気温が下がる冬もキャンプを楽しむためには、十分な備えがあると安心ですよね。この記事では、キャンプブロガー 劇団にひきさん監修の下、テントやシュラフ(寝袋)などの必需品から、冬用マットや湯たんぽといった寒さ対策に準備したい便利な防寒グッズまで、アウトドア初心者にもわかりやすく解説。テント内外で快適に過ごすために、おすすめの服装も紹介します。
そのほか、キャンプ場で焚き火やストーブを使用するときの注意点も伝授。実際の体験談をもとにした冬キャンプのコツや魅力をたっぷりお伝えします。
冬キャンプに必要な道具や服装

まずは、季節を問わずキャンプに必要な道具を押さえておきましょう。
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■設営に必要な道具
- テント、タープ(日差しや雨・雪を防ぐための広い布)
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■寝具
- 寝袋(シュラフ)マット
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■照明
- 室内照明、ランタン
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■食事のための道具
- テーブル、チェア、調理器具、調理台、BBQグリル、バーナー、クーラーボックスなど
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■焚火のための道具
- 焚火台、焚火スタンド、焚火ハンガー
冬キャンプではこれらにプラスして、防寒や雪かきのための道具などが必要です。冬キャンプの道具や服装について解説していきます。
防寒グッズ

朝晩は特に冷えるので、防寒グッズは「少し多いかな?」と思うくらい用意しておきましょう。ペットと一緒に冬キャンプをするなら、ペット用の防寒にも備えると良いです。
例えば、ストーブや毛布、厚手のシュラフ(寝袋)、湯たんぽなどは持参して臨みたいところ。他にも、さっと羽織れるブランケットは、ひざ掛けや座布団にもなるのでとても便利です。
ホッカイロは手を温めるための貼るタイプと、体全体を温める貼らないタイプを十分な数持っていきます。10個入りセットなどを用意するのがおすすめです。

また、テント内だけではなく、外に設置する椅子にもチェアカバーをかけて防寒対策をすると快適に過ごせます。腰回りが冷えると身体全体が寒さを感じやすくなるため、座るとき防寒も意識しておくと良いでしょう。
銀マット(断熱材)

テントの下に銀マットを敷いておくと、地面からの冷気を遮断できます。テント内の熱を逃がさないようにする役割もあるので、冬キャンプには欠かせないアイテムです。
一酸化炭素警報器

テント内で石油ストーブやガスコンロを使用するとき、絶対に気を付けなければならないのが一酸化炭素中毒。
換気をしないとテント内の酸素が欠乏してしまい、一酸化炭素が発生することで頭痛や吐き気が起こる可能性があります。命にも関わるので、必ずこまめに換気を行う、サーキュレーターで空気の循環を促すといった対策をしましょう。
万が一に備えて、テント内に一酸化炭素警報器を設置しておくことを推奨します。
ポータブル電源

ポータブル電源があると、ヒーターや電気毛布、ホットカーペット、こたつなどが使用可能になります。スマートフォンの充電もできるので、1つ持っていると重宝しますよ。
大容量の15万mah(ミリアンペアアワー)のものであれば、50ワット程度のファンヒーターだけで約10時間も使用できます。ただし、ワット数の高い家電を複数使用するとあっという間に容量がなくなってしまうので、優先順位を考えて使いましょう。

冬キャンプ初心者なら、電源のあるキャンプ場を選ぶのも手です。ホットカーペットなどたくさんの家電を同時に使っても、電源切れの心配はありません。
スコップ

雪が多い場合は、スコップが必須アイテムです。場所によっては、数時間おきに雪かきが必要になることもあるため、道具を自前で用意しておきましょう。
冬キャンプ向きの衣服
季節を問わず、キャンプには汚れても良い服装で行くのが基本です。土や泥、雪がついてもOKなものを選びましょう。テントやタープを設営したり、重い荷物を運んだりするので、動きやすい格好で行くことも忘れずに。

冬キャンプではさらに防寒対策をしっかりしていきましょう。以下のアイテムを参考にしながらコーディネートしてみてくださいね。
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■発熱性インナー
- 寒さに弱い人は、2枚重ね着してもOK
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■レギンス
- ボトムの下に1枚履くだけで、ぽかぽかになる
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■マフラー
- 首元を温めて、冷えないように。ウェアラブルヒーター内蔵のものがおすすめ
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■フリース
- 軽くて保温力・吸湿速乾性の高いものがgood
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■ダウンジャケット
- 冬キャンプには不可欠!耐風・耐久性に優れたアイテム
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■靴下
- 厚手のものがベター。雨や雪で濡れてしまったとき用に、予備も持参
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■手袋
- 寒さで手がかじかむと作業できないので、必須アイテム。指先が出る手袋は料理をするときに便利
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■ブーツ
- 歩きやすいもので、防水加工があると尚良し
冬キャンプにおすすめのテント
冬キャンプにおすすめのテントを4タイプ、冬キャンプにおすすめのテントを特徴と合わせて4タイプ紹介します。
フルコットンテント

雨や雪が降る予定がなく、とても寒い日におすすめなのがフルコットンテント。メリットは、換気が必要ないほど通気性の良いところです。結露することもほとんどないので、快適なテント時間を過ごせそうです。
テクニカルコットンテント

テクニカルコットンという、軽量で結露しにくい素材を使ったテントです。耐久性・保温性・吸水性などに優れているので、バランスの良さが強み。迷ったらテクニカルコットン素材を選ぶのがおすすめです。
ツールームテント

屋根がしっかりしているので、降雨時・降雪時におすすめのツールームテント。リビングと寝室を分けられるなど、レイアウトを考えるのも楽しいですね。ただ、風が強い場合は壊れる可能性があるため、避けた方が無難です。
ティピーテント

夜間に降雪の予報が出ている場合は、三角形のティピーテントがおすすめ。倒壊のリスクが減るというのが大きなメリットです。ただし、雪が降ると押し潰されてテント内の物が倒れてしまうこともあるので、壁際には物を置かないようにしましょう。
冬キャンプでの失敗体験談
劇団にひきさんも快適な冬キャンプの準備を整えるまでに、さまざまな失敗や試行錯誤があったと言います。具体的な失敗体験談と、できる対策をお聞きしました。
テントのフレームが変形!?

雪が降っている時、テントの上に積もった雪を降ろすのを怠ってしまうと、テントが雪の重さに耐えられずフレームが変形してしまうケースもあるそうです。
「特にドーム型のテントは上に雪が溜まりやすい」とのことで、意識してチェックするようにしましょう。
朝起きたらテントが雪に埋もれていて大惨事に

寝ている間に雪が積もり、テントが埋もれてしまうケースもあります。降雪の予報が出ていたら、夜中も数時間ごとに起きて雪降ろしをする方がいいそうです。
また、雪が積もっているとペグ(テントやタープを張る際、ロープを地面に固定する道具)を失くしやすいなど、ちょっとしたトラブルも起こりがちなのだそう。道具は、スペアも用意しておくと安心です。
強風でタープが破けてしまった

風が強いと、タープが破けてしまうことがあるそうです。「強風の日はタープを張らない」というのも1つの対策なのだとか。
油が凍ってしまった
気温が低いので、場所によっては液体物が凍るケースも。例えば、料理で使った油をテントの外に置いていたら、凍って処理が大変になってしまうこともあります。使用後の油は、車や暖かいテント内で保管しておきましょう。
冬キャンプをする上での注意点

冬キャンプに行く前や当日、注意すべきことをまとめました。自分の身を守るために、しっかり準備をしてキャンプに臨むようにしてくださいね。
現地の天候・気温を把握しておく
山の天気は変わりやすいので、天気予報は必ずチェック。特に、指定した場所の天気がわかる“ピンポイント予報”を確認して、いつ雨や雪が降っても対応できるよう備えておきましょう。雨雲レーダーのアプリをスマートフォンにダウンロードしておくと便利です。
テントは天候に応じて頑丈に設営する
テントを支えるペグは通常1本ですが、強風時は2本使うといったように、天候に応じた設営を心がけるようにしましょう。プラスチックペグは強度が弱いので、冬は鉄製のペグを選ぶのが無難です。
リフレクターで風よけをする

風が吹いている時はリフレクター(焚き火専用風防)を使用すると、火が安定します。
また、テントやタープが揺れるほどの強風の場合は、焚き火をするのは諦めるという選択も視野にいれましょう。風が強いと火の粉がテントやタープに飛び、穴が開いてしまう可能性があるので危険です。
テント内はしっかり換気する
どれも一酸化炭素中毒の危険があるので、絶対に避けてください。
また、テント内でストーブを使う場合は、必ず2カ所以上隙間を開けて換気しましょう。1時間に1回ほど、テントの入口や窓を全開にして空気の入れ替えをするのも忘れずに!
十分すぎるくらいの防寒対策をする
先述した「冬キャンプに必要な道具や服装」を参考に、防寒対策は十分すぎると思うくらいしっかりと準備しておきましょう。
冬キャンプならではの3つの魅力

冬は気温が低いためキャンプのハードルが高いですが、寒さを補って余りある魅力がたくさん。冬キャンプだからこそ楽しめるポイントを3つ紹介します。
空気が澄んでいるから景色がキレイ

冬キャンプの魅力は、なんといっても景色がキレイなことです。冬は空気が澄んでいるので、星空も夏より輝いて見えます。焚き火で温まりながら夜空を眺めるだけで、非日常を感じる時間を過ごせますよ。
寒い中のキャンプ飯は格別の美味しさ

寒い日に食べる温かい料理は、いつもより美味しく感じるもの。冬キャンプでは、身体が芯からホカホカになるキャンプ飯を堪能したいところです。
特に初心者でも簡単にできるおすすめの冬キャンプ飯は、辛さが身体を温めてくれる火鍋です。スーパーなどで火鍋の素を買っておけば、あとは出汁がとれるシーフードミックスを入れるだけで完成。豚肉を一緒に煮込んだり、しゃぶしゃぶにしたりして食べるのも美味しいですよ。

また、オリーブオイルとニンニク、具材を一緒に煮込むだけで作れるアヒージョもおすすめ。油なので冷めにくい点も冬キャンプ向きです。
雪を利用した過ごし方が豊富

雪を上手に利用してクーラーボックス代わりにするなど、冬キャンプだからこそできることもたくさんあります。手慣れたキャンパーは、雪でテーブルやチェアを作ったり、積もった雪を掘り下げてリビングスペースを造ったりするのだとか。

雪に横穴を掘り、ランタンやろうそくを置く「雪燈篭(ゆきとうろう)」で、冬キャンプの雰囲気を高めるのもおすすめです。
そのほか、夏キャンプと違って虫が出づらいのもうれしいポイント。「虫嫌いでキャンプを避けてきた」という人は、ぜひ冬キャンプを経験してみてくださいね。ストーブや焚き火などで快適な空間を作って、思う存分楽しみましょう!
【監修・画像提供:劇団にひき】
年間50泊のキャンプレポを中心に、オシャレで便利、そしてオリジナリティ溢れるブログ「今日もどこかで野遊びを」を配信中。福島県南相馬市で、キャンプの夜をイメージした肉バル「本町バルDELISHLABO」の経営をしている。
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※この記事は2024年12月23日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。
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