モロさんの宮城県〜東京都の旅行記
令和7年 お盆帰省旅行(南会津を巡る)
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恒例の仙台でのお盆の墓参りの後に、東北地方の温泉地を訪ねる旅行である。南会津には有名な温泉地や観光地があるが、少々辺鄙な場所であるため未だ訪れずにいた。今回は湯野上温泉に宿を取って、大内宿と塔のへつりを観光した後、会津鉄道のトロッコ列車に乗車し、野岩鉄道・東武鉄道を経由して帰る旅を計画した。今回の旅では、西若松から会津田島へ向かう片道の会津鉄道と、湯野上温泉駅と大内宿を往復するバスの両方を2日間で利用できる「大内宿共通割引きっぷ」を事前に購入していて非常に有効な旅のアイテムとなった。夏休み期間中であり、東北三大祭りの開催時期とも重なっていたため、各交通機関や観光地はかなり混雑していたものの、天候にも恵まれ、心地よい温泉、美味しい食事、美しい景色、そして各種列車の乗車を存分に楽しむことができた旅であった。
神社ツウ モロさん 男性 / 60代
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- 1日目2025年8月7日(木)
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12:00-13:00
石巻南浜津波復興祈念公園
今回は「がんばろう石巻」で慰霊を行った後、隣接する「南浜つなぐ館」を拝観した。館内では、被災前後の門脇・南浜地区の街並みや日常の風景、思い出、被災時の状況、復興の経過、被災者の証言などが、写真・解説・ビデオを通じて紹介されていた。ビデオを鑑賞しているうちに、思わず涙がこぼれてしまった。被災前の街並みの写真に“あいのや”が出ていて、「食材が豊富で、地元に愛されたスーパーであった」といった紹介がされていたが、私にとって“あいのや”は「クジラの刺身」の記憶である。家内と知り合って以来、石巻との繋がりは50年となるが、被災前の町が懐かしい。「がんばろう石巻」の後側では、盛りを過ぎたヒマワリが綺麗であった。
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13:00-14:00
先ずは鹿島御児神社の参拝である。今年は隣接する3つ(4つ?)の境内社にも参拝した。RC造の本社に対し、境内社は古びて、趣がある佇まいである。日和山公園を訪れる度に旧北上川の上流方向を望む公園北東側の撮影ポイントで定点写真を撮っている。毎年の写真を見比べて行くと、インフラや街並みが整備されて美しくなっている一方で、かつての賑わいが失われていく様子もはっきりと感じられる。内海橋中央に映画館、中央地区にデパート、中瀬に造船所が建ち並び、活気に満ちていた頃が懐かしい。今回は例年よりも早い時刻に石巻に到着したため、公園入口の茶屋で昼食を摂ることにした。初めて“金兵衛茶屋”を利用した。店主によれば、長年利用していた高齢夫婦が営む隣の“佐藤茶屋”はかなり前に店を閉じたとのことであった。美味しい団子がもう頂けないのは、非常に残念である。
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15:00-16:00
夕方に参拝した。お盆帰省最盛期の前であったので、無人で閑散としていた。今回は本社参拝後に拝殿西側の小径を50m程下って、境内社の“三吉神社”も参拝した。利用する人が少ないのか、小径は非常に美しく苔生している。“三吉神社”は、社殿は小さく簡素な造りであるが、鳥居と石段を備えた短い参道があり、立派な境内社である。凄まじいヒグラシの蝉時雨であった。
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16:00-23:00
毎年のように利用している宿泊施設である。今回もコンフォートツインを利用した。大浴場や朝食付きという宿泊先として選択して間違いのない設備、サービス内容である。ホテルが建つ大街道地域の飲食店やスーパー・コンビニが年々少なくなり、賑わいが薄れてきていることが気掛かりである。
- 2日目2025年8月8日(金)
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15:00-16:00
仙台を出て郡山、会津若松を経由して約3時間の列車の旅であった。湯野上温泉駅は珍しい茅葺屋根の木造の駅舎で、棟木上に千木が乗っている神社の社殿を模した様な珍しい造りである。駅舎の中には業務室やトイレの他、待合所に囲炉裏が備わった板の間が造られていて、列車待ちの合間に上がって休憩することもできるようになっている。白い塗り壁や木の椅子等、古い日本家屋の雰囲気を上手に取り入れた奇麗な駅舎である。隣接して足湯に入れる施設も造られていて、丁度良い温かさであった。駅舎やホーム、桜の木々が茂る周囲の景観、旧型の気動車等、鉄道ファンならずとも写真に収めたくなる魅力がある駅である。駅前のロータリーから大内宿に向かうバスが出ているせいで、乗り換え客も多く見られた。
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16:00-23:00
湯野上温泉駅の阿賀川の対岸に建つ宿泊施設で、送迎をお願いしていたので5分程で到着した。天然木を利用した作品や机、墨絵・絵画等が飾られ、屋外の緑と融和している非常に広いロビー・ホールが素晴らしい。作品の多くが地元の作者からの寄贈品であるらしい。利用した部屋は「離れ」特別室であった。大浴場は内湯と露天風呂があり、10数室の客室数の旅館としては相応な広さで、石段を2m程下った露天風呂は開放感があって、内湯、露天共に適温の100%源泉のアルカリ泉が流れ落ちる極上の風呂であった。8月の炎天下でも緑に囲まれて非常に爽やかである。部屋付きの内湯と露天も大浴場と同じ泉質の風呂である。内湯は熱め、露天は加水が必要な湯温で、源泉の吐出量の違いによるものであったようだ。極上で何度も利用してしまった。夕食の会津創作膳は、地の食材の旨味を活かした美味しく適量な料理であった。私的には、御飯と一緒に食べた刺身、葉物の天ぷら、福島牛のスキ焼が美味であった。宿が企画する大内宿ナイトツアーに参加した。旅館のマイクロバスで移動し、運転手兼ガイドの案内で1時間程夜間の大内宿を観て歩くツアーであった。大内宿・会津西街道の歴史、古今の住民の暮らし・産業、自然環境等、様々な観点の説明を非常に興味深く聞くことができた。人工衛星も見えて、綺麗な夜空だった。施設、温泉、食事、サービス・従業員の応対の全てにおいて期待以上の宿であった。
- 3日目2025年8月9日(土)
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09:00-10:00
宿泊先を少し早めに出て、湯野上温泉街、夫婦岩を観光しながら徒歩で湯野上温泉駅まで向かうことにした。3km弱の道程である。宿泊先から南方700m程の“湯野上橋”の三叉路を越えて、更に500m弱歩いて川縁に下ると吊橋がある。湯野上橋、吊橋共に綺麗な藤色に塗装されている。春に川縁一面が藤の花で紫に染まることに合わせた色であるそうだ。吊橋と会津鉄道の踏切を渡ると湯野上温泉街である。温泉街を巡ってみると、宿泊施設は中・小規模の民宿が殆どで、商店・歓楽街もなくひっそりとしていた。街路に人影はなかったが、宿泊客は結構沢山いるように見えた。湯野上温泉の近隣では、駐在所を含めた各家庭・施設に温泉が引かれているという。宿泊施設の看板に「天然温泉」と記載されているが、当然のことである。バブルの時期での大型施設の進出もなく、昔ながらの素朴な雰囲気を保っている。大きな発展よりも、現状の良さを大切にする姿勢が感じられる温泉地であった。
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09:00-10:00
湯野上温泉街から国道に出て暫く歩き、会津鉄道の踏切を渡った先、温泉街から800m程の川側に露天風呂入浴施設の駐車場があり、一角に“夫婦岩”の看板が立っていて、無料開放された夫婦岩ビューポイントになっている。渓谷の対岸に向き合うように立つ岩であるが、まるで人工的に造られたかの様に綺麗に立っている。車や徒歩で観光客が次々と訪れるが、写真を撮って直ぐに立ち去るため、意外にも静かで落ち着いた場所である。
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10:00-11:00
公共交通機関で大内宿に行く唯一の交通手段であるバス「猿游号」を湯野上温泉駅〜大内宿間で運行している。今回往復で利用した。宿泊施設から歩いて10:00過ぎに駅に到着し、駅のベンチで10:30発の便を待っていると、10分程前からバス停に列ができ始め、程無く女性係員による予約確認と料金の徴収が始まった。今回、会津鉄道と提携し、会津線片道(西若松駅→会津田島駅)と広田タクシー「猿游号」往復を2日間で利用できる「大内宿共通割引きっぷ」をネット購入し、「猿游号」は往復共ネットで事前乗車予約しておいた。料金もお得で、お盆の様に混雑する時期には事前予約ができることは非常に有難い。ただ、割引切符購入後に領収証は発行されたものの、購入履歴が表示されなくなってしまった。湯野上温泉駅の改札で領収証を見せると、直ぐに紙製の「大内宿共通割引きっぷ」を発行してくれた。広田タクシー係員曰く“システムがポンコツ”で、日常茶飯事らしい。バスは定員20人程のマイクロバスで、唯一の公共交通機関としては少々頼りない大きさであるが、乗客は10数名と、予想外に少なかった。復路の12:35発の便も、10分程前からバス停には列ができ始めて、乗客は10数名と、予想外に少なかった。事前乗車予約は優先搭乗ができるので、混雑時でも安心で、お勧めである。湯野上温泉駅〜大内宿間は20分程で、渓流を見ながらの快適な道程であった。
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11:00-13:00
日光今市と会津若松とを結ぶ会津西街道にある南北500m程の宿場町である。前夜に続き2回目の観光である。県道の停留所で「猿游号」を降りて宿場内を観て歩く。中心街路への一般車両の進入が制限されていて、観光する際も安心して歩けることが嬉しい。街路沿いに建つ家屋の殆どが茅葺屋根であるが、白川郷の様な棟高が高い建物は見当たらない。大昔は養蚕も行っていたらしいが、集落の生立ちや気候による違いであろう。昼間の大内宿は観光客で賑わい、道の両側の店が華やかで、前夜の提灯が灯った閑静な街並みとは対照的であった。“高倉神社”“大内宿見晴台”“大内宿町並み展示館”と土産物店を観て歩いた。“高倉神社”は宿場中央付近に立つ大きな木の鳥居をくぐって西方に田圃道を400m程歩いた林の小山上に建っている。拝殿は昭和期に再建されたような質素な造りであるが、参道や本殿背後の御神木が昔の面影を残す神社であった。宿場北端の狭い石段を20m程上った“大内宿見晴台”からは宿場全体が見渡せて非常に綺麗であった。東西に同じ様な石段があり、西側には多少緩やかな上り坂も造られているが、急階段に臆してか、比較的混んでいなかった。“大内宿町並み展示館”は本陣跡である。茅葺で、出入口が唐破風造りといった豪華さもなく、内部も非常に狭く、質素である。参勤交代の殿様が宿泊するには少々見窄らしく感じた。昼夜異なった景観を観られて良い思い出となった。
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14:00-15:00
広田タクシー「猿游号」で再び余野上温泉駅に戻った。次に向かう塔のへつり行きの列車まで30分程の丁度良い間合いである。塔のへつり駅は湯野上温泉駅から1駅である。ホームの幅が非常に狭く、緑に囲まれた小さな木造の待合室が建つ駅は、ホームに上る斜路の改修工事中で、少々残念な景観であった。会津田島に向かう列車まで50分程の合間での観光である。灌木の林の中の道を400m程下ると広いロータリーに出た。ロータリーの周囲には軽食店や土産物店が並んでいる。川沿いの階段を下ると塔のへつりの淵と吊橋が見えてきた。緑色の緩く流れる河面と白色の崖の壁面とが創る景観が綺麗である。橋を渡った先には崖の窪みの中に菩薩を祀った祠があって、落ち着いた雰囲気の場所であった。沢山の観光客でかなり混んでいて、崖の窪みに造られた狭い遊歩道を歩く際や写真撮影の際も、相手と道や場所を譲り合わなければならない。譲り合い精神を試される観光地である。混雑していたこともあり、観光時間は実質15分程であった。
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14:00-15:00
会津鉄道 お座トロ展望列車
塔のへつり駅〜会津田島駅は、会津鉄道 お座トロ展望列車を利用した。1か月前から座席指定ができて、トロッコ車を予約することができた。窓ガラスが付いておらず、真夏日の陽気でも外気が入って涼しく、爽快であった。25分程の乗車時間で、車窓からの風景の概ねは、阿賀川の河岸台地の杉林や長閑な田園風景である。塔のへつりより上流の阿賀川の渓谷は比較的緩やかになるので、深い渓谷の景色を観るようなことはできないが、数か所ある橋梁からは、緩やかに流れる阿賀川や河岸の景色を楽しむことができた。会津田島駅での東武鉄道への乗り換え時間が3分程と非常に短かったが、ホームの造りが良く出来ていて全く問題なく、列車の写真撮影も可能な余裕さえあった。
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15:00-18:00
今回は、会津田島始発の東武特急リバティー会津を利用した。近年投入された型式の綺麗で乗り心地の良い車両である。会津田島を出て会津高原尾瀬口駅までは会津鉄道線、そこから新藤原駅までは野岩鉄道線、その先は東武鉄道線(鬼怒川線・日光線)を通って走って行く。会津鉄道線内では、暫く国道121号線と並走して行くが、阿賀川の上流部 荒海川の河岸大地の景観が綺麗であった。野岩鉄道線内はトンネルが殆どであるが、トンネル内の駅は珍しく、トンネルを出て一瞬現れる渓谷や以前利用した川治温泉の街並みの景色が綺麗である。東武鉄道鬼怒川線内も福島・栃木県境の山奥の森林や男鹿川・鬼怒川沿いを走って行き、大きな車窓から渓谷や河岸台地の綺麗な景色を楽しむことができた。塔のへつり駅を出て自宅まで、5時間弱の長旅であった。
令和7年 お盆帰省旅行(南会津を巡る)
1日目の旅ルート
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