宿での滞在を思いっきり満喫するおこもり旅。連泊にすれば非日常時間をよりじっくり楽しめます。そこで今回は、ずーっと泊まっていたくなる素敵なおこもり宿を全国から厳選しました。
雪国暮らしが味わえる古民家宿や、読書三昧で気ままに過ごせる美術館のようなホテル、バーに泊まるをコンセプトにした大人のためのホテルなど、個性豊かなラインアップでお届けします。2泊3日を存分に楽しむ過ごし方の一例も、ぜひ参考にしてください。
思うようにお出かけができない今、1回の旅をうんと充実させましょう!
【宮城県・大崎市】百年ゆ宿 旅館大沼
名湯満ちる8つの風呂でゆるり。心と体をととのえる現代湯治を。

北風が身に染みるこの季節、疲れを感じると「湯治」の2文字が頭に浮かぶ。初心者でも手軽にできる湯治はないものかと探し当てたのが、東鳴子温泉で120年の歴史を持つ湯宿の現代湯治「アジールプラン」。
宿には8つの風呂があり、泉質の異なる2種の源泉を100%かけ流しで堪能できるという。プランのアーリーチェックインを利用して昼前に宿を訪れるのもおすすめ。
植物由来成分が豊富な紅茶色の湯は、木の香りと柔らかな肌触りが心地よく、身を沈めれば無心の境地に。一方の透明な湯は塩分濃厚で、ぽかぽかと芯まで温まる。庭園貸切露天風呂では一面の雪景色を前に、心まで白く洗われるような錯覚も。
予約制の貸切風呂は1回30分1100円の利用料が、プランでは1回無料に。冬期は日没が早いので早めの入浴を。8つの風呂を1日で満喫しようという焦りは無用。のんびりマイペースに過ごせるこのゆとりこそ、連泊の賜物。
2泊3日の過ごし方一例
<1日目>
11時00分- アーリーチェックイン
11時30分- 温泉入浴
14時00分- 客室へ移動
15時00分- 庭園貸切露天風呂「母里の湯」で湯浴み
18時00分- 夕食
<2日目>
8時00分- 朝食
12時00分- おむすびランチ
14時00分- 温泉入浴
18時00分- 夕食
<3日目>
8時00分- 朝食
10時00分- チェックアウト


プランでは、新設のラウンジを使える他、中日におむすびランチが付く。ぴかぴかの鳴子産米で作ったおむすびをどうぞ。

東鳴子温泉の温泉水と地豆腐を使用した「温泉湯豆腐」や鳴子産大豆・くるみ豆を使ったオリジナル納豆で朝から元気チャージ。

自家製薬膳鍋や胡麻豆腐入りの茶碗蒸し、地元の旬の野菜など胃腸に負担をかけない滋味溢れる食事で身体の中もととのえる。



館内には大浴場やふかし風呂、薬石を埋め込んだ内風呂など、個性様々な7つの風呂が。うち4つは無料で貸切利用できる。
おすすめ連泊プラン
[プラン名]アジールプラン
[料金]2泊5食付き2万3760円~3万3000円
[期間]通年

【神奈川県・箱根町】bar hotel箱根香山
シャンパンブランチから始まる昼酒の愉悦を心ゆくまで。

多忙な日常を送る大人世代にとって、“昼酒”は限られた休日だけの贅沢。その愉楽に溺れてみたいと、愛酒家たちに話題の「bar hotel箱根香山」。小涌谷の静かな森に佇むこちらは、「barに泊まる」がコンセプト。
エントランスを入ると、洗練されたバーカウンターが目に飛び込んでくる。チェックイン時のウェルカムシャンパーニュに始まり、ここでの飲み物はほとんどが宿泊料金にインクルーシブ。ウイスキーやカクテル、ワインなど約200種のお酒を、深夜まで好きなだけ味わえるとは、まさに酒好きの聖地。
翌朝は、昼前に起きてシャンパンブランチで1日をスタート。温泉でリセットし、雄大な景色を望むラウンジで読書のかたわらグラスを傾けていると、緩やかに夕暮れがやってくる。まもなくバーの開店時間。連泊旅ゆえ、ほろ酔いの幸福はまだまだ続く。
2泊3日の過ごし方一例
<1日目>
18時00分- チェックイン
18時30分- private spa & barで入浴
20時00分- the barで夕食&バータイム
<2日目>
11時00分- シャンパンブランチ
12時30分- 温泉入浴
14時00分- ラウンジで昼酒(別料金)
18時30分- the barで夕食&バータイム
<3日目>
9時00分- 温泉入浴
11時00分- シャンパンブランチ
14時00分- チェックアウト


箱根の自然が望めるバーは18時~翌2時営業(LO翌1時30分)。「バーニャカウダ」1800円などお酒に合うバーフードも。

ブランチは9時~12時にラウンジにて用意。ガレットとピンチョススタイルの料理を、シャンパーニュやシードル、白ワイン、ビールなどと共に。

バーカウンターとサウナを併設した温泉貸切風呂では、スパークリングワインなどが飲み放題。利用は予約制で1室90分1万円。

箱根七湯の一つ、宮ノ下温泉の湯が注ぐ大浴場が2カ所。冬期の露天風呂からは、雪化粧の浅間山と明星ヶ岳が眺望できる。
おすすめ連泊プラン
[プラン名]【連泊割】自然の中で、barと温泉を心ゆくまで愉しむ「フリーフロー」プラン
[料金]2泊朝食付き8万円~11万7000円
[期間]~2022年3月31日

0460-82-0111
神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷507-4
【電車】箱根登山鉄道箱根湯本駅より箱根登山バス箱根町港行きで35分、蓬莱園より徒歩5分【車】西湘バイパス箱根口ICより2時間
「bar hotel箱根香山」の詳細はこちら
【新潟県・南魚沼市】ryugon
50年の歴史を持つ豪農の館で雪国暮らしの醍醐味を味わう。

日本屈指の豪雪地帯として知られる新潟県・南魚沼。坂戸山に抱かれた広大な敷地に、約270年前の豪農の館を移築した古民家の宿が佇む。無形文化財にも指定されている歴史的価値の高い建物だが、館内へ足を踏み入れて驚いた。白い囲炉裏やハイバックソファのラウンジなど、スタイリッシュにリノベーションされた空間が続々と現れる。
辿り着いた「VILLA SUITE」の客室も同様に、古民家の木の温もりと洗練された内装が見事に調和。窓に広がる水墨画のような景色を愛でながら、快適な雪国ステイが楽しめそうだ。
部屋でひたすらのんびりするのも魅力的だが、こちらの宿には雪国文化を体験できるプログラムが多数。果実の処理から行う「果実酒作り体験」や、地元の郷土料理名人と作る「土間クッキング」では、丁寧な田舎暮らしの醍醐味に触れられることうけあい。
晴れた日なら「スノーピクニック」へ。白銀の絨毯を独占して味わうイタリアンランチは、格別のおいしさに違いない。滞在中にやりたいことを数えながら、連泊にして正解だったと早くも悦に入った。
2泊3日の過ごし方一例
<1日目>
15時00分- チェックイン
17時30分- 夕食
20時00分- 果実酒作り体験
22時00分- 温泉入浴
<2日目>
9時00分- 朝食
11時30分- スノーピクニック
17時00分- ラウンジで食前酒
19時30分- 夕食
<3日目>
8時30分- 朝食
11時00分- チェックアウト
11時30分- 土間クッキング

見渡す限りの雪景色の中で愉しむ、プライベートなランチピクニック。1月~3月の開催で1名3850円。3日前までに要予約。


雪国の伝統料理をベースにした「雪国ガストロノミー」に舌鼓。他にルームサービスやローカルフードデリバリーなども選べる。

梅やレモンなどの果実をお酒と氷砂糖で漬け込み、自分だけの果実酒を手作りする。香りが出たら飲み頃に。1名4400円~。

かつては米蔵だった木造平屋土蔵造りの建物が大浴場に。肌に優しい六日町温泉が贅沢に注ぐ内湯と露天風呂で雪見入浴を。

白い囲炉裏のあるラウンジではコーヒーやお菓子などのサービスが。夕食前の17時~19時30分には食前酒も無料で愉しめる。


かまどで炊くご飯とけんちん汁などの汁物を地元のおばあちゃんと一緒に作る。1名3850円。3日前までに要予約(2名~催行)。
おすすめ連泊プラン
[プラン名]【2泊目半額】季節限定連泊割引
[料金]2泊4食付き3万175円~6万9300円
[期間]通年の各季節(土日祝、GW、夏休み期間、年末年始を除く)


025-772-3470(9時~18時受付)
新潟県南魚沼市坂戸1-6
【電車】JR上越線六日町駅よりタクシーで7分【車】関越六日町ICより10分
「ryugon」の詳細はこちら
【長野県・松本市】扉温泉 明神館
ナチュレフレンチと日本料理。宿自慢の2種のディナーを堪能する。


標高1050m、国定公園の大自然に抱かれた「扉温泉 明神館」は、世界的なホテル・レストラン組織「ルレ・エ・シャトー」にも加盟する名宿。1931年の創業時から地産地消へのこだわりを掲げ、自家農園の有機野菜をはじめ、地元の食材を活かした料理に定評がある。
館内にはレストランが2つ。「ナチュレフレンチ菜」では、松本の旬をひと皿ひと皿に再現したオーガニックフレンチを、「信州ダイニングTOBIRA」では発酵食品の先駆者、横山タカ子氏のアドバイスのもと、美と健康をテーマにした和食を提供する。1泊の滞在ならどちらか1つのディナーで迷うところ、連泊プランなら両方の美食を味わえることが何よりもの魅力だ。
神話にも登場する名湯と自然の風景に癒やされながらメインイベントの夕餉を待つ、悠々閑々な旅をぜひ。
2泊3日の過ごし方一例
<1日目>
15時00分- チェックイン
16時30分- 温泉入浴
18時00分- 日本料理の夕食
<2日目>
8時30分- 朝食
13時00分- 温泉入浴
日中- アフタヌーンティー
18時00分- フレンチの夕食
<3日目>
7時00分- 温泉入浴
8時30分- 朝食
12時00分- チェックアウト


信州伝統野菜の復活と活用に加え、長野の昔ながらの食事バランスを活かした、滋味豊かな味わいの和食が愉しめる。

朝は前の晩と同じレストランへ。「ナチュレフレンチ菜」は洋食、「信州ダイニングTOBIRA」では和食を用意。

神々も湯治に訪れたという伝説が残る扉温泉。自然との一体感に浸れる立ち湯「雪月花」など、個性溢れる浴場が3カ所。

2日目のティータイムは、「サロン1050」で季節のフルーツを使用したアフタヌーンティーセットを。2名用は3300円。
おすすめ連泊プラン
[プラン名]和食もフレンチも愉しむ 連泊プラン
[料金]2泊4食付き6万1800円~24万8600円(客室により異なる)
[期間]通年

【京都府・京都市】THE GATE HOTEL 京都高瀬川 by HULIC
ラウンジで、敷地内の図書館で 気ままに読書三昧の至福。

京都河原町駅から徒歩約3分。祇園など観光地にもほど近い木屋町の高瀬川沿いに、美術館のごとく端正な表情をした建物が現れる。2020年7月に開業したこちらは、築93年の歴史を持つ元立誠小学校の校舎を再生したホテル。学校だった建物に泊まる、というだけでも旅の目的としては十分だが、今回の目当ては読書三昧だ。
なんと敷地内には8つのカフェやショップに加え、約3000冊の書籍を所蔵する「立誠図書館」を併設。本来、本の貸出しは会員限定のところ、宿泊客は滞在中無料で借りることができる。
バラエティ豊かな蔵書から好みのタイトルを見つけて、部屋に持ち帰ったり、芝生の広場で読み耽ったり。夜は宿泊客専用のラウンジ&パティオで、焚き火にあたりながらページを繰るのも一興。翌日を気にしない夜通しの読書は、連泊旅ならではの贅沢な愉しみだ。
2泊3日の過ごし方一例
<1日目>
14時00分- チェックイン
15時00分- ラウンジ&パティオで読書
19時00分- Anchor Kyotoで夕食(別料金)
<2日目>
9時00分- 朝食
11時00分- 立誠図書館で読書
12時30分- 併設の商業施設にて昼食(別料金)
19時00分- 近隣にて夕食(別料金)
21時00分- ラウンジ&パティオで読書
<3日目>
9時00分- 朝食
11時00分- チェックアウト


ホテルのラウンジ&パティオにも約110冊の蔵書が。夕刻はファイヤーピットに火が灯り、薪のはぜる音が癒やしのBGMに。


朝食は、メインをエッグベネディクト、フレンチトースト、和食膳(30食限定)の3種から選べる。

ブックディレクター“BACH”の幅允孝氏が選書を監修した図書館。本館の他、テーマの異なる「かどっこ図書館」が4カ所。

連泊プランには夕食が付かないため、宿周辺の飲食店の利用を。ホテル最上階にある「Anchor Kyoto」でのディナーもおすすめ。
おすすめ連泊プラン
[プラン名]京都を満喫する☆連泊旅☆
[料金]2泊朝食付き2万9028円~8万5460円(Classyタイプ利用時)
[期間]~2022年5月31日


075-256-8955
京都府京都市中京区蛸薬師通河原町東入備前島町310-2
阪急京都線京都河原町駅より徒歩3分
「THE GATE HOTEL 京都高瀬川 by HULIC」の詳細はこちら
【大分県・別府市】界 別府
風情に富んだ温泉街が宿の中に。多彩な体験で別府の湯に親しむ。

フロント階でエレベーターを降りると、和紙の提灯が照らす石畳の路地が広がっていた。その先には、空を映す足湯と別府湾の眺め。開放感溢れる景色に迎えられ、到着早々、旅情が高まる。
2021年7月、別府温泉に誕生した「界 別府」。宿は明治時代の旧別府港の開港以降、多くの湯治客を迎えてきた北浜地区に位置する。夜遅くまで人々で賑わう温泉街をイメージしたという館内は、情緒がありながらも斬新な空間。滞在中どんなシーンが待ち受けているのか、期待に胸が膨らんでしまう。
まずは部屋でひと息つこうと客室の扉を開けば、大窓に切り取られた美しい海景色に釘付けに。大浴場で別府の湯を堪能し、夕食は地元食材を活かした会席料理に舌鼓…。満ち足りた気分で石畳の「湯の広場」を訪れると、日中のしとやかな表情から一変、活気溢れる情景が広がっていた。スタッフが披露するご当地楽やネオン輝く「ラボ」の夜店。高揚を誘う祭囃子が、宿にいることを忘れさせる。
聞けば、足湯から望む朝日や朝の別府温泉絞り体験もおすすめだとか。これほど風情に富んだ館内を愉しみ尽くすには、1泊では心許ない。連泊のゆとりを噛みしめた。
2泊3日の過ごし方一例
<1日目>
15時00分- チェックイン
16時00分- ラボにて「温泉いろは」や温泉ミスト作り体験
17時00分- 温泉入浴
19時30分- 夕食
21時15分- ご当地楽「湯治ジャグバンド」観賞
<2日目>
8時30分- 朝食
10時00分- 湯の広場で別府温泉絞り体験
12時00分- 近隣にて昼食
17時30分- 夕食
19時00分- ラボにてスマートボール
<3日目>
7時00分- 足湯で日の出観賞
8時30分- 朝食
12時00分- チェックアウト


手湯コーナーと足湯が備わる。温泉で染料を落とし、模様を浮かび上がらせる「別府温泉絞り体験」は1名1800円(要予約)。


温泉の配管をモチーフにしたラボ。昼は「温泉ミスト作り」、夜は「スマートボール」や「温泉モクテル」などが無料で愉しめる。

目前に広がる別府湾を眺めながらぽかぽかと癒やしの時間が過ごせる。東向きにあり、海から昇る朝日の眺めも素晴らしい。

法被をまとったスタッフが「湯の広場」に登場。豊富な温泉と桶などお風呂の道具から生み出される音色を奏でる。毎夜開催。

大浴場には源泉100%かけ流しのあつ湯と、じっくり浸かれるぬる湯が。2つの自家源泉を混合した温泉は、柔らかな肌触り。

かぼすなど地元食材を中心に用いた会席は、器も小鹿田焼きや竹細工など大分の名産品を使用。特別会席には豊後なべも。
おすすめ連泊プラン
[プラン名]連泊優待◇ゆったり泊まって1泊あたり約20%割引◇日本一の源泉数を誇る別府で温泉三昧プラン
[料金]2泊4食付き5万5660円~7万6780円(和室利用時)
[期間]通年

※この記事は2021年11月19日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
※掲載の価格は全て税込み価格です。
※特に併記していない限り、記載の宿泊料金は大人2名1室利用時の1名料金(消費税・サービス料込み)です。別途、入湯税・宿泊税がかかる場合があります。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、感染拡大防止に充分ご配慮いただくようお願いいたします。
じゃらん編集部
こんにちは、じゃらん編集部です。 旅のプロである私たちが「ど~しても教えたい旅行ネタ」を みなさんにお届けします。「あっ!」と驚く地元ネタから、 現地で動けるお役立ちネタまで、幅広く紹介しますよ。