小宿 縁【兵庫県城崎温泉】
約12℃で溶け始める脂はサラリ。プレミアム但馬牛を狙う。





秋が深まりズワイガニ漁が解禁されると、いつにも増して賑わう城崎温泉。海に近く魚介のイメージが強いものの、周辺は牛肉の名産地でもある。その牛肉とは、現在の黒毛和種のルーツといわれる但馬牛だ。
「但馬牛を食べたいという声は多かったけれど、温泉街に店がなかった。だから期待に応えたくて」とオーナーの田岡聖司さん。7年前、但馬牛専門店を軸にしたオーベルジュスタイルの宿を開業した。
選んだ牛肉は、但馬牛の中でも特別に育てられた「但馬玄」。「飼育法は牛の健康が第一で、エサや環境へのこだわりは徹底的。脂は融点が低く、サラリとしていくらでも食べられてしまう」と惚れ込み、肉を一頭買いに。出荷は月に数頭という希少な牛肉を確保する。
宿泊の際はすき焼き、炭火焼きなど好みの食べ方でプランを選ぶ仕組み。「例えば基本のステーキプランは部位をおまかせいただいてますが、肉質に絶対的な自信があるからできること」と田岡さん。年々増え続けるリピーターの数が、その言葉を裏付けている。


但馬玄(たじまぐろ)とは
ごま中心の独自配合飼料で肉質の向上を追求。牛にストレスを与えないよう牛舎で鼻輪をつけないなど、牛目線で育てている。
[TEL]0796-32-4870
[住所]兵庫県豊岡市城崎町湯島219
[料金]1泊2食1万6500円~
[アクセス]【電車】JR城崎温泉駅より徒歩3分【車】北近畿豊岡道日高神鍋高原ICより40分
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名泉鍵湯 奥津荘【岡山県奥津温泉】
牛の市で栄えた地に伝わる滋味深き鍋にほっと和む。





そずり鍋と言われても、首をかしげる人が多いだろう。これは岡山県津山市周辺に伝わる郷土料理。メインの食材となるのは、牛肉だ。山陰と山陽を結ぶ交通の要衝として栄えたこの地では、千年以上も前から牛の市が開かれていた。長い歴史の賜物だろう、肉食がご法度とされた江戸時代でも、牛肉を食べることが黙認されていたという。
今に伝わる料理のひとつが、そずり鍋。骨のまわりについた肉は、実に味わい深い。だから無駄にせぬよう削ぎ落として、鍋にする。このエリアでは削ることを「そずる」というため、そずり鍋と呼ばれるように。まさに伝統のひと品だ。
津山の北にあるこの宿では、黒毛和種のそずり肉を使う。野菜と一緒にコトコト煮れば、肉自体が上質な出汁に。煮込むほど肉質は柔らかくなる。そずり鍋のプランには、やはりこの地の伝統食である牛の干し肉も登場。明治になり、本格的な肉食が始まる以前から連綿と続く郷土の味は、希少にしてどこまでも滋味深い。



そずり鍋とは
そずり肉には赤身や脂、筋などさまざまな部位が含まれる。だから噛めばほろりと柔らかく、時にコリコリするなど表情豊か。醤油ベースの出汁で野菜とともに煮込んでいく。
[TEL]0868-52-0021
[住所]岡山県苫田郡鏡野町奥津48
[料金]1泊2食2万7500円~
[アクセス]【電車】JR津山駅よりバスで1時間、奥津温泉より徒歩すぐ【車】中国道院庄ICより25分
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