東京都の島々と言えば伊豆諸島ですが、その伊豆諸島の玄関口に位置するのが最大の島、伊豆大島。
都内からジェットフォイルなら1時間45分ほどで行くことができるので、土曜日の朝の便に乗って島に渡り一泊して、翌日曜日の夕方の便で帰ってくれば週末だけでもしっかりたっぷり島を満喫できます。
アクセス便利で、自然や島の食満載の伊豆大島の楽しみ方を、島旅フォトライターとして活動しているいづやんがお伝えします。
伊豆大島の定番スポット「三原山」から、新名物「たい焼き」が味わえる古民家カフェまで、色んなおすすめをピックアップしました!
伊豆大島ってどんなところ?
●景観
伊豆諸島最大の島にして、都心に一番近い伊豆大島。過去に何度も噴火した歴史がある火山島で、アクセスしやすい場所にも関わらず、島内の至るところに火山由来の風景が広がり、溶岩礫の砂漠やごつごつした海岸線といったダイナミックな景観に触れられるのが大きな特徴です。
●大きさ
その名の通り大きな島なので、島一周する道路は約47km、車で一周するにはおよそ1時間ほどかかります。
●気候
気候は都心よりは比較的寒暖差が少ないのが特徴です。その秘密は黒潮の影響を受けた海洋性気候。とはいえ、12~2月はやはり冷え込みます。夏場は海に囲まれているので、都心ほど気温は上がらず快適に過ごせます。
●特産品
そんな火山の島の恵みは多岐に渡っており、海の幸はもちろん、酪農も行われているので乳製品も楽しめます。椿の島としても知られており、椿油を使った様々な製品を買うことができます。
●アクティビティ
春前の2~3月は島全体が椿の花に彩られる伊豆大島椿祭り、夏は海水浴やダイビング、それ以外のシーズンでも島内に数箇所ある温泉や火山の景観の中を歩くハイキング、大物も狙える釣りなど、いつ訪れても豊かな自然を満喫できるスポットにあふれています。
●宿泊施設
島には、元町、岡田、波浮港、など大きな町もいくつかあり、宿泊施設も多種多様。温泉のあるホテルから、風情あふれる旅館、親戚のうちに泊まったような民宿など数は多く、最近ではリーズナブルに泊まれるゲストハウスも増えています。滞在の目的に合わせて選択肢が多いのが伊豆大島の懐の広さとも言えるでしょう。

伊豆大島までのアクセス
伊豆大島へは、いくつものアクセス方法があります。
●フェリー
浜松町の竹芝桟橋から、毎日夜22時頃に出て翌朝6時頃に到着します。例えば金曜日の夜、仕事終わりにフェリーに乗って翌朝島に到着、ということも十分に可能です。
●ジェットフォイル(水中翼船)
フェリーと同様に、竹芝桟橋から午前中に2便ほど、午後に1便、ジェットフォイルが運航しています。
竹芝桟橋以外に、静岡の熱海からも1日2便ほどが出ています。熱海発だとさらに近く、45分ほどで到着します。
●飛行機
調布飛行場からプロペラ機が就航しています。25分ほどの空の旅で島に着きます。
伊豆大島のおすすめの楽しみ方

伊豆大島のおすすめの楽しみ方は、土曜日にジェットフォイルで島に渡り、バスやレンタカーで島内を巡り一泊して翌日の夕方の便で帰るプラン。
まず、土曜日の朝一番のジェットフォイル便に乗り伊豆大島へ。船が着く元町港、もしくは岡田港からレンタカーやバスで、島の南東に位置する「波浮港」地区へ。ここで古い町並みが残る通りを散策したり、地魚の握りがおすすめの「港鮨」や、たい焼きが食べられる古民家カフェ「島京梵天」で島の味を楽しみましょう。

午後は、島の東側に広がる「裏砂漠」へ。火山の島が作る雄大な景色が楽しめます。再び元町港に戻り、近くの「御神火温泉」で一日の疲れを流せば気分はすっかり島人です。

翌日は、三原山の麓に位置する「ブルーヘイズ農場」でふれあい乗馬を楽しみましょう。馬の世話をしたり乗ったりと、雄大な自然の中でふれあう時間は癒やしとなること間違いなし。
その後は、「ぶらっとハウス」でソフトクリームを味わいつつ一息ついたり、無料の「大島公園動物園」で島の動物と触れ合って、夕方のジェットフォイルで島を後にします。
都内から気軽に行けて、週末の二日間だけでも十分に火山の島ならではの風土と食を満喫できる、それが伊豆大島の魅力と言えるでしょう。
伊豆大島のおすすめ観光スポット
波浮港の街並み
かつての島暮らしを彷彿とさせる古い町並みが残る

伊豆大島の南部の波浮港はかつて火口湖でしたが、江戸時代の大津波で海と繋がり、その後さらに人の手で崖を切り崩して現在の港になりました。
良質な風待ちの港として栄え、港町も繁栄。その名残を今でも感じることができるノスタルジックな街並みが残っています。波浮港見晴台からは元の火口湖の名残が見渡せるでしょう。
街には、明治期の総なまこ壁造りの旧甚の丸邸や、当時では珍しい木造三階建ての港屋旅館が残されており、資料館などとして見学が可能です。

裏砂漠
日本で唯一、国土地理院の地図に”砂漠”と表記されている、異国のような壮大な景色

三原山が噴火した際に流れ出た溶岩が砕けてできた、溶岩礫(スコリア)の黒い砂漠、それが裏砂漠です。国土地理院の地理院地図に正式に「砂漠」と表記されているのは、ここ伊豆大島の裏砂漠のみ、日本で唯一の砂漠と言ってもいいでしょう。
晴れた日に行けば、遮るもののない広大な砂漠の向こうに海が広がっていて、とても不思議な光景に感じられます。どこかの異国を思わせる景色は伊豆大島に来たら一度は見ておきたい場所です。また、夜は星観察の絶好のスポットでもあります。
三原山
伊豆大島の象徴の活火山で、大きな火口はお鉢めぐりもできる

活火山である三原山にはハイキングルートが整備されていて、火山の島の景観を見ながら気軽にトレッキングを楽しむことができます。三原山登山口からスタートすると、やがて溶岩礫(スコリア)が積もった道が続き、カルデラを一周するコースに出ます。
途中、1986年に噴火した際の溶岩が流れ出て固まった場所などが、今でも緑に覆われずに露出している箇所を見ることができます。
山頂まで登れば、直径350メートルほど、深さ200メートルもある巨大な噴火口が眼下に広がります。

愛らんどセンター 御神火温泉
火山の島の恵みを体感できる、充実の温泉施設

元町港から歩いて5分という抜群の立地にある温泉施設で、通常の温泉のほかに、ジャグジー、打たせ湯、寝湯、サウナ、温水プールまであり、館内には休憩室も備えたレストランも併設。島人も観光客も集う入浴施設となっています。
水着やバスタオルなどのレンタル・販売も行っているので、手ぶらで立ち寄ることもできます。
また、大型客船入港時は、到着に合わせて早朝から営業しています。ここでまずは船旅の疲れを癒やしてから大島観光に向かうのもありでしょう。

[住所]東京都大島町元町字仲の原1-8
[営業時間]9時~21時(夜行船が到着する日は6時30分からオープン)
[定休日]毎月 第2木曜日・第2金曜日(8月及び2、3月除く)※2020年4月以降は、「毎月 第2水曜日・第2木曜日(8月及び2月3月除く)」に変更となります。
[料金]【大人】700円【小人】300円(小中学生)
[アクセス]【徒歩】元町港から5分 【車】岡田港から20分
「愛らんどセンター 御神火温泉」の詳細はこちら
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ブルーヘイズ農場
三原山の山麓で、ヨナグニウマとふれあい癒やされるホースセラピーを体験

ブルーヘイズ農場は、1998年に与那国島のヨナグニウマを譲り受け、三原山山麓の牧場で育てています。牧場では馬に乗る技術向上よりも、馬とふれあい、馬そのものを知ってもらう「ふれあい乗馬」をメインとした体験に参加できます。
メニューは60分・90分・120分コースがあり、馬への給餌の仕方、馬のブラッシング、引き馬、スタッフに引かれての乗馬、一人乗馬、等が体験できます。
雄大な自然に囲まれて、馬にふれあい心安らぐ時間を過ごせるでしょう。

[住所]東京都大島町元町字上山622-1(農場)
[営業時間]10時開始と13時30分開始より選択
[定休日]なし
[料金]【ふれあい乗馬】料金は1分100円計算で、60分コース 6,000円、90分コース 9,000円 など
[アクセス]【車】元町港より約15分
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東京都立大島公園 動物園
離島の動物園とは思えない立派な施設は、驚きの入場無料

東京都立大島公園は島の東部に位置し、総面積327ha。動物園はその公園内にあります。海の見える広々した園内には、溶岩の地形をそのまま活かしたサル山、国内屈指の大きさを誇るウォークインタイプのフライングケージ、動物と触れ合えるなかよし広場などがあり、約60種400点の動物を飼育しています。
驚きなのが、ここまで充実した施設なのに入園は無料。レッサーパンダの可愛さに癒やされたり、フライングケージ内で過ごすフラミンゴを始めとする鳥類や、カピバラ、ワラビーなどの姿を間近に見ることができます。開放感のある園内で様々な動物の姿を見ることができるスポットです。


[住所]東京都大島町泉津字福重2
[営業時間]8時30分~17時
[定休日]なし
[料金]無料
[アクセス]【バス】 到着港または空港より大島公園行き終点「大島公園」下車
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伊豆大島のおすすめグルメ・お土産が買えるスポット
島京梵天
古い町並みに溶け込むような古民家カフェで、新名物「たい焼き」をいただく

古い町並みが残る波浮地区の高台にある古民家のカフェ、それが島京梵天です。中は駄菓子屋のような風情で、地元の人も観光客も一緒になってくつろぎ、会話が生まれる、そんな穏やかで楽しげな空気あふれる店内。
ここで食べられるのは伊豆大島の新しい名物とも言える「たい焼き」。島の塩、大島牛乳、地卵を使った美味しいたい焼きは、様々な種類があり選ぶのも一苦労。夏場はかき氷もおすすめです。このカフェでは同じ建物内で1棟貸しのゲストハウスも営まれています。

[住所]東京都大島町波浮港6番地
[営業時間]11時~17時
[定休日]月曜日、火曜日
[アクセス]【車】元町港から20分
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港鮨
波浮港の古い街並みで味わう、地のもので握られた島の寿司

出典:じゃらん ご当地グルメガイド 港鮨
波浮港ののんびりした空気漂う港から伸びる路地を入り、古い建物が並ぶ一角に港鮨はあります。普段は静かな波浮港でも、ここは平日のランチ時から賑わっています。
島で穫れた地魚の握り(1,750円)はもちろん、伊豆大島名物である島唐辛子を醤油に入れそれにネタを漬け込んだヅケで握るべっこう寿司(1,750円)がいただけるお店として、島の人から愛されています。
地魚はキンメダイやカンパチ、アジ、トコブシ、ナワキリなど、季節ごとの伊豆大島の新鮮な幸が味わえます。
伊勢海老をまるごと一匹使った贅沢な伊勢海老天丼(2,950円)は、見た目も迫力があって楽しめると評判です。
[住所]東京都大島町波浮港1
[営業時間]11時30分~14時、17時~21時
[定休日]火曜日
[アクセス]【車】元町港から30分【バス】元町港からセミナー入口行き、波浮港見晴台下車、約40分
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魚味幸
元町港からほど近い地元で評判の居酒屋で、新鮮な地魚に舌鼓を打つ

伊豆大島の玄関口、元町港から徒歩5分のところにある居酒屋「魚味幸(うみさち)」は、地元の人も通うリーズナブルで美味しい居酒屋です。板場の前のカウンターとテーブル2つ、というこぢんまりしたお店ですが、メニューは地の海産物を中心に豊富に揃えられています。
キンメダイ、タカベ、イサキ、トビウオ、メジナ、などなど、季節のものを。隠れた名物の豆腐ステーキもおすすめです。地元伊豆大島の焼酎「御神火」や伊豆諸島全体でファンの多い神津島の焼酎「盛若」も置いてあるので、しっかり島の酒も味わえます。
カウンターに座れば、ご主人の話が聞けるかもしれません。アットホームな島の居酒屋の雰囲気が味わえる、そんなお店です。
[住所]東京都大島町元町4-10-3
[営業時間]18時~22時30分
[定休日]日曜日
[アクセス]元町港から徒歩5分
[駐車場]あり(無料)
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農産物直売所ぶらっとハウス
伊豆大島で採れた新鮮な野菜や果物が買えて、ソフトクリームやジェラートが楽しめる

ぶらっとハウスは、大島で採れた新鮮な野菜や果物・畜産物や加工品を販売する農産物直売所。ありきたりなお土産に飽きていたら、こういった島の農産物を買って帰るのもおすすめです。扱っている野菜や果物の生産者や地元の方も立ち寄るので、お土産を選びがてら、お話を伺うのも良い思い出になるでしょう。
開けた場所にあるので、天気の良い日はテラスから伊豆半島や富士山が一望できます。
隣接する大島牛乳工場の新鮮な大島牛乳を使用したソフトクリームは格別ですし、ジェラートは季節ごとの果物など、旬の味が楽しめます。
サイクルラックや自転車の工具など、近年増えているサイクリストへ向けたサービスも充実しています。


[住所]東京都大島町岡田字新開87-1
[営業時間]9時~16時
[定休日]毎月第3水曜日12時、年末年始
[アクセス]元町港から車で約15分
[駐車場]あり(無料)
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※この記事は2020年2月にじゃらん編集部が更新しました
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いづやん
島旅ブログ「ISLAND TRIP」運営の島旅フォトライター/島旅研究家。日本の離島を北から南まであちこち旅して周り、島旅の楽しさをブログやメディア、イベントなどで発信しています。