているので、利用するのもおすすめです。
中之湯【福島市】
土湯の立ち寄り湯といえばここ。シンボル的な共同湯

土湯温泉の昔からの共同浴場です。2018(平成30)年にリニューアルオープンし、エレベーターやスロープなどを備えた、バリアフリーに配慮した設計になっています。
女湯・男湯ともほぼ同じ造りで、内湯、露天風呂を備え、単純泉と炭酸水素塩泉の2種類の泉質が楽しめるようになっています。
3つの貸切風呂や、ロビー、和室休憩所もあって便利。土湯温泉の中心的存在と言える共同浴場です。
福島県福島市土湯温泉町下ノ町5
9時~21時
火
入浴料 大人500円、1歳~12歳未満250円、貸切風呂50分1500円(約3名まで)
【車】東北道福島松川スマートICより約20分、福島西ICより約15分
あり(無料)
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ニュー扇屋【福島市】
100%源泉かけ流しが楽しめる温泉旅館

土湯温泉街のほぼ中央に位置する、老舗の温泉旅館です。
敷地内から湧き出る自家源泉(炭酸水素塩泉)と、土湯温泉の共同源泉(単純泉)の混合泉を使用。加水なし、加温なし、循環ろ過なしの100%かけ流しが楽しめます。

自家源泉の炭酸水素塩泉はメタケイ酸という保湿成分が豊富で、体が芯から温まり、湯上がり後はお肌がしっとりすると評判です。
福島県福島市土湯温泉町字下の町18
【日帰り入浴】14時~17時30分(最終受付17時)※変動や休みの場合あり。土湯温泉観光協会の「本日の日帰り」を要確認
不定
【日帰り入浴】大人800円、小学生600円、2歳~未就学児400円
【車】東北道福島西ICより約15分
あり(無料)
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御とめ湯り【福島市】
カジュアルで和モダンな、土湯の日帰り温泉

「御とめ湯り」は土湯温泉に群生する貴重なユリ、オトメユリにちなんで名づけられた日帰り温泉施設です。
原則会員制で、会員カードは即日発行。ロッカーキー付き精算バンドをもらって、最後に精算するシステムになっています。

泉質は「美肌の湯」と評判の、湯あたりのさっぱりしたアルカリ性単純泉。内湯と露天風呂があり、露天風呂からは土湯温泉の街並みが展望できます。

貸切浴室も1室あり、大切な人と水入らずの時間が過ごせます(1時間2500円+入館料)。湯上がりには「休みどころ」で好きな本を読んだり、「飯どころ」でカジュアルな和の料理も楽しめます。
福島県福島市土湯温泉町見附32-1
10時~21時(最終受付20時30分)※16歳未満で18時以降の利用は要保護者同伴
無休(メンテナンスのため休館の場合あり)
【入館・入浴料】中学生以上850円、小学生500円、非会員1250円 ※会員登録は入会金・年会費等無料
【電車】JR福島駅より路線バス「土湯温泉見附」バス停より徒歩3分【車】東北道福島松川スマートICより約20分、福島西ICより約15分
あり(無料)
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小滝温泉【福島市】
渓谷のせせらぎを感じる、山峡の露天風呂

「小滝温泉」は、土湯温泉街の中でも上流側に位置する温泉旅館です。目の前を荒川の渓流が流れ、まさに山峡の湯宿といった雰囲気。
湯量豊富に湧き続ける自家源泉を持ち、宿泊者は24時間入浴可能。日帰り入浴も利用できます(休みの日あり)。

女湯・男湯ともに露天風呂と内湯があり、露天風呂からは周囲の豊かな緑と、そばを流れる小さな滝のせせらぎが感じられます。
福島県福島市土湯温泉町下隠台8
【日帰り入浴】12時~17時 ※変動や休みの場合あり。土湯温泉観光協会の「本日の日帰り」を要確認
不定
【日帰り入浴】大人700円、小学生500円、未就学児350円
【車】東北道福島西ICより約25分
あり(無料)
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野地温泉ホテル【福島市】
標高1200mに湧く、雲上の露天風呂

「野地温泉ホテル」は、土湯温泉街から磐梯吾妻スカイライン方面へグッと山道を上ったところに位置する温泉旅館。標高は約1200mもあり、まさに“雲上のいで湯”です。

敷地内から湧き出す自家源泉は単純硫黄泉(硫化水素型)で、肌ざわりも優しい乳白色の濁り湯です。日の光に照らされた露天風呂は神秘的な美しさ。
野趣あふれる露天風呂「鬼面の湯」、内湯と露天風呂が一つの湯船になっている「天狗の湯」、湯温が違う3つの湯船がある檜風呂「千壽の湯」など、趣きの異なる6つの湯殿が体験できる、まさに秘湯宿です。
福島県福島市土湯温泉町字鷲倉山1-2
【日帰り入浴】10時40分~受付終了13時(館内利用14時まで)※変動や休みの場合あり。土湯温泉観光協会の「本日の日帰り」を要確認
土日祝
【日帰り入浴】大人800円、4歳~小学生400円
【車】東北道福島西ICより約40分、磐越道猪苗代磐梯高原ICより約40分
あり(無料)
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飯坂(いいざか)温泉

「飯坂温泉」は福島市の北の郊外に位置する温泉地です。阿武隈川の支流・摺上川(すりかみがわ)の川沿いの丘に、大小さまざまな温泉旅館が建ち並ぶ、東北屈指の温泉街です。
歴史は古く、2世紀ごろから利用されていたとの説も。アクセスも良く、JR福島駅から福島交通飯坂線に乗り換えて約25分で飯坂温泉駅に到着です。共同湯が9つあり、どこも44~45℃ぐらいという熱めの湯なのが特徴。共同湯のひとつ「鯖湖(さばこ)湯」は松尾芭蕉も立ち寄ったとされる湯です。
多くの温泉旅館が日帰り入浴を受け付けています。利用できる旅館や時間などは、飯坂温泉観光協会の日帰り温泉情報を見るのが便利です。
ここではいくつかの共同湯と、温泉旅館の日帰り入浴情報をピックアップしてご紹介します。
鯖湖湯(さばこゆ)【福島市】
飯坂でもっとも古い歴史を持つ共同浴場

1689(元禄2)年5月に松尾芭蕉が立ち寄った共同浴場。「飯坂温泉」の立ち寄り湯では真っ先に名が挙がるスポットです。

1993(平成5)年、古い木造建築を改築し、明治時代の湯屋を再現した現在の建物に。ヒバの香りが漂い、浴槽には御影石が使われています。
他の共同浴場と同じく約44℃と熱めの湯ですが、地元の方たちはへっちゃら!シャンプーや石けんはないので持参するといいでしょう。
福島県福島市飯坂町字湯沢32
6時~22時(最終入館21時40分)
月(祝日の場合営業)
12歳以上200円、1歳~11歳100円
【電車】福島交通飯坂温泉駅より徒歩5分【車】東北道福島飯坂ICより約10分
周辺の「旧飯坂支所駐車場」等を利用(一部有料)
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波来湯(はこゆ)【福島市】
あつ湯・ぬる湯があり観光客も利用しやすい共同浴場

「波来湯」も約1200年の歴史がある、古くからの共同浴場です。飯坂温泉駅から徒歩1分の位置にあり、観光客と合わせて利用しやすいスポットです。
2011(平成23)年に改築され、太鼓やぐらのある堂々とした姿になりました。浴室は地下1階の川沿いにあります。
ここの特徴は、約44~45℃の「熱い湯」の他に、約41~42℃の「温(ぬる)い湯」という浴槽も用意されていること。それでも十分熱いかも!?
波来湯もシャンプーや石けんはないので、必要な人は持参してくださいね。
福島県福島市飯坂町字十綱町30
6時~22時(最終入館21時40分)
火(祝日の場合営業)
12歳以上300円、1歳~11歳150円
【電車】福島交通飯坂温泉駅より徒歩1分【車】東北道福島飯坂ICより約10分
あり(無料)※4台のみのためできるだけ公共交通機関、または周辺の「旧飯坂支所駐車場」を利用
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飯坂ホテルジュラク 花ももの湯【福島市】
3つの源泉を贅沢に引いた露天風呂群が自慢!

「飯坂ホテルジュラク」は、摺上川沿いにある温泉旅館です。ここには多彩な内湯と庭園に点在する露天風呂群「花ももの湯」があり、日帰り入浴もできます。
花ももの湯は「延寿」「花月」「坐忘」という3つの源泉を引いていて、立ったまま入る「立ち見の湯」など、それぞれ趣の異なる露天風呂が楽しめます。
内湯も、あつ湯・ぬる湯・ほどよい湯など、湯温の異なるいくつもの浴槽が用意されています。1カ所で湯めぐりが体験できる施設です。
福島県福島市飯坂町西滝ノ町27
【日帰り入浴】10時~22時(最終入館21時)
年5回程度メンテナンス休館あり
【日帰り入浴】中学生以上1380円、小学生700円、3歳~未就学児500円
【電車】福島交通飯坂温泉駅より徒歩8分【車】東北道福島飯坂ICより約10分
あり(無料)
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高湯温泉

「高湯温泉」は福島市の市街地から、吾妻小富士や浄土平に向けてグッと標高を上げていく磐梯吾妻スカイラインの途中にある温泉地です。標高は約750m。
ここは温泉地を挙げて「源泉かけ流し宣言」をしています。6軒の温泉宿と1軒の共同浴場がありますが、9つの泉源から湧き出る毎分2956L、42.8~50.5℃の源泉を、すべての施設で加温、加水、循環一切なしの100%かけ流しで配湯しています。

自然のままなので湯温の調整などは大変。ご紹介する共同浴場「あったか湯」では、湯樋(ゆどい)、落枡(おちます)、分湯箱などを駆使し、源泉との高低差を利用しつつ源泉から湯を引いています。
まさに「ありのままの本物の温泉」という言葉がふさわしい、こだわりの温泉地です。
高湯温泉共同浴場 あったか湯【福島市】
お湯が新鮮すぎるため、露天風呂限定!

「高湯温泉」の中心部にある共同浴場です。昔の湯屋をイメージした建物で、観光協会も一緒に入っています。浴槽は階段を少し降りた川沿いの斜面にあります。
ここには少し屋根のかかった露天風呂しかなく、内湯はありません。なぜかというと、お湯が新鮮すぎるから。
高湯の源泉には硫化水素ガスが含まれていて、60mしか離れていない源泉からそのまま引き湯をしてかけ流しているため、ガスが貯まらないように常に開け放っておく必要があるのだとか。お湯の新鮮さと濃さが伝わってきます。
福島県福島市町庭坂字高湯25
9時~21時(最終入館20時30分)
木(祝日の場合翌日休)
中学生以上250円、1歳~小学生120円、貸切風呂50分1000円+入浴料
【電車】JR福島駅西口より高湯温泉行きバスで「高湯」下車すぐ【車】東北道福島西ICより30分、福島飯坂ICより30分
あり(無料)
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旅館玉子湯【福島市】
150年の歴史を感じさせる湯小屋のある旅館

「旅館玉子湯」は高湯温泉の入り口に位置する、歴史ある温泉旅館です。ここには高湯温泉の源泉のうちの二つ、「高湯5番玉子湯外湯」「高湯10番玉子湯外湯」があり、そのまま宿名と、湯小屋「玉子湯」の名前の由来になっています。

川にかかる小さな橋を渡って、1868(明治元)年に建てられたというかや葺きの湯小屋へ。中は脱衣場と湯船が同じ部屋にあるという昔ながらの造りで、昔の湯治の雰囲気がしのばれます。
これ以外にも、露天風呂「天渓の湯」、女性専用露天風呂「瀬音」など全7種のお風呂があり、贅沢なひとときが過ごせます。
福島県福島市町庭坂字高湯7
【日帰り入浴】11時~14時(最終受付13時)
【4月~11月】水【12月~3月】月・金
【日帰り入浴】大人1000円、3歳~小学生600円
【電車】JR福島駅西口より高湯温泉行きバスで「玉子湯」下車すぐ【車】東北道福島西ICより30分、福島飯坂ICより30分
あり(無料)
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東山温泉
「東山温泉」は、会津盆地の東に位置する温泉地です。かつての会津藩の湯治湯で、湯川の渓谷沿いに落ち着いた風情の温泉街が続きます。

会津若松市中心部から約3.5kmと市街地に近く、アクセスは良好。観光名所の多い会津の宿泊地としても利用されていて、温泉地手前には名所「会津武家屋敷」もあります。
泉質は硫酸塩泉で、サラッとした湯あたりが特徴。日帰り専用の共同浴場はありませんが、10軒ほどの旅館にて日帰り入浴が可能です。利用できる施設は、会津東山温泉観光協会サイト(https://www.aizu-higashiyama.com/higaeri.html)で確認できます。
ここでは、いくつかのおすすめ温泉をご紹介します。宿泊の状況等により、利用時間が変更となる場合がありますので、事前にご確認ください。
原瀧(はらたき)【会津若松市】
川底からこんこんと湧き出る自家源泉の湯宿

湯川の清流沿いに上流へ向かっていくと、渓谷のすぐそばに森の緑に囲まれて建つ旅館が見えてきます。ここ「原瀧」は、自家源泉を持つ温泉宿です。

湯量は毎分約550Lと、他の旅館にも分湯するほど豊富。露天風呂からは、宿名の由来になった滝・原滝を眺めることができます。
福島県会津若松市東山湯本235
【日帰り入浴】13時~20時 ※事前に電話で確認を
不定
【日帰り入浴】大人1100円、3歳~小学生550円
【車】磐越道会津若松ICより約20分
日帰り入浴用駐車場あり(無料)
「原瀧」の詳細はこちら
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大江戸温泉物語 東山グランドホテル【会津若松市】
森の緑を見渡す展望露天風呂

東山温泉の中でもっとも上流側に位置する温泉旅館です。「湯の入り湖」と名付けられた東山ダムに向かっていくと、森を背にたたずむ白い建物が見えてくるはず。

お風呂は露天風呂と、窓が大きく取られた内湯があり、どちらも眺めが良く、展望風呂といった雰囲気。緑濃い周囲の山々を見渡せます。
自家源泉を持っていて、泉質はカルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉。さっぱりとした肌触りの湯です。
福島県会津若松市東山町湯本上湯本5
【日帰り入浴】15時~18時(最終入場17時30分)※混雑状況により変更の場合あり
不定 ※状況により休止の場合あり
【日帰り入浴】大人平日750円、土日祝1050円 小学生平日350円、土日祝450円
【車】磐越道会津若松ICより約20分
あり(無料)
「大江戸温泉物語 東山グランドホテル」の詳細はこちら
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※この記事は2022年6月30日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
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旬な話題を求めて、いろいろな場所を取材・撮影する調査員。分厚い牛乳瓶メガネに隠したキュートな眼差しでネタをゲッチュー。得意技は自転車をかついで階段を登ること。ただしメガネのせいでよく転びます。