近鉄奈良駅下車タクシー6分。JR奈良駅下車タクシー10分。バスは春日大社本殿下車徒歩5分
【若女将日記】土用の季節、夏を支える料理長の手仕事
更新 : 2026/7/30 17:12
じりじりと太陽が照りつけ、 大和の国にも本格的な【土用】の季節がやってまいりました。
「土用」と申しますと、現代では鰻(うなぎ)を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、 古来、陰陽五行の教えに基づき、季節の変わり目として特に身体を労わる大切な時期とされてまいりました。
万葉の昔より、この厳しい暑さを乗り切るために重宝されてきたのが【土用干し】。 夏の強いお日様の光を借りて、食べ物の命を長持ちさせ、毒を払うという先人たちの深い知恵でございます。
私どもの宿でも、この時期になりますと、 調理場からなんとも甘酸っぱい香りが漂ってまいります。
料理長が自ら塩漬けし、大切に育んできた梅たちを、 お日様のパワーが最も強いこの土用の時期に、 「三日三晩」ていねいに、ていねいに天日干ししていくのでございます。
太陽に晒し、ひと粒ひと粒の顔を見つめながらひっくり返す。 時間を惜しまず、昔ながらの技法で梅と向き合う料理人の【手仕事】を見つめていると、 歴史の中で守られてきた和食の美意識に、そっと胸が熱くなる心地がいたします。
三日三晩の陽光をたっぷりと含んだ梅は、 ふっくらと柔らかく、なんともいえない美しい色に仕上がります。
東大寺や春日大社、奈良公園の散策で汗をかいたお身体に、 この特製の酸っぱさと昔ながらの塩気が、すっと元気を注ぎ込んでくれるはずでございます。
この【当館特製梅干し】、 ご滞在中の朝食や、お料理のどこかで、もし皆さまのお膳にお目見えいたしましたら……。
「あぁ、土用の陽を浴びたあの梅ね」と、 歴史ある手仕事の味を、どうぞ楽しんで召し上がってくださいね。
皆さまが健やかに夏を乗り切ってくださることを願いながら、 料理長は今日も静かに、梅と向き合っております。笑
これから奈良は、夏を彩る幻想的なイベントが続きます。
8月5日から14日までは、奈良公園一帯が約2万本ものろうそくの灯りに包まれる「なら燈花会」が開催され、古都の夜が優しい光に彩られます。
また、8月の土・日曜日には若草山山頂から夕景や夜景を楽しめる「若草山トワイライト・夜景観賞バス」も運行されます。夏ならではの奈良の美しい夜景を、ぜひお楽しみください。
それでは皆さま、どうぞお身体を労わりながら、奈良で涼やかな夏のひとときをお過ごしくださいませ。
関連する周辺観光情報
関連する宿泊プラン