東京都から八丈島を経由してたどり着く青ヶ島。
満点の星空が広がる秘島は、いつか行ってみたいスポットとして注目を集めています!
この記事では青ヶ島の魅力や観光スポット、行き方や宿泊する際に知っておきたいことなどをご紹介!
アクセス手段であるヘリコプターと船の低い就航率や欠航などの注意点もあるので、訪れる際の参考にしてください。
※この記事は2021年7月6日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
青ヶ島とはどんなところ?
青ヶ島の魅力1:特徴的な二重火山
青ヶ島の魅力2:満点の星空
青ヶ島の魅力3:島内に噴出する地熱蒸気
青ヶ島へのアクセスと就航率
【大凸部】最も高い場所に位置し絶景が美しい
【尾山展望公園】360度広がる海と空。晴れた日には八丈島も!
【丸山遊歩道】季節の草花を眺めながら丸山をぐるっと一周できる
【ジョウマン共同牧場】澄み切った空に美しい星々が広がる非日常的空間
【ふれあいサウナ】地熱を利用し日によって異なる熱さを楽しめる天然サウナ
【ひんぎゃの地熱窯】島の特産食材を天然の蒸し器で味わえる
【青酎】青ヶ島で代々造られてきた幻の焼酎
【食文化】栄養価の高い島野菜を豊富に使った郷土料理
【郷土芸能】風情を感じる踊りと太鼓の音色に心癒される
【小さな村の暮らし】約170名の島民による温かな雰囲気
青ヶ島を満喫するモデルコース
青ヶ島に行く際の注意点
青ヶ島とはどんなところ?
青ヶ島とは都心から358キロ南に位置し、面積5.96平方キロメートルの島です。
隣接する八丈島とも70キロほど離れており、黒潮の強い流れと島の周囲がすべて断崖であることから船がつけられず、長らく物資や人の往来が困難な島として有名でした。
かなり改善した現在でも『絶海の孤島』と評されるほど。
2021年5月1日現在人口167名、全国で最も人口の少ない自治体としても知られています。
青ヶ島の魅力1:特徴的な二重火山

島全体が火山である青ヶ島。火山活動によってできた大きな凹地(カルデラ)の内にさらに小さな火山がある複式火山が特徴的です。
外輪山にのぼって見下ろすと二重になったカルデラが見えます。カルデラ内部に広がる雄大な自然と外側に広がる太平洋のコラボレーションは、思わず息を呑むほど壮大で美しい光景です。
青ヶ島の魅力2:満点の星空

都心部から距離があり空気が澄み切っているので、天気がよい新月の日には満点の星空が広がります。夏には天の川やペルセウス座流星群、冬には国内でも限られた地域でしか見ることのできないカノープスなど、季節ごとの星空が魅力です。
特に外輪山内部で見ると、空がすべて星で覆われていて、まるで星の中にいるような絶景を見ることができます。
青ヶ島の魅力3:島内に噴出する地熱蒸気

地熱蒸気が噴出している地帯が島内に数か所あり、噴気孔は島の言葉で「ひんぎゃ」と呼ばれています。島民にとっては身近な存在として、電気がない時代から暖房・調理などに利用されてきました。
ひんぎゃの熱を活かした観光スポットとして話題を集めているのがサウナと地熱窯です。
サウナは平均約60度。自然の熱を利用しているので日によって温度・湿度が異なり、その日その時の暑さを楽しむことができます。
また、地熱窯は島で採れた様々な食材をふかすのにぴったり!
卵やじゃがいも、さつまいも、プリンに赤飯までなんでもふかせるので、地元の人のイチオシ食材を聞いてみては?
海水を地熱で製塩した「ひんぎゃの塩」はお土産としてもおすすめです。
青ヶ島へのアクセスと就航率
東京からの直行便はなく、八丈島から船またはヘリコプターで向かうことが可能。天候の影響で欠航することもあるため、考慮してプランを練ることが必要です。
またどちらの手段も1日1便しかないので、必ず来島前に宿の予約をすることを忘れずに。
船・ヘリコプターそれぞれで向かう際に抑えるべきポイントを紹介します。
【船】
定員約50名で所要時間は約3時間。
青ヶ島の港は断崖から外海に堤防が張り出しているので波やうねりの影響をうけやすく着岸が難しいことで知られます。
冬場は特に就航率が低く50%ほどになることも。
また季節問わず台風の影響を受けやすく、遠い地域の台風でもうねりが出れば1週間以上欠航が続くこともあります。
就航可能かどうかは運航予定日当日の朝7時に決定する為、宿泊日の短縮や延泊など日程の変更が発生する可能性も考慮しながら予定を立てましょう。
【ヘリコプター】
定員が9名しかないので必ず予約が必要です(搭乗日の1ヶ月前から予約開始)。
八丈島から20分で青ヶ島に到着でき、風にも強く船と比べると就航率が90%以上と安定して高いのが魅力です。
ただし、梅雨や秋雨前線の時期は濃霧のため視界不良による欠航があります。
天候情報をこまめにチェックし、宿に予約する際に交通手段も伝えておくことがポイントです。
次に青ヶ島を語る上で欠かせないスポットや文化・食べ物などをご紹介します!
【大凸部】最も高い場所に位置し絶景が美しい


標高423mと島の最も高い場所に位置する大凸部。
頂上には展望台があり、青ヶ島のシンボルともいわれる丸山や青々と生い茂る草原、島の周囲に広がる大海原など、手つかずの自然を満喫できます。
集落からほど近く、徒歩20分ほどで気軽に登ることができるのも魅力。
また、夜には満点の星空が広がるので、観測スポットとしてもおすすめです!
[アクセス]【車】青ヶ島ヘリポートより約5分【徒歩】青ヶ島ヘリポートより約40分(入口までなら約20分)
[駐車場]あり(無料)
「大凸部」の詳細はこちら
「大凸部」のクチコミ・周辺情報はこちら
【尾山展望公園】360度広がる海と空。晴れた日には八丈島も!

集落から約1km、遊歩道を歩いて15分ほどで到着する、地球をイメージした青いタイル張りの円形モニュメントが目印の公園。
大凸部とほぼ同じくらいの高さに位置し、カルデラ内の様子と集落一帯の絶景が目の前に広がります。
360度広がる大パノラマの太平洋にも注目。天気がよければ八丈島が見えることも!
風が強いことが多いので、物を飛ばされたり転んだりしないように注意が必要です。
[アクセス]【車】青ヶ島ヘリポートより約5分【徒歩】青ヶ島ヘリポートより約20分
[駐車場]あり(無料※1台のみ)
「尾山展望公園」の詳細はこちら
「尾山展望公園」のクチコミ・周辺情報はこちら
【丸山遊歩道】季節の草花を眺めながら丸山をぐるっと一周できる

丸山を囲うように続いている遊歩道。
一周30分ほどで回ることができ、季節ごとに異なる様々な鳥や植物を観察しながら、カルデラ内池之沢(いけのさわ)地区をゆっくり見渡せます。

ただ歩いているだけでも島の自然を満喫できますが、特に金太(キンタ)と呼ばれる低くなった外輪山のすき間から見える太平洋の絶景は必見です。
【ジョウマン共同牧場】澄み切った空に美しい星々が広がる非日常的空間

標高200m、島最北端部の崖の上にある島で唯一の牧場。ここでは青ヶ島の産業の一つである黒毛和牛を飼育しています。
毎年8月には「牛祭り」と呼ばれる和牛の品評会を兼ねた夏祭りが行われます。
集落から離れた場所にあり、夜になると静寂に包まれ街灯が一切無いので星空をゆっくり眺められます。
星と自分しか存在しないと思えるほどの非日常的な時間を過ごしてみては?
[アクセス]【車】青ヶ島ヘリポートより約5分【徒歩】青ヶ島ヘリポートより約20分
[駐車場]なし
「ジョウマン共同牧場」の詳細はこちら
「ジョウマン共同牧場」のクチコミ・周辺情報はこちら
【ふれあいサウナ】地熱を利用し日によって異なる熱さを楽しめる天然サウナ

ここは地熱を利用したサウナのある入浴施設です。ひんぎゃは昔から農作業で疲弊した身体を温めて痛みをとるなど、島民に古くから親しまれてきました。
サウナ室の温度は約60度。自然の熱であるため、日によって温度・湿度が異なり、その日その日の熱さを楽しめるのが特徴。
その他にも水風呂やシャワー、ジャグジー、休憩室があるのでサウナに入った後もゆったりと寛ぐことができます。
島内を散策して疲れた体をリフレッシュしてください。
[営業時間]【平日】16時~20時、【土日祝】14時~20時(最終入場19時)
[定休日]水
[料金]大人300円、子ども100円、小学生未満無料(電子マネー、カード対応なし)
[アクセス]【車】三宝港より約10分【徒歩】三宝港より約30分
[駐車場]あり(無料)
「ふれあいサウナ」の詳細はこちら
【ひんぎゃの地熱窯】島の特産食材を天然の蒸し器で味わえる

地熱を利用して調理が出来る釜。
ふれあいサウナのほど近くにあり、空いていれば無料で誰でも利用できます。
蒸気自体がほぼ無味無臭な水蒸気のためどんな料理でも簡単においしく仕上がるのが特徴。
食材は周辺で購入できないので、宿泊予定の民宿に相談するか事前に購入しておきましょう。
卵やウィンナー、イモなどが特におすすめで、島特産の塩をかければより一層美味しさが引き立ちますよ。
【青酎】青ヶ島で代々造られてきた幻の焼酎

昔ながらの製法で作られる生産量の少ない「幻の焼酎」。物資が届きづらい青ヶ島で、家族のために主食のサツマイモを用いて焼酎を造ったことがはじまりです。
現在も杜氏(酒職人)が代々受け継がれてきた造り方で醸しているので大量生産ができず、島外に出回ることがほとんどない貴重な焼酎として知られています。
芋と焦がし麦による独特の風味が特徴的で、集落近くにある青ヶ島酒造では試飲や販売も。お酒好きな人はぜひ立ち寄ってみてください!
[営業時間]常駐していないため不定※見学希望の場合は要予約
[定休日]常駐していないため不定※見学希望の場合は要予約
[料金]焼酎:2500円~4000円
[アクセス]【車】青ヶ島ヘリポートより約5分【徒歩】青ヶ島ヘリポートより約15分
[駐車場]なし
「青ヶ島酒造」の詳細はこちら
【食文化】栄養価の高い島野菜を豊富に使った郷土料理

青ヶ島の食文化を語る上で欠かせないのが、伊豆諸島全域で収穫され、年間を通して食卓にのぼる明日葉です。「今日摘んでも明日には新しい芽を出す」という由来から明日葉と名付けられるほど、生命力の強い植物。
日本固有の健康野菜で、食物繊維やビタミン類など、現代人に欠かせない様々な栄養素が豊富に含まれているのが特徴です。
そのほかにも島きゅうりや島唐辛子、かんもと呼ばれるサツマイモなど、島内では多彩な野菜が採れます。明日葉と鳥一羽丸ごと使って醤油と砂糖で味付けする鳥鍋、かんもや明日葉がふんだんに入ったかんも汁などの郷土料理も。

また、シマアジやキハダマグロなど新鮮な魚が採れるのも島ならではの魅力。
わさびではなく生の唐辛子をつけて食べるのが島人流。臭みもなく美味しいと評判です。
【郷土芸能】風情を感じる踊りと太鼓の音色に心癒される

島の郷土芸能として、島唄・島踊り・還住太鼓(かんじゅうだいこ)が古くから受け継がれてきました。
その中でも特に印象に残る還住太鼓は、2人で太鼓の両面をたたき、黒潮の波を表現します。
島内に響く太鼓の音色に、青ヶ島の風土と暮らしてきた人々の息吹を感じることができます。
学校の運動会や例年7月末に行われる島のお祭りなどで披露され、遭遇できることがかなり貴重なので、もしタイミングが合えば島ならではの文化として体験してみてください。
【小さな村の暮らし】約170名の島民による温かな雰囲気

人口170名前後の青ヶ島、もちろん島民は皆顔見知り。
商店は一軒、学校も一校、お宿も民宿のみとアットホームな雰囲気が島全体に広がります。
島を巡り、島のごはんを食べ、島の民宿でお酒を楽しむ。
自分自身で過ごし方を考え、時には何もしない自由な時間を楽しむ。
そんな小さな島ならではの、のんびりした時間を過ごせます。
青ヶ島を満喫するモデルコース
交通機関が1日1便のため日帰りの観光はできませんが、島内はそこまで広くないので1泊あれば回ることができます。
バス・タクシーがないので(レンタサイクル、レンタバイクも無し)、移動手段はレンタカーか徒歩になります。
島内は急な坂が多く体力が必要なため、ゆったり観光したい人にはレンタカーがおすすめです。
魅力的なスポットを1泊2日で巡るおすすめのモデルコースを紹介します。
<1日目>
●10時:ヘリコプター着【青ヶ島ヘリポート】
↓
●10時30分:民宿のチェックイン、レンタカー手続きなど
↓車で5分
●11時:大凸部登頂 絶景を楽しむ
↓車で15分
●12時:昼食_池之沢地区「地熱窯」でひんぎゃ弁当を調理※詳細は宿で確認を
●13時:丸山遊歩道散策 丸山に咲く四季折々の植物に触れ合う
↓車で5分
●15時:青ヶ島港 断崖絶壁の島内唯一の港を一望
↓徒歩ですぐ
●16時:ふれあいサウナ 自然熱のサウナでリフレッシュ※平日は16時から営業
↓車で15分
●17時:民宿到着 ちょっとひとやすみ
↓徒歩で10分
●17時30分:青ヶ島酒造で酒造り説明、試飲、お土産購入※要予約
↓徒歩で10分
●18時30分:民宿で夕食
↓徒歩で15分
●20時:ジョウマン共同牧場で星空観察※道中は暗い為、懐中電灯を忘れずに
<2日目>
●7時:民宿 起床
↓徒歩で20分
●7時30分:尾山展望公園まで朝の散歩
↓徒歩で20分
●8時:民宿で朝食、チェックアウト
↓徒歩ですぐ
●8時30分:商店でお土産購入など
↓車で5分
●9時:青ヶ島ヘリポートで受付
●9時40分:青ヶ島発
青ヶ島に行く際の注意点
一番大事な注意点は、必ず事前に宿を予約することです。特に飲食店がない青ヶ島では民宿の食事が欠かせないので、宿の予約には十分に注意しましょう。
ヘリコプターか船かで到着時間やチェックインの時間等が変わるので、交通手段を伝えるとスムーズです。
また、島内には小さな診療所が一軒のみで薬の購入などはできない為、滞在中に必要になるものは事前に持っていきましょう。なお、休日に対応できる観光協会、観光案内所などはないので、不明な点は平日に青ヶ島村役場観光担当まで問い合わせを。
島内では立入禁止区域に入る、勝手に島民のプライバシーに関わるものを撮影するなどマナー違反となる行為はやめましょう。
写真映えスポットが多数ありますが、ドローン撮影はルールを守らないととても危険です。
必ず事前に青ヶ島村役場観光担当にご連絡ください。
(画像提供:青ヶ島村役場)
<まとめ>
『絶海の孤島』と呼ばれる青ヶ島はいかがでしたでしょうか?
ありのままの自然や文化が島全体に広がり、日々の喧騒を忘れさせてくれる居心地のよさを感じられるはず。
青ヶ島に訪れる際にはぜひ参考にしてみてくださいね!
※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、各自治体により自粛要請等が行われている可能性があります。
※お出かけの際は、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、マスクの着用、手洗いの徹底、ソーシャルディスタンスの徹底などにご協力ください。
※掲載の価格は全て税込価格です
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