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旅亭懐石 のとやのお知らせ・ブログ
◆ 金沢の奥座敷、粟津温泉の地酒『春心』西出酒造
更新 : 2019/1/31 16:17
◆粟津温泉の端にある小さな小さな酒蔵さんの『春心』
温泉街の粟津温泉は、金沢加賀百万石の雅やかな宴どころ、
20年ほど前まで、北森酒造と西出酒造の2つの地酒があり、
ともに江戸時代と大正時代から続く老舗の酒蔵で、
温泉に入った後の御料理には
歴史ある酒蔵の深みある酒で一献傾けるのが
地元常連様の楽しみでも有りました。
時代の変化により、清酒消費量が減り
ビールや焼酎など多様化の波に逆らえず、
小さな手造りの酒蔵は経営が厳しく、
20年前に西出酒造は経営者が他資本になり、
10年前に北森酒造は廃業となりました。
粟津温泉の地酒が無くなるという大変寂しい出来事にあい
残念な気持ちでなりませんでした。
◆若夫婦二人での地酒蔵の再起と挑戦。。そして春心の復活
西出酒造の蔵元杜氏、西出裕恒さんは
大正二年から続く酒蔵が他人の手に渡る二十年前の父の言葉
「またいつか、一緒に春心をつくろうな」という約束を守りたい気持ちで
19歳から酒の世界に丁稚として入り。
「現代の名工」として知られる能登杜氏・農口尚彦氏の薫陶を受けました。
名工の知識だけでなく
“常に頭で先読みしながら考え体を動かす”
“理屈を考えて酒を作る”など
蔵人としての姿勢も叩き込まれ
小さな酒蔵の蔵元杜氏になれるよう必死に勉強し
蔵の再起を夢見ておりました。
実直な西出杜氏の姿に奥様も協力して夫婦酒蔵に入り少量からの父との約束『春心』の復活。
人手に渡っていた酒蔵を地元の応援により買い戻し
伝統の『春ごころ』の復活となりました。
しかし、買い戻す前年に父は他界。約束は果たせませんでしたが
粟津温泉にとってはうれしい復活となりました。
地元の米と水、蔵付きの酵母。
昔ながらの製法で醸し出す、素材と環境が生きる昔ながらの本物の地酒です。
粟津温泉の自然と酵母菌と麹と西出杜氏だからのお酒です。
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