close

2021.02.02

身近で見られる「春の花」の名前16選。見頃の時期、特徴、花言葉を紹介

だんだんと陽がのびて、春の足音が聞こえてきます。今回は身近で見られる春の花の名前や特徴を、栃木県足利市にある「あしかがフラワーパーク」の小池智子さんに教えてもらいました。数多くある春の花の中から16種類を、花言葉も添えて紹介します。

春は植物たちが芽吹き、花開く季節です。ちょっとした息抜きに、外に目を向けて、植物たちからエネルギーをわけてもらいませんか。

※この記事は2021年1月15日時点での情報です。

記事配信:じゃらんニュース

さくら(ソメイヨシノ)

さくら(ソメイヨシノ)/身近で見られる「春の花」の名前
ソメイヨシノ

◆特徴 葉に先がけて、淡いピンク色の花が咲く。
◆見頃・時期 関東では3月~4月頃
◆花言葉 精神の美 優美な女性 ソメイヨシノ=純潔、すぐれた美人

日本の春を彩る桜。桜には、野生種で15種、園芸品種で300以上あると言われています。公園や街路樹、庭木でも植えられています。その品種の一つが「ソメイヨシノ」。

あしかがフラワーパークがある北関東では4月上旬ごろに開花します。「つぼみのときはピンク色が濃く、咲き進むにつれて色が淡くなる花。葉の展開より前に花が咲くので、花がより目立ちます。樹皮が黒っぽく、淡い色の花とのコントラストが美しいです」。

菜花(菜の花)

菜花(菜の花)/身近で見られる「春の花」の名前
菜の花

◆特徴 黄色い花、独特の春らしい香りがする
◆見頃・時期 2月~3月下旬(雪深いところでは4月頃からの地域も)
◆花言葉 小さな幸せ 快活な愛 明るさ

春の空の下で黄色いじゅうたんのように広がる風景が、春を感じさせます。菜の花は「アブラナ」ともいいます。日本では古くから油をとったり、食用にしたりするために栽培されてきました。

畑で栽培されていると高さ40~50cmくらい、ポット栽培では20~30cmほど。「開花期間は長いものではないですが、春らしいディスプレイを作るときには重宝する花です」。

チューリップ

チューリップ/身近で見られる「春の花」の名前
園内に咲くチューリップ。一重咲きのものがメイン。

◆特徴 品種によって多様
◆見頃・時期 3月下旬~4月中旬
◆花言葉 思いやり 名声 愛の告白 赤=永遠の愛、ピンク=愛の芽生え、白=純真、紫=不滅の愛、黄色=実らぬ恋

花壇や公園でよく植栽されています。チューリップは種類が豊富で、今のところ5000を超える品種があるといわれ、育てられているものは1000種ほどといわれています。

パーク内では、一重咲きの品種をメインに植えるそう。「幅広い年代の方がイメージしやすいチューリップの景色を目指しています」。このほか、八重咲き、花びらの先が尖っている「ユリ咲き」や、花びらのふちがギザギザしている「フリンジ咲き」など変わり咲き品種もあるといいます。花色も白、赤、ピンク、黄色のほかオレンジや紫、緑などもあり豊富。「園内でも時期によっては様々な色や形のチューリップが楽しめますよ」。

ネモフィラ

ネモフィラ/身近で見られる「春の花」の名前
ネモフィラ

◆特徴 澄んだブルーの花。高さ10~15cmの株がドーム状になり、たくさんの花がつく。
◆見頃・時期 4月~5月上旬
◆花言葉 何処でも成功 可憐 愛国心 清々しい心 私はあなたを許す 荘厳

澄んだ空色の花が地面を覆うように咲きます。和名は「ルリカラクサ」。丘の上など、日が当たるところを好み、国営ひたち海浜公園等が有名です。花壇や公園でもよく見かけます。

あしかがフラワーパーク内では3月中旬に苗植えをして、4月~5月上旬に楽しめます。「苗でも販売されていますが、移植を嫌うタイプの植物なので、植えこむ際には、根を傷つけないように気を付けてください」。

雪柳

雪柳/身近で見られる「春の花」の名前
園内のユキヤナギ
雪柳/身近で見られる「春の花」の名前
ユキヤナギの花

◆特徴 雪のような細かい花と、しだれ柳のような枝
◆見頃・時期 3月下旬~4月上旬
◆花言葉 静かな想い 愛らしさ 気まま

雪が降り積もったかのような、白く小さく可愛らしい花が、枝いっぱいに咲きます。繁殖力は旺盛で、強健。挿し木でも、こぼれ種でも簡単に増やせるので、「お客様の中には、増えすぎて管理が大変とおっしゃる方もいました」。

園内では剪定をして、高さ2mくらいに管理しているという。「株全体に細かな花が咲いて、一面になるその姿と、そよそよと風になびく様子がなんとも言えず素敵です」。

山吹

山吹/身近で見られる「春の花」の名前
ヤマブキ

◆特徴 濃い黄色の花。一重咲き品種の場合、花弁が5枚。
◆見頃・時期 4~5月頃
◆花言葉 気品 崇高 金運

バラ科の植物で、この時期にひときわ目立つ“ヤマブキ色”(橙色に近い濃い黄色)の花を咲かせます。公園、庭園などで目にすることが多いかもしれません。

ヤマブキは、古くから万葉集などの書物にも読まれる花で、桜(ソメイヨシノ)の花が終わるころに咲きだします。国内に広く自生していて、花は一重咲きと八重咲きがあります。育て方も比較的簡単で、毎年美しい花を楽しめます。

マーガレット

マーガレット/身近で見られる「春の花」の名前
白いマーガレット
マーガレット/身近で見られる「春の花」の名前
ピンク色のマーガレット

◆特徴 キクに似た花と葉。背丈は30~100cm
◆見頃・時期 3月~5月
◆花言葉 恋占い 真実の愛 信頼 心に秘めた愛

「一重咲きのチューリップと並び、幅広い年代の方が思い描く、定番の花形といえば一重咲きのマーガレットだと思っています。真ん中に〇を描いてそのまわりにくるくると花びらを描く花といえば、これ。子供のころから身近にある花です」。

春には、花壇などで目にしたり、鉢植えで楽しまれたりする方が多いかもしれません。キク科の低木で、品種によっては甘い香りがあるものもあります。咲き方には一重咲き、八重咲、丁子咲などがあり、色は白やピンク、黄色など様々あります。

ルピナス

春の花
ルピナスの群生

◆特徴 藤の花をさかさまにしたような花が上へ向かって咲く。葉は、てのひらを広げたような形。
◆見頃・時期 4月
◆花言葉 想像力 いつも幸せ 感謝 多くの仲間 など

マメ科の「ルピナス」は、春の園の植栽でもよく使うそう。品種によっては花穂が60~70cmほどになるものもあるといいます。藤に似た花房で、チョウに似た小花が、下から上に立ち上がって咲く様子から別名「ノボリフジ(昇り藤)」とも呼ばれます。「藤の花が天に向かって咲いているようなイメージです」。

属名は「ハウチワマメ属」。名前の由来は、葉が手のひらを広げたような形で、団扇(うちわ)に似ているところからきているようです。花壇だけではなく、地域によっては休耕田に植えられていることも。花色も白、ピンク、オレンジ、黄、紫などカラフル。「見た目の特徴やカラフルさもあって、まとめて植えるとすごく華やかになります」。

デルフィニウム

デルフィニウム/身近で見られる「春の花」の名前
デルフィニウム。奥がエラータム系、手前がシネンセ系。

◆特徴 エラータム系=ヨーロッパ~シベリア原産。一つ一つの花が八重咲で長い花穂に密につく。シネンセ系=中国・モンゴル・ロシア原産。華奢な草姿に一重咲きの花がまばらにつく。
◆見頃・時期 5月頃(地域・品種によっては~6月頃)
◆花言葉 清明 慈悲

デルフィニウムは、花が八重咲で長い花穂が特徴の「エラータム系」と、一重咲きで草姿が華奢な「シネンセ系」があります。このほか、エラータム系とシネンセ系の交雑種といわれる「ベラドンナ系」もあり、花は一重咲きです。

エラータム系はヨーロッパ原産の宿根草ですが、高温多湿を嫌うため日本では一年草として扱われることが多いです。シネンセ系も高温多湿を嫌います。花色は白、ピンク、青、紫など。4月頃に花付きの苗で売られているものは、ハウス管理されたものも多く、春早くから楽しめます。前年秋に苗で植えたものは、早くても5月中旬頃からの開花となります。

園内でもエラータム系を、花壇やバラのエリアに植栽したりします。「草丈が1mくらいになるものもあるので、その存在感がすごいです」。

ペチュニア

ペチュニア/身近で見られる「春の花」の名前
ペチュニア

◆特徴 一重咲きの花はアサガオに似るともいわれる。花径2cm程の小輪タイプから6cmほどの大輪タイプまである。
◆見頃・時期 4月~11月
◆花言葉 変化に富む あなたがそばにいると心が和む 心の安らぎ
鉢や花壇でおなじみの花です。品種改良がすすんでいる植物で、たくさんの花形や花色があり、花びらにストライプ模様や斑点模様が入るような品種もあります。

春から秋まで長期間楽しめ、ハンギングバスケットや寄せ植えなどにおススメだそう。「植えやすく、育てやすく、よく花を咲かせてくれるため、初心者でも始めやすいお花です。株が大きくなっていく春先や、花が休む梅雨の時期には切り戻してあげると分枝して、よりボリュームアップしますよ」。

シャクヤク

シャクヤク/身近で見られる「春の花」の名前
シャクヤク

◆特徴 花はボタンに似ている。一重咲き、八重咲きなど。草本である。
◆見頃・時期 品種にもよるが園内では5月初旬~中旬。一般的には5~6月
◆花言葉 恥じらい 謙遜 清浄 威厳

「立てば芍薬(シャクヤク)、座れば牡丹(ボタン)、歩く姿は百合(ユリ)の花」というように、昔から美人の代名詞の一つです。

「シャクヤクもボタンも、ボタン科ボタン属の植物です。花はとてもよく似ていますが、シャクヤクは草なので冬になると地上部全体が枯れます。一方、ボタンは低木のため、秋に葉が落ちても株元の木の部分は残ります」。

シャクヤクの花色はピンク、白、赤など。和シャクヤクと西洋シャクヤクがあります。和シャクヤクは元々、肥後芍薬のことで、一重咲きや二重咲き。西洋芍薬は花びらの数が多く、派手なものや、香りの強いものが多いのが特徴です。高さは60cm程度。庭花や鉢花として植えられていることが多いです。

ボタン

ボタン/身近で見られる「春の花」の名前
ボタン

◆特徴 赤、紫、黄、白などの花色。大ぶりの花。低木である。
◆見頃・時期 品種にもよるが4月下旬~5月中旬ごろ
◆花言葉 風格 高貴 恥じらい 人見知り

秋に葉が落ちますが、株元の木の部分は残ります。低木に分類されます。高さは大きいもので1.5m~2mほどに。鉢植えのものでも年を重ねると60~80cmくらいになることがあります。

「ボタンは“花の王”とも呼ばれ、一般的にはシャクヤクよりも花が大ぶり。色は多様ですが、牡丹色という名前の赤みがかった紫色があるように、濃い色の花というイメージが強いです。春にボタンを楽しめる寺院や庭園などに行くと、特に贅沢な花の空間を味わえますよ」。

あしかがフラワーパークでは、年末から2月頃まで冬咲きボタンが見頃の時期となり、「その頃のボタンは、わらで作った雪囲いをして春とは違った雰囲気で楽しめるようにしています」。

藤/身近で見られる「春の花」の名前
あしかがフラワーパーク内の大藤。
藤/身近で見られる「春の花」の名前
藤の小花は蝶のような形。

◆特徴 つる性の植物。蝶のような小花が房状に咲く。
◆見頃・時期 4月下旬~5月中旬  
◆花言葉 やさしさ 恋に酔う 歓迎

つる性の植物です。その仕立て方によって「藤棚」にもなり、自立性の樹木のようにみえる「庭木藤」にもなります。花色は、白、ピンク、紫など。

一つ一つは蝶のような形の小花が、房状に咲きます。その見た目はブドウのようにも見えます。「世界的にも珍しい八重咲きの藤『八重黒龍』は見ごろの時期になると、その株全体に葡萄がたわわになっているような感覚を覚えます。一重咲きの清楚な藤とはまた違って、洋風というか、なんというか。園全体に広がる甘い香りも含めて、言葉には表現しがたいので、ぜひ実物を見てもらいたいです」。

「藤のつぼみが徐々にほぐれていき、花が咲くまでの様子は見ていて飽きません。日々の変化も楽しんでいただけると嬉しいです。開花状況に関しては、公式ホームページでご覧ください」。

ツツジ(クルメツツジなど)

ツツジ(クルメツツジなど)/身近で見られる「春の花」の名前
ツツジ

◆特徴 クルメツツジは漏斗型の花が、株を覆うように咲く。低木。
◆見頃・時期 4月中旬~5月上旬または中旬
◆花言葉 慎み 節度 赤=愛の喜び、白=初恋

園内には5000本以上のツツジが植えられ、「ツツジの丘」や「ツツジの海」というエリアがあるほど。クロフネツツジ、ゲンカイツツジなどの品種もありますが、全体の7割程度は「クルメツツジ」です。

クルメツツジは、低木で、大きさは3mくらいまで。白やピンクの漏斗型の花が、株全体に咲きます。一般的に、ツツジは個人宅や庭園などに植えられています。ちなみに、サツキもツツジの仲間でツツジより少し遅く、5月頃に咲くそう。「道路脇などの街路樹や都市緑化などによく利用されるサツキは目にすることも多いと思います。今はもう、そうする子は少ないかもしれませんが、私たちが登下校時に花蜜を吸っていたのはサツキかもしれませんね」。

オオデマリ

オオデマリ/身近で見られる「春の花」の名前
オオデマリ
オオデマリ/身近で見られる「春の花」の名前
咲き始めは黄緑色のオオデマリ

◆特徴 小さい花(装飾花)が10cmくらいのボール状に咲く。高さは3~4m。
◆見頃・時期 5月
◆花言葉 私は誓います 華やかな恋 天国

真っ白なボール状の花(装飾花)を咲かせるオオデマリ。「ジャパニーズスノーボール」という別名も。「花がアジサイに似ているといわれることもあります」。主に公園などで見られ、のびのびとした場所で美しく咲きます。

「個人的には、スジがくっきりと入ったハート型の葉っぱも可愛いと思います。遠くから見ても花時にはとてもよく目立つので、季節の花木としては人気があります。また、咲き始めは黄緑色で、数日で白色に変わっていくのが面白いですよ」。

バラ

バラ/身近で見られる「春の花」の名前
バラ/身近で見られる「春の花」の名前
バラ

◆特徴 一重咲き、カップ咲き、検弁高芯咲きなど咲き方は様々、香りのあるものも多い。
◆見頃・時期 品種によるが、5月頃(春)と10月頃(秋)
◆花言葉 赤=愛、ピンク=上品、白=無邪気など。1本=一目惚れ、2本=二人だけ、3本=告白…99本=永遠の愛、108本=プロポーズ、999本=何度生まれてもあなたを愛します、など。

たくさんの品種があるバラですが、一季咲きと四季咲きがあり、一季咲きが咲くメインが春だそう。「秋バラは、同じ品種でもより花色が深く、香りも強いと言われます。それに対して春バラは、いろんな品種が花を株全体にたくさんつけて咲く様子が見られます」。

園内には500種類、2500株のバラがあり、エリアに行くと多様な色や形の花と香りを楽しめます。品種によっては香水のように香るものも。「バラはその多様さを楽しんでもらえたら」。


■取材協力/あしかがフラワーパーク
あしかがフラワーパークでは2021年も、350本以上の藤の花と5000本以上のツツジが咲き乱れる「ふじのはな物語」(4月中旬~5月中旬)、500種2500株のバラとシャクナゲ、クレマチスが楽しめる「レインボーガーデン」(5月中旬~6月上旬)を開催予定。詳細は公式HPをチェック。

身近で見られる「春の花」の名前
園内には藤の花の甘い香りが漂います。
身近で見られる「春の花」の名前
咲き出しの白藤。青空にも映えます。
身近で見られる「春の花」の名前
藤のライトアップも!

まとめ

あしかがフラワーパークの小池さんに、春に身近にみられる花を16種教えてもらいました!小池さんは、「冬の寒さから“解放“されて、植物の力強さを感じられる春。芽吹きから花が咲くまでの変化の過程が日毎に見られます。例えば、藤の花では、伸びていく様子やつぼみの姿も可愛いですよ。春の2~3か月で植物が変化し続け、たくさん違う風景を見せてくれる、とてもいい季節です。どんどんにぎやかになっていき、ウキウキします」と話します。

まもなく春の花の季節がやってきます。身近にある花を、じっくり見上げてのんびり過ごしてみましょう。

■花言葉:参考文献
二宮孝嗣著『美しい花言葉・花図鑑 彩りと物語を楽しむ』ナツメ社、2015年
金田洋一郎著『散歩で見かける草木花の雑学図鑑』実業之日本社、2014年

※この記事は2021年1月15日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、各自治体により自粛要請等が行われている可能性があります。
※お出かけの際は、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、マスクの着用、手洗いの徹底、ソーシャルディスタンスの徹底などにご協力ください。

じゃらん編集部  じゃらん編集部

こんにちは、じゃらん編集部です。 旅のプロである私たちが「ど~しても教えたい旅行ネタ」を みなさんにお届けします。「あっ!」と驚く地元ネタから、 現地で動けるお役立ちネタまで、幅広く紹介しますよ。

Topics

tag

この記事に関連するエリア

この記事に関連するキーワード