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2023.03.14

【京都】大徳寺の見どころを紹介!大仙院や黄梅院など方丈庭園や周辺観光スポットも

京都有数の大規模な禅宗寺院である「大徳寺」。20を超える塔頭(たっちゅう)があり、その中には歴史的価値の高い国宝の方丈や庭園、重要文化財のお寺や建物が数多くあります。

通常非公開の塔頭も多いですが、今回は、通常でも訪れることができる塔頭をはじめ、大徳寺の魅力やおすすめの周辺スポットをご紹介します。

大徳寺とは

(画像提供:photoAC)
大徳寺の三門(画像提供:photoAC)

京都市北区にある臨済宗大徳寺派の大本山である「大徳寺(だいとくじ)」。1315年に創立され、20を超える塔頭が立ち並ぶ京都でも有数の規模を誇る禅宗寺院で、歴史的価値の高い国宝や重要文化財の建物、寺宝が数多くあります。
※塔頭とは大寺の境内にある小寺のこと

大徳寺は『一休さん』のモデルにもなった一休宗純(いっきゅうそうじゅん)はじめ、数々の名僧を輩出した寺院。さらに千利休など茶の湯の歴史と深い縁があるため、重要文化財に指定された茶室も多く残されています。

境内は自由に散策できますが、常時拝観可能な塔頭は、龍源院・瑞峯院・大仙院・高桐院の4院。一般非公開となっている多くの塔頭や本坊は例年、紅葉の季節に特別公開され、貴重な美術品や建造物を鑑賞できます。

大徳寺へのアクセス

大徳寺へ公共交通機関を使って行く場合の最寄り駅は、京都市営地下鉄烏丸線「北大路駅」です。駅からは徒歩で約25分なので、バスかタクシーがおすすめ。バスの場合は、京都市営バス206号系統で約5分乗り、「大徳寺前」停留所で下車し、徒歩約6分です。

また、京都駅からは、京都市営バス205系統、206系統、101号系統に乗車すれば「大徳寺前」停留所へ行くことができます。京都駅からは約35~40分です。


ここからは、大徳寺の見どころをご紹介します

龍源院

枯山水の情緒ある姿など5つの庭園の魅力に触れよう

方丈の南側で「一枝坦(いっしだん)」と呼ばれる石庭

龍源院(りょうげんいん)は、大徳寺の中で最も古い塔頭寺院の一つで、室町時代の創建当時のままの姿を残す禅宗方丈建築の本堂、唐門、表門は重要文化財に指定されています。龍源院のメインの見どころはそれぞれ異なった趣の5つの禅宗庭園!

特に有名なのが、方丈南庭「一枝坦」。白砂の中心に楕円形の苔島を配した枯山水の庭は、シンプルな美しさ。

静かに鑑賞していると時間が止まっているかのような感覚になります。こちらと室町時代に作庭されたといわれる方丈北庭「龍吟庭」に豊かな苔が効果的に使われている事から“洛北の苔寺”とも呼ばれています。

※方丈とは、僧侶の住居と瞑想の練習場

高桐院

地面を埋め尽くす散りもみじの絶景は必見

新緑が美しい参道

竹林のある片隅にひっそりとたたずむ高桐院(こうとういん)は、戦国時代の名将・細川忠興(ほそかわただおき)と妻である細川ガラシャが眠る場所。門をくぐれば竹の手すりがある両脇が、綺麗な苔で覆われた長い参道があり、その美しさに心が洗われます。

庭園の紅葉
庭園の紅葉

秋は、苔と紅葉のコントラストが美しい庭を楽しめます。晩秋の苔とまじりあう散った真っ赤な絨毯は絶景!

また、初夏には緑がまぶしい苔と青もみじの生き生きとした庭園を見ることができ、紅葉シーズンより比較的落ち着いて鑑賞できるのでおすすめです。

大仙院

史跡・特別名勝指定の枯山水に感動

大仙院石庭
南庭

大仙院の本堂は創建当時のもので、龍源院と並び、禅宗方丈建築の一つです。他にも、重要文化財に指定された書院や、相阿弥、狩野元信など当時の巨匠たちによって描かれた襖絵など多くの貴重な文化財を残しています。

また庭園は室町時代を代表する枯山水庭園として“庭の国宝”国の特別名勝に指定されています。本堂の北東側に無数の巨石と白砂がダイナミックな枯山水庭園の「書院庭園」、南西側に大海をあらわす本堂の「南庭」があります。

黄梅院

戦国大名と千利休にゆかりのある、春秋限定公開の寺院

黄梅院
前庭

黄梅院(おうばいいん)は、1562年、織田信長が父・信秀の追善菩提のために建立。秋は門を入ると緑鮮やかな苔と、赤・黄のグラデーションになった紅葉の美しい空間が広がります。

特に豊臣秀吉の希望で千利休が作庭した「直中庭(じきちゅうてい)」は苔と紅葉のコントラストが美しい庭です。紅葉はもちろん、4月下旬からは境内の鮮やかな青もみじも楽しめます。

通常は非公開ですが、春と秋に特別公開があり、禅宗寺院において現存最古の庫裡や、加藤清正が朝鮮出兵の際に持ち帰ったとされる釣鐘、また狩野永徳や長谷川等伯と並ぶ桃山時代の絵師、雲谷等顔の障壁画(複製)などを見ることができます。

瑞峯院

庭園とお抹茶を楽しめる

瑞峯院の表門

日本を代表する昭和の作庭家である重森三玲氏が手掛けた枯山水庭園のほか、国指定の重要文化財で、1535年に建立されたといわれている本堂・唐門・表門が見られます。また茶室でお抹茶がいただけるのが特徴です。※拝観料(400円)お抹茶代(400円)

「独座庭」

庭園は、荒々しい波を表現した白砂の立体感が印象的な南庭「独座庭(どくざてい)」、キリシタン(十字架)を隠れたモチーフとした北庭「閑眠庭(かんみんてい)」と個性の違う二つの庭を楽しめます。庭を鑑賞した後は茶室でお菓子とお抹茶をいただきながら、時が止まったような空間の中で歴史に思いをはせながらゆったり過ごせるのが魅力です。

■大徳寺
京都府京都市北区紫野大徳寺町53
[参拝時間]9時~16時30分
境内自由 ※塔頭の拝観料は別途要
あり/500円
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(画像提供:PIXTA)

大徳寺周辺のおすすめスポット

紫野 今宮神社

良縁祈願のパワースポット

(画像提供:photoAC)
大正に創建された楼門

大徳寺から徒歩15分ほどにあり健康長寿、良縁成就のご利益で知られる「今宮神社」。境内はとても広く、「本社」や「疫社」をはじめ、願いが叶うか持ち上げて占う奇石といわれる「阿保賢(あほかし)さん」や、技芸上達のご利益があるといわれる「機織社(おりひめしゃ)」など参拝スポットが数多くあります。

(画像提供:photoAC)
名物「あぶり餅」

さらに参道にある名物「あぶり餅」も、無病息災のご利益が得られるといわれる縁起物。東門から続く参道に2軒のあぶり餅屋があるのでぜひ立ち寄ってみてください。

■紫野 今宮神社
京都府京都市北区紫野今宮町21
[参拝時間]【境内】参拝自由【御祈祷・授与所】7時~16時30分
【電車】京都市営地下鉄北大路駅より徒歩約20分【車】名神高速道路京都東ICより約30分
あり(60分100円、以降30分100円)※年末年始12月31日~1月5日は60分500円
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(画像提供:photoAC)

賀茂別雷神社

京都最古神社の一つといわれる世界遺産

(画像提供:photoAC)
楼門

大徳寺から徒歩とバスで約30分で行ける賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)は“上賀茂神社”という名で親しまれ、広大な境内には2棟の国宝、41棟の重要文化財があり、世界遺産に認定されています。

(画像提供:photoAC)
社殿「細殿」前に円錐型に整えられた一対の盛り砂「立砂(たてずな)」

二の鳥居をくぐると見えてくる立砂は、清めの砂や盛り塩の起源ともいわれ、上賀茂神社は強力な厄除けや災難除け、必勝、開運などの御神徳があるとされています。世界遺産の歴史と造形美にぜひ触れてみてください。

■賀茂別雷神社(上賀茂神社)
京都府京都市北区上賀茂本山339
[参拝時間]【境内】5時30分~17時【楼門・授与所】8時~16時45分
【電車】JR京都駅より京都市営バスで約25分、上賀茂御薗橋下車徒歩約5分【車】名神高速道路京都東ICより約30分
あり(30分100円)※繁忙期は1回500円(9時~17時)
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(画像提供:photoAC)

さらさ西陣

築80年以上の銭湯をリノベしたレトロな雰囲気が居心地よいカフェ

(画像提供:さらさ西陣)
時代を感じさせる立派な外観

大徳寺から徒歩10分程度で行ける「さらさ西陣」は大正時代からの面影が残る、銭湯を生かしたレトロで素敵なカフェ。ごはんや麺、定食や1品もの、スイーツ、自家焙煎のコーヒーとメニューが多彩で、ランチやディナー、カフェ、ちょっと飲みたいときなど自由に訪れて楽しめる雰囲気が魅力です。

(画像提供:さらさ西陣)
銭湯時代の名残を随所に感じる店内

店内を彩る個性豊かなマジョリカタイルやノスタルジックな木のぬくもりが生み出す唯一無二の空間は、老若男女問わず地元の人もたくさん訪れる憩いの場所。旅の一休みにピッタリです。

■さらさ西陣
京都府京都市北区紫野東藤ノ森町11-1 離楽庵WOODINN 1F
11時30分~22時
不定
【電車】京都市営地下鉄鞍馬口駅より徒歩15分
あり/無料
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(画像提供:さらさ西陣)

一麦七菜(いちばくななさい)

こだわりのうどんと素材が織りなす繊細な味を堪能!

(画像提供:一麦七菜)
看板メニューの「冷七菜」(1100円)

大徳寺から徒歩5分ほどにある「一麦七菜(いちばくななさい)」の魅力は、季節の野菜や食材と自家製うどんが絶妙にマッチした創作メニュー。自家製うどんはカウンター横で手打ちされ、オーダーが通ってから茹で始めるこだわり。コシのしっかりしたもっちり食感はやみつきになります。

(画像提供:一麦七菜)
夏季限定メニュー「しじみのおうどん」(1200円)

また七種の季節野菜を添えた「冷七菜」をはじめ、あんかけうどんやカレーうどん、丼類や五目ごはんなどもあり、メニューが充実しています。どれも魅力的で選びきれず、常連さんが多いのも納得できます。

■一麦七菜
京都府京都市北区紫野下若草町32-3
【月・水・木】11時30分~15時【金・土・日】11時30分~14時45分、17時~20時
火、第2・4水
【電車】京都市営地下鉄北大路駅より京都市営バスで10分 ※船岡山停留所下車徒歩2分
なし
「一麦七菜」の詳細はこちら

(画像提供:一麦七菜)

※この記事は2023年2月6日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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Mika Toudou  Mika Toudou

京都出身京都在住ライター。温泉、映画、音楽、旅、登山好きが高じて全国各地に出没中。

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