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2020.12.14

「素敵な写真を撮るコツ」構図をマスターして旅先写真をもっと幻想的に撮影しよう

こんにちは。
写真の撮り方やフォトスポットを紹介するWebメディア「Photoli」編集長の横尾 涼です!

前回こんな記事を書かせていただきました。
素敵な写真を撮るコツ「3つの構図」で旅の思い出を上手に撮影する方法【基本編】

この記事では、写真を撮る上で抑えておきたい、3種類の基本的な構図をご紹介しました。旅先での撮影の際には大活躍する上、撮影にあまり慣れていないときでも意識しやすいのでとてもおすすめの構図たちです。
前回はどんなシーンとも相性の良い構図のご紹介でしたが、今回は少しだけ趣向を変え、ぴったりのシチュエーションを見つけることで大ハマりする構図をご紹介できたらなと思います。

旅先での撮影時に実践できるよう、おすすめのシーン・構図・作例などを合わせてご紹介するので、ぜひ一つでも多く覚えていただけたら嬉しいです。

それではいきましょう!

記事配信:じゃらんニュース

(1)建物や風景で大活躍!安定感を生み出す「三角構図」

最初にご紹介するのは旅先で比較的見つけやすい構図である「三角構図」。
被写体を三角形になるように配置してバランスを取る構図です。

特に風景を撮影する際には、写真の端(下部)を底辺、中心に頂点がくるよう三角形を描くことでどっしりとした安定感が生まれます。

……といっても、言葉だけだと少しわかりづらいので実際に写真をみてみましょう!

広島県尾道市

広島県尾道市で出会った風景です。
穏やかな海とすっきり晴れた空が印象的でした。

この写真では、画面下に写っている山の端を底辺として、岬の先端が三角形の頂点に位置するように意識して撮影しています。

広島県尾道市

線を入れるとこんな感じですね。

建造物、花、地形など、旅先のあらゆるシーンで奥行きや安定感を生んでくれるこの構図。旅先での大活躍間違いなしです!

灯台

青空の元、立派にそびえる灯台です。
灯台だけでなく、あえて少しだけ地面を入れることでどっしり感が出るようにしました。

東京駅周辺

続いてこちら、東京駅周辺の夜の景色です。

建物の最上階のあたりを頂点、写真の下側を底辺とした大きめの三角形を作っています。

こんな風に大胆に三角形を作ると安定感が生まれたように感じませんか?

国営ひたち海浜公園

茨城県の「国営ひたち海浜公園」。ネモフィラ畑の中にも三角形を見つけました。

花びらを頂点として、手前のボケた花を底辺と見立てています。背景のネモフィラが綺麗にボケているので、一輪の頂点がより際立つ写真に。

(2) 風景の中に額を見つける「額縁構図」

お次は「額縁構図」。壁や窓などの仕切りとなるものを額縁に見立てて、その額縁の中に被写体を収める構図です。

写真の上下左右を覆うことによって、額に入れて飾られた写真のようになるのが魅力的。

神奈川県江ノ島

神奈川県江ノ島を散策して見つけた風景です。
手前にある木々が額の役割を果たしていて、遠くにある海が強調されています。

手前の木々を額縁と見立て、遠くの海を印象づける。そうすることで、奥に広がる豊かな景色にワクワクしてもらえたらと思いながら撮影しました。

神奈川県江ノ島

上下左右の全方向だけでなく、上下のみ、左右のみに額を置いても収まりが良くなることが多いです。

サンセット

この写真は、建物の屋根や観光客を額に見立て、上下を覆って撮影しました。

額縁の中にサンセットの様子が収まっていて、当時の旅の記憶を額装したかのような写真に。今見返しても、当時の楽しかった旅の記憶を鮮明に思い出すことができます。

水槽

こちらは水槽を額縁に見立てて切り取った写真です。丸窓の周囲の暗さも相まって、水槽が際立っていることがわかります。

風景

こちらの風景では壁が窓を囲んでいます。

額縁構図は、額の中の様子を印象づける効果のある構図。この写真でも、窓の周りの白い壁が額縁の役割をし、窓際に置かれた器に目線がいきますよね。

旅先を散策する際には、建物や壁など、額縁となるものを探しながら歩いてみてください。

(3)奥まで続く流れを見せる。奥行き感重視の「S字構図」

最後は、奥行き感を強調できる「S字構図」。
名前の通り、アルファベットの“S”を写真の中に描いて目線の流れを生む構図です。

奥に無限に細長く続くような場所、たとえば、川や道などを見つけたら実践してみてください。

京都の紅葉

こちらは京都の紅葉です。
お寺の落ち着いた雰囲気と、それを邪魔しない淑やかな赤色がとても魅力的で思わずシャッターを切りました。

この写真では、階段を上りきった場所をスタート地点として、画面下に向かって「S」を描いていることがわかるかと思います。

京都の紅葉

目線の流れを作ることで、奥にもまだまだ景色が続いているかのように表現することができます。

川

川のなだらかなカーブを写すことで、上流にまだまだ川が続いているという奥行き感を強調できます。

この写真のように、きれいなS字ではなく、半S字を描くだけでも十分奥行きを表現できるのでおすすめです。

高知県桂浜

この写真は高知県桂浜の写真です。
海岸線に沿って大きく半S字を描くように撮ることで、海岸に沿ってどこまでも歩いた旅の記憶を残せます。

構図を掛け合わせて街を散歩しよう

今回ご紹介したのは一歩写真を上達させてくれる、旅先写真でおすすめの構図たちです。

構図は組み合わせることでその真価が発揮されることが多いです。

東京タワー

たとえば、この写真は今回ご紹介したうちの2つの構図を組み合わせて撮影しています。

ひとつはS字構図。画面手前から奥の東京タワーに向かって半S字を描くことで、道がまだ先まで続いているような立体感を生んでいます。

東京タワー

もうひとつは、額縁構図。東京タワーの左右にあるビルを額縁に見立て、タワーへと自然に視線が向かうよう意識しました。

また、写真全体としては車や流線の写る下部と、東京タワーの写る上部とで、画角を二分割して全体のバランスを保っています。

このように構図をいろいろと組み合わせていくことで、さらに印象的な写真も撮影できます。

前回ご紹介した基本の構図とも組み合わせながら、旅先の思い出をより鮮やかに残せる構図を探してみてくださいね。

みなさんの写真ライフが充実しますように。それでは!

横尾涼  横尾涼

写真の楽しみ方や撮影のコツを紹介するメディアPhotoliの編集長です。自身もフォトグラファーとして活動し、風景写真や人物写真を撮影しています。写真と旅とおいしいご飯が好きです。[Photoli]https://photoli.jp/

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