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2021.04.03

熱海の喧騒から離れた穴場温泉「妙樂湯」で最高の酵素風呂体験へ【2021・静岡】

訪れた温泉は約500という温泉オタクの永井千晴(ながち)さん。『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』という書籍も出版されています。

この記事では永井さんがこれまでに訪れた温泉の中から、“穴場でおすすめ”というスポットを紹介してもらいます。

毎月、穴場温泉の情報をお伝えしますので、いつか行きたいスポットとしてぜひチェックしてみてください。

※この記事は2021年3月19日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。

記事配信:じゃらんニュース



都内からサクッと行きやすく、いつも観光客でにぎわっている熱海(静岡県)。観光スポットはもちろん、花鑑賞や花火大会などイベントが年中充実しており、いつ訪れても飽きることはありません。海鮮やご当地スイーツもあり、美味しく楽しく過ごせるすばらしい温泉地です。

とはいえ、その熱海に充満する活気によって、ひとり旅だと少しだけ落ち着けなくなってしまうことも。ゆっくりのんびり過ごしたいのに、どこもかしこもにぎわっていると、深呼吸がしにくくなってしまいます。

そこで今回私がおすすめしたいのは、熱海駅から2駅となりの伊豆多賀駅にある日帰り温泉施設「妙樂湯」。少しだけ足を伸ばして、心身をほぐせるリピーター続出のスポットをご紹介します。

「狙っていかなければたどり着けない」、素朴なたたずまい

穴場温泉「妙樂湯」で最高の酵素風呂体験へ

妙樂湯は、坂の多い伊豆多賀駅周辺の住宅地にぽつんとたたずむ小さな日帰り温泉施設です。奥まった位置と、飾り気のないたたずまいのために、通りすがりではなかなか気づけないような「知る人ぞ知る」感があります。

車以外でのアクセスは、伊豆多賀駅からタクシーまたは徒歩約30分ほど。

穴場温泉「妙樂湯」で最高の酵素風呂体験へ

紺色ののれんがかかった入り口を入っていくと、大きな「妙樂湯」の文字。古民家カフェのようで、引き戸を開ける瞬間心をくすぐられます。

穴場温泉「妙樂湯」で最高の酵素風呂体験へ

手入れの行き届いたつやつやのフローリングに、天井が高く開放的な木造建築。オレンジのあたたかい灯りが可愛らしく、そこここに古い家具や農機具が展示されていて趣があります。

妙樂湯の名物は、「酵素風呂」。その体験を求めて、多くの方がここまで足を運ぶのです。

ふかふかのおが粉と米ぬかに体をうずめて、生き返るような15分

酵素風呂というのは、ヒノキやスギのおが粉と米ぬかを自然発酵させた熱を使って、砂風呂のように体をうずめるもの。妙樂湯の酵素風呂の利用者は、8割がリピーターなのだとか。

温泉入浴料は1100円、酵素風呂は2750円(温泉入浴料1100円+酵素風呂入浴料1100円+専門着レンタル550円)です。受付で白い上下セットの専門着を借りて、脱衣所で着替えます。2名ずつの案内になるので、ひとりでも、異性のパートナーや友人とも利用できるのがポイント。その分、他のお客さんが入っていると、少し待つ必要があります。
(ひとりの場合は別のお客さんと一緒に入ることもあります)

穴場温泉「妙樂湯」で最高の酵素風呂体験へ
お風呂への道のり、木造りのかわいいインテリアが並べられています
穴場温泉「妙樂湯」で最高の酵素風呂体験へ
酵素風呂。もうもうと湯気がたちこめています

毎日20kg以上の新しいおが粉・米ぬかを投入している酵素風呂。この場には合計4トンのぬかが敷き詰められているそう。ご主人が大きなシャベルやトンボを使って、人ひとりが体をうずめるための穴を用意してくれるので、そこに寝そべって、されるがまま、ぬかで埋められます。

砂風呂よりもやわらかくて、優しく包まれるような感覚。なんとなく植物になったようです。専門着はフード付きなので、髪の毛にぬかが絡まらないのもありがたいところ。

酵素風呂は15分をめどに、浸かりたいだけ浸かることができます。最初は温かくて気持ちいいな~ぐらいの感触だったのが、次第にぬるりとした汗が全身から吹き出し、熱さと重みで全身に血がめぐり、芯から温まっているのがよくわかります。酵素風呂の温度は約60℃。アツアツのサウナが苦手な方もチャレンジできます。

体を起き上がらせる頃には、くらりと立ちくらみを起こしてしまうほどでした。めちゃくちゃにしんどくて気持ちいい。

穴場温泉「妙樂湯」で最高の酵素風呂体験へ

シャワーでぬかと汗を洗い落としたら、いよいよ温泉へ。ガツンとくる酵素風呂の後にぴったりよく合う、あがり湯のような軽やかな単純温泉です。加水・加温・循環ろ過・消毒ありですが、塩素のにおいもせず、爽やかで気持ちいい。湯船も清潔で、内湯は広々かつ深々、全身が湯でほぐされます。

穴場温泉「妙樂湯」で最高の酵素風呂体験へ

外の風をそよそよ感じられる岩露天風呂があるのもサイコー。こちらは白湯です。

心も緩まるくつろぎの休憩処と、おいしい食事

穴場温泉「妙樂湯」で最高の酵素風呂体験へ

入浴後は受付奥にある休憩処へ。妙樂湯は、ここがいいんですよね…。

他のお客さんとも一定の距離を保てる、穏やかな休憩処。木製の大きなテーブルときれいな畳で、障子の向こうからは外気がゆるりと入ってきて、とっても居心地がいいです。落ち着く。

穴場温泉「妙樂湯」で最高の酵素風呂体験へ
手書きのおしながき。かわいい
穴場温泉「妙樂湯」で最高の酵素風呂体験へ
テイクアウトの玄米おむすび

一通り食事が済ませられるので、昼食とともに訪れるのがおすすめ。お蕎麦やおむすびが美味しいです。午後4時までなら食事もでき、テイクアウトも可能だそう(2021年3月時点)。

穴場温泉「妙樂湯」で最高の酵素風呂体験へ

ドリンクは休憩処でいただけます。100%しぼりたてのオレンジジュースや、人参りんごジュースなど、どれもこれもフレッシュで美味しい。大きめのタンブラーグラスに紙ストローという、なんとも家庭的で、エコな思想を感じられる一杯でした。

熱海の喧騒から離れて、最高の酵素風呂体験を

妙樂湯から帰ってきた夜は、体が軽くなった感覚でした。輪郭があいまいだった泥のような心身が、毒素が抜けてなんだかハッキリとしているような。

首都圏から日帰りで行ける距離にあり、穏やかな大人のリフレッシュタイムを求める方にはぜひおすすめ。帰りは小田原のかまぼこや熱海の干物を買って帰って、おいしい夕食を食べて翌日に備えましょう。

\過去の記事はこちら/
“ひとり温泉”を楽しむ特集一覧

■プロフィール

永井千晴(ながち)

永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。普段はCHOCOLATE Inc.でプロデュース業をしています。元じゃらん編集部員。
Twitterアカウント @onsen_nagachi

『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』

<女ひとり温泉をサイコーにする53の方法>

2020年11月26日発売。訪れた温泉は約500湯。ヒマさえあれば女ひとりで温泉を巡りまくっている「温泉オタク会社員」による温泉偏愛エッセイ!つぶやくと同時に6.8万RTされた「東京・大阪から1泊2日で行けるお勧め温泉チャート」付き

書籍の情報はこちら
https://www.gentosha.co.jp/book/b13386.html

※掲載の価格はすべて税込価格です。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、各自治体により自粛要請等が行われている可能性があります。
※お出かけの際は、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、マスクの着用、手洗いの徹底、ソーシャルディスタンスの徹底などにご協力ください。

永井千晴(ながち)  永井千晴(ながち)

温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi

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