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2020.12.18

大寒(二十四節気)とは?意味や食べ物、2022年以降がいつなのか紹介!

この記事では、大寒(だいかん)、小寒(しょうかん)の意味や、2022年以降はいつなのかをお伝えします。また、二十四節気の意味や、立春との関係、大寒に旬を迎える食べ物もご紹介します。

「寒の入り」からの1ヶ月は、1年でもっとも寒い時期。それは春に向けエネルギーをたくわえる大切な季節でもあるのです。

※この記事は2020年12月1日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
記事配信:じゃらんニュース

大寒(二十四節気)とは?

大寒

二十四節気において、「冬の最後を締めくくる約半月」が大寒です。毎年、だいたい1月20日~2月3日ごろです。

大寒の前の半月は「小寒(しょうかん)」。1月5日~19日ごろです。大寒と小寒を合わせて、「寒の内(かんのうち)」と呼びます。
寒の内は、1年でもっとも寒い時期。各地で最低気温を記録するのもこのころです。

寒の内は合計約30日間。小寒に入ることを「寒の入り(かんのいり)」、大寒が終わることを「寒の明け(かんのあけ)」と呼びます。

大寒が終わると、春の始まり「立春」を迎えます。まだまだ寒いながら、冬の極みは過ぎ去り、春への準備が進む季節です。

二十四節気においては、立春が1年の始まりなので、大寒の最終日は大みそか的な日でした。今も残る節分の豆まきなどの行事は、新年を迎えるための行事です。

ところで、大寒や立春などでよく聞く「二十四節気」ってなんでしょう?

二十四節気

二十四節気は1年を4つの季節(春夏秋冬)に分け、さらにそれぞれの季節を6つに分割したこよみです。4×6=24で二十四節気なのです。

最小単位の一つ一つが、15~16日間の期間を持っています。冬にあたるのが、立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒の6つ。

「大寒」などを定義的に言うと、初日の1日のみを指すこともあれば、約15日の期間すべてを指す場合もあります。

冬至や春分などは、太陽の動きが特徴的であることから、初日を指すことが多いですね。大寒や小寒は、「寒の内」など期間の話題から、期間全部を指すことが多いです。

2022年~2052年までは1月20日が大寒の初日

現代の日本では、国立天文台の観測によって、「太陽黄経が300度になった瞬間が属する日」を大寒の日(初日)としています。

大寒

2022年の大寒の日は、1月20日です。また、2052年までずっと1月20日が続きます。翌2053年は1月19日になりそうです。
ちなみに、2016年は1月21日でした。

大寒の七十二侯について

二十四節気をさらに5~6日間ずつ、3つに細分化した、「七十二候(しちじゅうにこう)」という季節の呼び方があります。

七十二候は自然現象を詩のように表現したもので、もともとは中国生まれなのですが、日本の実情に合わせて何度か呼び名が変わりました。以下は1874(明治4)年の「略本歴」に掲載された呼び名です。

款冬華(ふきのはなさく)

款冬華

1月20日ごろからの約5日間。雪の下からフキノトウが顔を出し始める季節という意味です。

水沢腹堅(さわみずこおりつめる)

水沢腹堅

1月25日ごろからの約5日間。流れる沢の水も凍り付く厳寒の時期、という意味です。写真の東京都檜原村の「払沢(ほっさわ)の滝」もしばしば氷結するほどです。

鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)

鶏始乳

1月30日ごろからの約5日間。大寒も終わりに近づき、ニワトリが小屋に入って卵を産み始めるという意味です。ニワトリは自然な環境で飼育すると、日照時間の短い時期は産卵しない習性があります。

寒の内(小寒~大寒)に行うこと

寒仕込み(寒の水)

寒の水

厳冬期である寒の内に汲む水を「寒の水(かんのみず)」と呼び、この水で仕込んだお酒や、味噌、醤油はおいしくなると言われてきました。不純物や雑菌がもっとも少ない時期であることを、昔の人は経験的に知っていたのでしょう。

寒仕込み

特に日本酒の場合は「寒仕込み」、または「寒造り」と呼んでいます。この時期に仕込んだお酒は、低温下でゆっくり発酵することで、上質のお酒になるそうです。

寒垢離(かんごり)

寒垢離

寒の内の30日間、心身を清めて修行することを寒垢離といいます。冷水を浴びたり、滝に打たれたりなどの禊(みそぎ)をすることも。
そこから、「寒の内に始めた習いごとは上達する」という考えも生まれました。

寒稽古

武道における「寒稽古」、長唄や三味線など芸事の「寒復習(かんざらい)」などがそれ。寒さが厳しければ厳しいほどよいと言われ、あえて早朝に行われるとか。

大寒の旬な食べ物

恵方巻き

恵方巻き

大寒の最終日「節分」の食べ物として根付いてきた感があるのが恵方巻きですね。
起源については諸説ありますが、大阪の花街では大正時代にはすでに縁起担ぎとして食べられていたと言われています。

恵方からは年神様がやってくると考えられ、かつては初詣も毎年、恵方の方向の神社に出かけていたとか。

水菜(みずな)

水菜

寒くなればなるほど美味しさを増す水菜。京菜とも呼ばれ、代表的な京野菜の1つです。
耐寒性が強く、寒さが厳しい折に旬を迎えます。独特の芳香があって、鍋物にはうってつけ。

かつて大阪・船場では、元旦(旧暦だと寒の内前後)には味噌仕立てと根菜の雑煮、2日はすまし汁仕立てで水菜の雑煮…と献立を変えるのが定番だったとか。

赤貝(アカガイ)

赤貝

大寒ごろに旬を迎えるのが赤貝。日本全国で冬の味覚として食べられていますが、江戸前のにぎり寿司では代表的な冬のネタです。

現在の名産地は、宮城県名取市閖上(ゆりあげ)。ここでは新鮮な赤貝を使った「赤貝丼」が味わえます。

赤貝の殻蒸し

また、島根県出雲地方では、お正月の料理として「赤貝の殻蒸し」が今もよく食べられています。

小寒との違い

大寒は「最も寒さが厳しいころ」であるのに対して、小寒は「寒さがだんだん厳しくなっていくころ」という意味があります。

小寒に入ったころから、「寒中見舞い」を出せます。年賀状の返事が遅れてしまった相手や、喪中などで年賀状のやりとりができなかった方に対しては、寒中見舞いを出すといいでしょう。

松の内(1月7日)が明ければ、いつ出しても大丈夫です。

1年でもっとも寒い時期「大寒」を楽しみながら、春の訪れを待ってみてはいかがでしょうか?

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寒中見舞いを出す時期は?

【参考文献】
細井浩志『日本史を学ぶための<古代の暦>入門』吉川弘文館、2014年
白井明大『日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー』東邦出版、 2012年

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ミキティ山田  ミキティ山田

旬な話題を求めて、いろいろな場所を取材・撮影する調査員。分厚い牛乳瓶メガネに隠したキュートな眼差しでネタをゲッチュー。得意技は自転車をかついで階段を登ること。ただしメガネのせいでよく転びます。