さとけんさんの静岡県の旅行記

【宇佐美から】伊東界隈の歴史を訪ねる旅【伊豆高原まで】
- 1日目2018年3月4日(日)
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6時2分、まだ月の出ている宇佐美海岸に到着です。
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宇佐美海岸に朝日が昇ってきました。写真は6時14分です。
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森米城は宇佐美出身の俳人で、地元の門下生により昭和44年に建てられた碑とのこと。梅が綺麗に咲いています。
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中村敬宇さんは1832年に生まれ1891年(明治24年)に亡くなった方で、「天は自ら助くる者を助く」の和訳をされた方です。自分が高校生の時のイデオム集を思い出します。
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木下杢太郎は伊東出身の才人です。伊東の海は東に向いているため、夕日はみえないのですが、夕日に照らされた雲が綺麗に輝くことがあります。私も見たことがあります。オレンジ色に輝く時間はわずかで、見ている人間の心情に沿うのでしょう、私にとってその光景は物悲しくとても美しかったです。
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海の入日の碑の後ろに見える白い建物は干物屋さんの杉国商店です。7時半開店とのことで、のちほど、杉国商店の店先で朝食を摂る予定です。
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オレンジビーチの先・南東側になぎさ公園があります。朝日に照らされて良い景色です。
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日本橋近くにもあった三浦按針に関する碑が、ここ伊東の海岸にもあります。
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英国人・三浦按針の碑がなぜ伊東にあるのかというと、彼は日本初の洋式帆船(80トン)を、伊東の船大工を使って松川河口にて建造したそうです。その功績を伊東市民は讃え続けてきました。
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そして、戦後間もないころに伊東を訪れた英国人のエドモンド・ブランデンは、伊東の人々が、英国と日本が戦争をしていたにも関わらず英国人の三浦按針を讃え続けていたことに、心を動かされて、即興の詩を書いたそうです。その詩碑が按針メモリアルパークに建っています。
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こちらは北原白秋歌碑です。碑には「ゆらら」とか「どぶらん らんてば」とか「とろろん とんてば」とか、面白い詩が書かれております。
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松川の河口にかかるなぎさ橋付近から、松川の川岸に遊歩道ができています。
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こちらは、まつかわ遊歩道にあるウイリアム・アダムスの記念碑です。ウイリアム・アダムスとは三浦按針のことです。
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まつかわ遊歩道沿いに建つ東海館、伊東らしい景色です。
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こちらは木下杢太郎さんの生家です。
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さて、いよいよ美味しい朝食の時間がやってまいりました。杉国商店にやってきます。
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こちらが杉国商店のメニューです。好きな干物をチョイスして、ご飯セットで美味しい朝食でございます。あじの干物、大きいほうで210円、これにご飯セット410円で620円の焼きたての干物朝食なんて、わくわくしますね。
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本日は少し寒さが和らぎ、こちら、店先の外のテーブルで朝食です。国道135号線沿いを走る車から、皆が羨ましそうに見ておるのぅ。
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わー、やったー、杉国商店にて食べた朝食でございます。美味しかったです。御馳走さまでした。皆さんも是非どうぞ。そして気に入った干物はお土産として買えますのでおすすめです。
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新井神社にやってきました。
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新井神社の参道にある古い石仏。
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そしてこちらは新しい恵比寿様、よし、階段をのぼろうという気持ちになります。伊東七福神の恵比寿さまでございます。
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拝殿にて二礼二拍手一礼のお詣りをいたします。
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新井神社の拝殿前より眺める伊東の海です。
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海側から坂道をのぼって、仏現寺へ向かっております。写真中央の階段がお寺へ続いています。
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階段をのぼると、仏現寺の門が現れました。こちらのお寺は伊東七福神の毘沙門天でごさいます。
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仏現寺にある津波供養塔の案内板です。1923年の関東大震災では揺れの後、「十数分」で津波が来て、この地区では105名の方が亡くなったと、また1703年の地震でも「当時の和田村」だけでも163人の方が亡くなったそうです。つまり、伊東の海岸は、地震の時は津波が来るということで、これは伊東を観光する時に頭に入れておいた方がいいと思います。
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津波供養塔の前で手を合わせました。
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仏現寺には面白い古書が伝わっています。すなわち「天狗の詫証文」と呼ばれるもので、お寺では非公開なのですが、ある羊羹の包み紙の裏にその写しが書かれているなどの理由で、ネット検索をするとその文書を見ることができます。いやもう、まったくわからない「文字」が書かれていて、2900字ほどのそれは、一字も解読されていないそうでありますよ。
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仏現寺の境内より伊東の海を眺める。写真中央やや上の白い建物がサンハトヤでございますな。
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仏現寺の境内には早咲きの桜が綺麗に咲いていました。今回の伊東旅行では、早咲き桜も楽しみです。
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本堂前にて合掌一礼のお参りをいたしました。
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こちらは本堂に向かって右手、大きな岩の裏側に荻原井泉水(おぎわら せいせんすい)の句が刻まれています。
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本日は仏現寺にてイベントが開かれる模様です。境内の西側の階段にひな人形が並べられている最中でした。
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仏現寺から伊東市役所の脇を通って物見塚公園にやってきました。まずは松尾芭蕉の句碑を見学です。芭蕉さんは伊東には来なかったそうですね。しかし、この後に訪れる松月院に「山本六丁子」さんの句碑がありまして、この山本さんが1938年(昭和13年)に伊東市の実業家のコレクションから「曾良旅日記」の真筆を発見し、それは芭蕉研究にとって一級の資料でありましょうから、伊東も松尾芭蕉とは縁が深い場所なのではと私は思いますね。
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こちらは物見塚公園にある尾上柴舟さんの歌碑です。尾上さんは伊東を愛し、物見塚公園からの眺めがお好きだったそうです。
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物見塚公園から眺める伊東の海。
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物見塚公園から歩いて伊東祐親の墓にお参りです。
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伊東祐親の墓から坂道を下って東林寺へやってきました。こちらは伊東家の菩提寺です。伊東七福神の布袋尊のお寺でもあります。
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東林寺・本堂に向かって左手に相撲塚があり、その脇から河津三郎のお墓へ続く山道があります。
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河津三郎のお墓へ続く山道を登っていきます。
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伊東祐親の息子である河津祐泰は、1176年に甥の工藤祐経によって暗殺され、殺された河津祐泰の子供二人が1193年に工藤祐経を親の敵として討ち取る、これが曽我兄弟の仇討ちとして知られる話です。この話に登場する河津祐泰が、河津三郎です。息を切らして高台まであがり、河津三郎さんのお墓と曽我兄弟の供養塔の前で手を合わせました。
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東林寺から歩いてすぐの葛見神社へお詣りにきました。
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葛見神社には樹齢1000年以上と言われ、昭和8年に国の天然記念物に指定されたクスの樹があります。一目見て、おおっと声が出てしまうほど立派な樹でした。皮の模様をみても迫力があります。
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葛見神社から松川の方向へ歩き、図書館の手前で北へ折れると最誓寺に至ります。平家側の武将であった伊東祐親の娘・八重姫が、父親の敵である源頼朝の子・千鶴丸を産むこととなり、その成り行きから3歳にして悲劇的な最期を遂げた千鶴丸を憐れんで、八重姫が千鶴丸を祀ったのが今の最誓寺とのこと。
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最誓寺には伊東家の墓と伝わる古い石塔が並んでいます。
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本日は法事が営まれている模様です。
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音無神社にやってきました。源頼朝と伊東祐親の娘・八重姫が、許されぬ逢瀬を重ねた場所と伝わります。
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音無神社と松川を挟んで対岸の、ちょうど伊東聖母幼稚園のあるあたりに室生犀星の詩碑があります。幼い息子を亡くしたばかりの犀星が伊東を訪れた際に詠んだ詩が刻まれています。
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こちらは日暮八幡神社です。頼朝が八重姫との逢瀬時刻まで時間を潰した場所と伝わります。
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松川方面から西の山へ向かって歩いて行くと朝光寺に至ります。
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朝光寺は伊東温泉七福神の大黒天のお寺です。
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朝光寺です。
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朝光寺から坂道を上ること8分、丸山公園に到着です。静かです。
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伊東駅近くの伊東公園にやってきました。
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伊東公園の見晴らし台からの眺めです。良い天気です。
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伊東公園の山上に木下杢太郎さんの「ふるき仲間」という碑が建っています。 「ふるき仲間も遠く去れば、また日頃顔合わせねば、知らぬ昔とかはりなきはかなさよ 春になれば 草の雨。三月、櫻。四月、すかんぽの花くれなゐ。また五月にはかきつばた。花とりどり、人ちりぢりの眺め。窓の外の入日雲。」 この詩を読んで私が感じたことは、もう会うこともない人々は知らぬ昔と変わりなきはかなさなれど、振り返れば彼らが居た素晴らしき時間の積み重ねが自分の人生であるのかなと、そう考えると、それだけで十分、私の人生は恵まれております。
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伊東公園から松月院へやってきました。こちらは木下杢太郎さんの生家・太田家の菩提寺です。伊東七福神の弁財天のお寺でもあります。
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松月院の境内には綺麗な桜が咲いております。
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松月院の桜。
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一段高いところにある本堂前にて、合掌一礼のお参りをいたします。
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本堂前の参道から、伊東の海が見えます。
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松月院の弁天堂にもお参りします。
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松月院の本堂と桜
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こちら、山本六丁子さんの句碑です。山本六丁子は本名を山本安三郎といい、1947年(昭和22年)に亡くなった方で俳諧を楽しみつつ東京で医者をされていましたが昭和4年ごろに伊東に移住してきました。そして1938年(昭和13年)に伊東在住の実業家のコレクションの中から「曾良旅日記」の真筆を発見し、これを使命感をもって研究・翻刻して書籍として世の中に送り出した方とのことで、芭蕉研究・奥の細道研究のみならず、江戸時代の日常を知る一級の資料の為にその晩年の命を捧げられたのだと知りました。この句碑は書籍が発刊された昭和18年(芭蕉生誕300年)に建立されたそうで、「人と生まれ 日本に生まれ 月と花」 と刻まれているようです。
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松月院から歩いて道の駅・伊東マリンタウンにやってきました。本日の足湯は桜の湯とのことです。足湯の営業時間には、100円のオリジナルタオルを自動販売機で買うことができます。
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今日は変わり湯、桜足湯でございます。
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よねわかの足湯にやってまいりました。こちらには高浜虚子の句碑が建っています。
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よねわかさんは、一世を風靡した浪曲師とのこと、伊東に温泉旅館・よねわか荘を開いて、俳人の高浜虚子を招いたそうです。
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よねわかさんも、紫綬褒章や勲四等などを受けている凄い方なのですね。よねわか荘があったのは、現在マックスバリュ伊東広野店がある場所らしいです。よねわかの足湯はその近くにあります。
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よねわかの足湯の近くにある尾崎士郎文学碑です。
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川奈の海にやってきました。
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いるかのモニュメントが可愛らしい。
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お岩屋は日蓮上人がかくまわれた洞窟で、今は祖師堂が建っています。
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こちらは日蓮上人を救ってかくまった舩守弥三郎の屋敷跡に建てられたお寺です。
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小室山公園にやってきました。つばき園でつばき鑑賞会が開催中でした。
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小室山公園。
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こちらは小室山公園の慰霊塔です。
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小室山公園慰霊塔の前にある「平和への道標」
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小室山公園慰霊塔の前にある飛行機のプロペラ
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小室山公園慰霊塔の前にあるアンカー
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小室山公園慰霊塔の左手奥にある明治37年5月3日に戦死と記された旅順第三回閉塞隊の碑。『第七師団日露戦役紀念史 - 国立国会図書館デジタルコレクション』によれば、旅順第一回閉塞隊は戦死一名、広瀬中佐の亡くなった旅順第二回閉塞隊は戦死四名、そして旅順第三回閉塞隊では戦死七十八名ということで、伊東出身の方も尊い命をもって、この作戦を遂行されていたのだと知りました。
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小室山レストハウスにてつつじソフトクリームを食します。まろやかでおいしかったです。
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松川湖にやってきました。
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松川湖では早咲きの桜が綺麗に咲いていました。
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フジが綺麗な林泉寺にやってきました。
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こちらは伊東七福神の福禄寿のお寺です。
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本堂前には立派な藤棚があります。
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季節になれば綺麗な花を垂らすのでしょう。本堂前にて合掌一礼のお参りをいたします。
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林泉寺前の山神社にお詣りです。この後、宿に向かいました。
- 2日目2018年3月5日(月)
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本日はあいにくの雨模様。大室山のさくらの里にやってきました。つい一週間ほど前に山焼きが行われたようです。
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さくらの里をのんびりと散策します。早咲きの桜が咲いており、楽しめました。
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約40種類の桜が9月から5月までに開花するように、工夫して植えているそうです。
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城ケ崎公園にやってきました。
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往復で渡りましたが、私はやはり、吊り橋は苦手なのですな、ははは。
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蓮着寺にやってきました。
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蓮着寺の奥の院近くの海岸に、日蓮上人が置き去りにされたといわれる俎岩を見ることができます。
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八幡宮来宮神社へやってきました。
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高台の拝殿前に、立派な杉の樹が直立していて、神々しい気配がありました。今回の旅の最後を締めくくるにふさわしい、立派な神社でございました。
【宇佐美から】伊東界隈の歴史を訪ねる旅【伊豆高原まで】
1日目の旅ルート
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