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わび茶を大成させた千利休は大永2年(1522)、堺の豪商魚屋(ととや)の長男として生まれた。その利休の屋敷跡など、多くのゆかりの地が残る堺で、茶道の偉人を偲びつつ一服味わいたいなら、ここ堺市茶室「伸庵」へ。仁徳天皇陵古墳に隣接する緑豊かな大仙公園の一角、明治時代の数寄屋普請の名匠・仰木魯堂設計による数奇屋造り茶室は昭和4年に建てられたものだ。建物は風雅な二階建てで、立礼席は約12席。多人数の茶事を催すこともできる。隣の「黄梅庵」(おうばいあん)は、茶道三宗匠の一人で、同じく堺出身の今井宗久ゆかりのもの。ともに国の登録有形文化財となっている。ふたつの茶室を繋ぐように整備された庭は見学無料で、国指定重要文化財の旧浄土寺九重塔もある。
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