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2021.03.30

【スーパームーン】とは?2022年は7月14日に訪れる予定!周期や満月の種類も紹介

2022年のスーパームーンは7月14日に見られる予定です。
2021年はスーパームーンと同じ5月26日に皆既月食が見られました。

スーパームーンとはそもそもどういう意味?どれでくらいの周期で見られるの?地球とはどれくらい距離が近づくの?

今回は、スーパームーンの定義などのあれこれと、他の満月の種類について、星の文化館の館長・桐野修さんに聞きました。

※この記事は2022年2月25日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。

記事配信:じゃらんニュース

スーパームーンとは?

(画像提供:星の文化館)
(画像提供:星の文化館)

スーパームーンとは、その年に見える月の中で「もっとも大きな満月」です。月の見える大きさは地球と月の距離に関係をしており、この距離が近いほど大きく見えます。また、この距離は月の公転に影響を受けています。

公転とは月が決められた道筋に沿って地球の周りを回る現象であり、そのルートは楕円形になっています。

「球体の周りを楕円が囲んでいる様子」をイメージすると分かりやすいかもしれません。つまり、地球と月の関係には近づく時と離れる時がありますよね。スーパームーンは、これがもっとも近づいた時に見える満月です。

ちなみに、「スーパームーン」という言葉の誕生には占星術から生まれたなど諸説があり、はっきりとしていません。同様に、定義にも様々な意見があり「地球と月が近い時は新月でもスーパームーンと呼ぶ」など、基準がかなり曖昧です。

そのなかでも「その年に見える月の中で、もっとも大きな満月」という認識が現在もっとも一般的に浸透しています。

スーパームーンと地球の距離は約36万km前後です。ちなみに、地球と月がもっとも遠くなる時には40万km前後まで離れ、約4万kmの差があります。もっとも遠ざかった月を「マイクロムーン」といいます。

「スーパームーン」と「マイクロムーン」では直径の大きさに14%ほど、明るさに3割ほどの違いがありますが、肉眼でこの月の大小に気が付くことはなかなかできません。月がスーパームーンからマイクロムーンに変わるまでには、だいたい半年ほど掛かり、ゆっくりと変化するため違いを感じにくいのです。

スーパームーンの周期

(画像提供:星の文化館)
左がマイクロムーン、右がスーパームーン。(画像提供:星の文化館)

2021年のスーパームーンは5月26日に見ることができました。2020年には4月8日に観測されており、2022年は7月14日に訪れる予定です。スーパームーンの周期は、だいたい400日前後で「1年に1回」見ることができます。

ちなみに月には、より大きく見ることができる時間帯があり、昇り始めた頃のだいたい18時前後です。その時間には「頭上にある月よりも20%ほど大きく見ることができる」と言われていますが、実はこれは目の錯覚です。

実際大きさに違いはありませんが、肉眼では地平線の近くにあるほど大きく見えるため、昇り始めた頃が一番大きく見えます。

他の満月の種類

(画像提供:星の文化館)
(画像提供:星の文化館)

「スーパームーン」の他にも満月には色々な呼び方があり、それは各国の文化や風土に大きく影響を受けています。

様々な名前がありますが、これはあくまでも呼び方の違いであり「ピンクムーンだから月が桃色になる」など月そのものに変化はありません。今回は、ネーミングに特徴がある満月をピックアップして紹介します。

ブルームーン

(画像提供:星の文化館)
(画像提供:星の文化館)

「ブルームーン」は、その月で2度目に現れた満月です。満月にはおよそ30日弱の周期があり、通常のサイクルは1ヵ月間に1度ですが、そのルーティンはごく稀に崩れることがあります。

その時には月初めと月終わりに満月が現れますが、この現象は1~3年に1回ほどしか見られません。この幻の様な珍しさには「青い月」を連想させる魅力があり「ブルームーン」と呼ばれています。

ブラッドムーン

(画像提供:星の文化館)
皆既月食中の月(画像提供:星の文化館)

色そのものに変化がある満月もあり、そのひとつが「ブラッドムーン」です。ブラッドムーンは赤色の満月で、この変色には、その時の環境と光の性質が影響しています。まず、「ブラッドムーン」が現れる状況は空気中に塵が多い時です。

塵には光を遮る効果があり、その作用は青色や黄色の光を届きにくくしてしまいます。つまり空気中に浮遊物が多い環境では、月から放たれた様々な色が通常通りに私たちのもとに届きません。

しかし、赤色は塵が多い環境でも通りやすい光です。ようするに、他の色は届かなくても、赤い光はきちんと伝わるので赤の濃度が高くなり「ブラッドムーン」が現れてきます。

ちなみに、皆既月食中の色も少し「ブラッドムーン」に似ています。皆既月食は、月が暗くなり見えなくなる現象です。この現象には太陽、地球、月の位置が関係しており、それぞれが一直線に並んだ時に、太陽が地球を照らした影がそのまま月に落ちて暗くなります。

ピンクムーン

(画像提供:星の文化館)
フロックス(画像提供:星の文化館)

アメリカではその月々で満月に名称が付けられており、とてもユニークです。1月は「ウルフムーン」で、この名前には「狼の遠吠えが増える時期」という季節柄が影響しています。続いて4月は「フロックス」というピンクの花が開き始めるため「ピンクムーン」と呼ばれています。

ストロベリームーン

(画像提供:星の文化館)
(画像提供:星の文化館)

6月はイチゴの収穫時期にちなんで「ストロベリームーン」です。続いて7月は「バックムーン」。バックには英語で「牡鹿」という意味があり、牡鹿の角が生え変わる時期がだいたいこの頃です。

ハーベストムーン

(画像提供:星の文化館)
(画像提供:星の文化館)

10月は収穫の季節なので「ハーベストムーン」。そして11月は「ビーバームーン」です。この季節には、ビーバーが越冬のために巣作りをし、また毛皮を目当てにビーバーを捕獲する季節でもあります。

コールドムーン

(画像提供:星の文化館)
(画像提供:星の文化館)

最後に12月は冬の寒さが強まるので「コールドムーン」。アメリカの満月には代々受け継がれていた人々の暮らしが沁み込んでいて、とても魅力的です。

身近でありながらも、思いのほか知らないことが多い月。時には夜空を見上げて、その魅力に浸ってみてはいかがでしょうか?今年のスーパームーンもお見逃しなく!

【監修】桐野修さん
昭和48年福岡県久留米市生まれ(47歳)幼少の頃より星や宇宙に興味があり、小学生の時に望遠鏡で観た土星の姿に感動し、天体写真撮影にのめり込む。平成26年 福岡県星野村にある天文台『星の文化館』の職員となる。令和2年館長に就任。
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まつもとしゅんさく  まつもとしゅんさく

フリーライター、編集者、脚本家。渋谷駅から徒歩7分の場所に住んでいます。好きな人は小泉今日子、落合博満、柳家小三治。トレードマークはオレンジの髪の毛。