チャムンパスさんの静岡県の旅行記

なまこ壁の家並みの残る海辺の町で、祭り囃子を聞きながら温泉と海の幸を楽しむ静岡県西伊豆松崎と下田一泊二日の旅
- 1日目2018年11月3日(土)
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交通手段は例によって電車と路線バスです。 今回は新幹線や特急を利用しないで普通列車だけを利用しました。 移動の途中でお昼になったので、熱海駅で途中下車して駅ビル『ラスカ熱海』で小田原の東華軒さんの駅弁『じゃこのおもてなし』880円を購入し車内で頂きました。 おかずに鰆の唐揚げやじゃこ天が入り、ちりめん山椒とあさりの佃煮が茶飯の上に載ったボリューム少な目の年配の方好みのお弁当です。 美味しかったです。
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まつざき海浜荘
普通列車で東海道線、伊東線・伊豆急行線を乗り継ぎ、伊豆急行線終点の一つ手前の蓮台寺駅で下車、堂ヶ島行きの東海バスに乗ってようやく目的地の松崎町に到着しました。 自宅を出てから6時間の長旅でした。 松崎バスターミナルから徒歩1分のところに、本日のお宿『まつざき海浜荘』さんがありました。 創業300年余り、江戸幕府の役人の宿泊施設『會所』に由来する伝統のある旅館だそうですが、現在はこじんまりとして落ち着いた雰囲気の温泉旅館です。 ゆったりとした印象の女将さんの応対でチェックインを済ませ、トイレ・洗面所付き6畳の客室に通して頂きました。
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宿の客室で一息ついたところで、松崎の町の観光に出かけました。 最初に訪れたところは明治商家中瀬邸です。 明治時代の松崎の大地主で豪商だった家を一般公開しています。 那賀川に架かるときわ大橋のたもとに建つ、なまこ壁造りの店舗付き母屋と土蔵を配した立派な屋敷です。
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明治商家中瀬邸の中は見どころが多いのですが、離れには松崎町でロケを行った映画『世界の中心で愛を叫ぶ』で使用された小道具を展示しています。
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客間は喫茶室になっていて、こちらで抹茶と地元梅月園さんの『さくら葉餅』のついた『さくらセット』410円を頂きました。 松崎町は桜餅で使用する桜の葉の塩漬けの全国の約7割を生産しているとのことです。 庭も眺められる落ち着いた雰囲気の客間で頂くお抹茶とお菓子は美味しかったですよ。
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明治商家中瀬邸を後にして、次に向かったところは伊豆の長八美術館です。 松崎町が生んだ漆喰で作る鏝絵(こてえ)の巨匠入江長八の作品を展示するミュージアムです。 現代的な建物の中の展示作品の一部は撮影可能で、写真の作品は『富嶽』です。
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伊豆の長八美術館近くの長八の墓や記念碑のある浄感寺の敷地内の長八記念館も訪れてみましたが、閉館時間の16時を過ぎてしまい入館できませんでした。 こちらには彼の作った迫力のある龍の天井画があるのですが、今回観ることができず残念でした。
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訪問した11月3日は松崎町の秋祭りの本宮でした。 通りには注連縄が張られ、法被を着た地元の方を町のあちらこちらでお見かけしました。 伊那下神社では、訪問したちょうどその時に境内の舞台で舞の奉納が行われていました。 境内は見物の方達でいっぱいでした。 写真は舞が終わって休憩中の時に撮影したものです。 今日のために練習を積み重ねた成果を披露する場でもあるので、舞台の上の皆さんはとても真剣でした。
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明治商家中瀬邸と同様に松崎の旧家を一般に公開している伊豆文邸も訪問しました。 建物の入口を開けると中は秋祭りの慰労会を行うらしく、宴会の準備がされていました。 表通りの反対側に回ると、年代を感じさせるなまこ壁造りの土蔵と庭を見ることができます。
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松崎町秋まつり
松崎町(賀茂郡)
観光を終えて宿に戻る途中で、秋祭りの山車に出遭いました。 山車の上や周りで子供達や若者達が太鼓を叩き、笛を吹いていました。 夜は商店街に各地区の山車が集まるそうなので、見物のため宿の夕食は18時に予約していました。 帰る足取りを早めました。
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まつざき海浜荘
宿に戻り夕食の前にお風呂に入りました。 海浜荘さんは町中のこじんまりとした旅館のため、お風呂も男女別の内風呂のみで両方とも大きくはないのですが、浴槽のお湯は紛れもなく加水なし・加温なし・源泉掛け流しの松崎温泉です。 海辺の温泉によくある塩化物泉ではないため、浴後も肌はべとつかずさらっとして気持ちいいです。 泉温62度の源泉を適温に調整されているため、比較的長く入ることができました。 少し開いた窓の外から流れる祭り囃子を聞きながら、旅情に浸りつつ温泉を堪能しました。
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まつざき海浜荘
仲居さんとお話をして夕食の開始を18時前にして頂きました。 海浜荘さんには食堂で頂く1万円以下の基本プランがあるのですが、今回は部屋食で頂くグレードアッププランを予約していました。 それでも1万円台前半でとてもリーズナブルなお値段です。 部屋食定番の一気にお膳が出てくるスタイルでしたが、焼き物や煮付けなどは温かい状態で出して頂いたのが嬉しかったです。
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まつざき海浜荘
写真はグレードアッププランで用意して頂いたお造りの盛り合わせです。 地元漁港で水揚げされたイサキをはじめ色々な新鮮な魚の刺身に、おろし金付きの本わさびが贅沢感を出していました。 とても美味しかったです。
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松崎町秋まつり
松崎町(賀茂郡)
夕食を済ませて少し酒の酔いが残る状態で、宿を出て秋祭りの会場の商店街に向かいました。 商店街にはすでに周辺の各地区の山車や太鼓台が集まり、地元の方々が大勢集まってお囃子を演奏し踊っておられました。
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松崎町秋まつり
松崎町(賀茂郡)
踊る子供達や太鼓を叩く若者達がとても明るく元気でした。
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松崎町秋まつり
松崎町(賀茂郡)
お開きまでまだ時間はあったのですが、途中で見物を切り上げて宿に戻り、もう一度ゆっくりと温泉に浸ってその日の夜は就寝しました。
- 2日目2018年11月4日(日)
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まつざき海浜荘
翌朝は6時半頃に目覚め、朝5時に男女入れ替わった内風呂で朝湯を楽しみました。 その後8時に食堂で朝食を頂きました。 旅館定番の和食膳でしたが、旅先の朝食はとても美味しく感じられるものです。 ご飯をおかわりして、お櫃を空にしてしまいました。 写真左にグレードアッププランのさざえの刺身が付いていて、少し豪華さを感じました。 朝夕食とも女将さんが作られているとのことで、大変ご馳走になりました。
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宿のチェックアウト期限は10時なのですが、少し早めにチェックアウトを済ませて松崎の海岸に行きました。 夏は海水浴場になる浜辺はシーズン終了後のこの時期歩く人も少なく、打ち寄せる波の音だけがするだけでとても静かでした。 海岸沿いに規模の大きな伊豆まつざき荘さんや松崎伊東園ホテルさんがあり、客室からの海の眺めは最高なのでしょうね。 そういえば、前日西伊豆の海に沈む夕陽を見る機会を逸してしまい、少し残念でした。
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松崎バスターミナルから伊豆急下田駅行きの東海バスに乗り、約1時間程かけて下田にやって来ました。 到着した時は強い雨が降っていて、駅の周辺の喫茶店でしばし雨宿りをしていました。 その後最初に訪問したところは、寺町の中の宝福寺にある唐人お吉記念館です。 薄幸の女性お吉の墓とその資料を展示されています。 宝福寺は門弟坂本龍馬の脱藩の罪の赦しをもらうために、幕臣勝海舟が土佐藩主山内容堂との会見を開いた場所でもあります。 記念館の一角に会見場所を再現したコーナーがありましたが、畳の上に置かれた座布団の上に茶色の猫がちょこんと座っていたのを撮影させて頂きました。 境内でも黒猫を見かけましたが、周辺は猫が多いようです。
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幕末浦賀に来航し、神奈川で江戸幕府と日米和親条約を締結したアメリカのペリー提督が、日本最初の開港地である下田で下田条約を締結したことは歴史的に有名です。 了仙寺はその条約締結を行った場所ですが、雨の降った直後だったので境内は私の他に誰もいませんでした。 併設のMoBS黒船ミュージアムも観光客はいない状態でしたが、館内で上映されているシアターが面白く勉強になりました。
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了仙寺の山門を出ると下田の代表的な観光地ペリーロードに出ます。 条約締結の会見場に向かうペリー一行が通ったことから名付けられたそうですが、現在は川沿いになまこ壁の古い家と柳が並ぶ風情のある場所になっています。 ようやく雨も上がって、観光客がぼちぼちと通りを行き交っていました。
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ペリーロードの了仙寺から見て反対側の突き当たりにある旧澤村邸の庭から見た母屋の写真です。 修復されているとはいえ、なまこ壁の美しい街の有力者の住まいに相応しい重厚感のある家です。 母屋の反対側の土蔵のギャラリーでは下田夏祭りの写真展が開かれていて、係のお姉さんの説明に熱がこもっていました。
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ペリーロードの近くのゑび満さんで遅めの昼食を頂きました。 写真はランチで提供されている地魚ごま漬け丼1300円です。 新鮮なメゴチを細かく刻んでゴマだれにまぶして温かいご飯に載せています。 半分そのままで、後の半分は出汁茶漬けで頂きました。 ごちそうさまでした。
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昼食後は伊豆急下田駅方面に戻り、駅から徒歩2分の距離にある下田ロープウェイに乗って寝姿山山頂に向かいました。 ゴンドラから下田の街を一望することができました。
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お昼は雨模様だった天気も山頂に到着した頃は晴れて、下田ロープウェイの寝姿山駅の展望台からも、下田湾や須崎半島、そして雄大な太平洋を一望することができました。
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寝姿山駅から遊歩道を歩いて愛染明王堂に到着しました。 駅からも近く遊歩道も歩きやすいので、時間に余裕があればこちらまで脚を運んでみてください。 法隆寺の夢殿をひとまわり小さくした柱の朱色の鮮やかなお堂の側に、平安期に作られたという約150体の寝姿地蔵が立っていてお出迎えしてくれます。
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愛染明王堂の裏側にあった『龍馬くん地蔵』です。 石像の右側にツワブキが一輪可憐な花を咲かせていました。
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旅の締めくくりはやっぱり温泉、ということで下田周辺で立ち寄り湯で人気のある河内温泉の金谷旅館を訪問しました。 江戸末期創業の老舗の温泉旅館ですが、こちらの名物『千人風呂』に入浴しました。 混浴の巨大な内風呂は薄暗い中に白熱灯の明かりに照らされて、湯治場のようなノスタルジックな雰囲気を醸し出していました。 女性の方も女湯から専用通路を通って直接千人風呂へ入ることが出来ます。 入浴料2時間1000円で温泉を満喫し、最寄りの伊豆急蓮台寺駅から再び普通列車を乗り継いで家路につきました。
なまこ壁の家並みの残る海辺の町で、祭り囃子を聞きながら温泉と海の幸を楽しむ静岡県西伊豆松崎と下田一泊二日の旅
1日目の旅ルート
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